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2019年7月26日金曜日

麻雀の研究会に向いてないタイプの人 ③ 判断スピードの遅いタイプ

というわけで前回からの引き続き
http://susumutakenaka.blogspot.com/2019/07/blog-post_24.html  

『さて二つ目にあげるタイプは”判断スピードが遅いタイプ”です。』
「へえ・・・今一つピンとこないです、」
『そうですか?』
「判断スピードが遅い人=麻雀で勝てないって言われると、”まあそうかも”って感じですが、研究会にも向いてないんですか?」
『じゃあ、ちょっと例としてたまにみる光景を挙げてみましょう。』

【例】
とある半荘のあとにその振り返り検証をしている中、
『端山さん。この状況だったらもうオリた方がいいですよ。親は聴牌している可能性結構高いですし。』
「あー、いや気づいてたんですけどね。」
『それと次の局、ここも仕掛けた方がいいですよ。この巡目じゃもう間に合わないですよ?』
「いや、解ってたんですけどね。うっかりしちゃっただけで、、、」


『って具合ですね』
「・・なんか言い訳がましい人ですねw」
『いや彼自身は言い訳しているつもりないし、大体のケースではちゃんと解ってもいるんですよ。実は。』
「えっ?」
『ただし大体は指摘された巡目の1,2巡後に気づいてるんです。』

「、、、それってそこまで問題なんでしょうか?気づいてるんですよね?」
『はい。
麻雀っていうのは気づくべき情報にリアルタイムで気づけるか否か、
これが結構大きな実力の分かれ目だからです。
”時間をかければ理解できる”と”その場で即時に理解できる”
この溝は結構おおきいんです。
だから他人の麻雀を脇から観戦したり、
観戦記読んだりする時は、
大体の人はいつも自分が麻雀打ってる時より遥かに考え抜かれた冷静な一打を選べたりするんですよ。
ただこの点をしっかり理解していない人、
かつ「若干遅まきで大体の事に気づく事自体は出来てしまうタイプの人」、
これは結構研究会では苦労をします。
”自分の稚拙さに自覚を持てない”という事が結構あるからです。』
「なるほど。”そんなに指摘されるほど俺は弱い訳じゃない”って状態に陥るわけですね。」
 

『再度言いますがこういった”1,2巡遅れ=完全な実力不足”という点を自覚できてないと、
”自分は気づいてた”
”考えていた事は同じ”
という反抗心が芽生えて、人のアドバイスを素直に聞けない精神状態をつくりやすい、
これが結構問題です。』

「じゃあこういったタイプの人はどうすればいいですか?」
『シンプルですよ。
議論中に指摘を受けた際に、
”いつの時点で気づいていたか?”
”あと1巡早く気づけてなかったか?”
と考えてみる事です。』
「そのまんまですねw」
『まあそうですね。ただ”気づきの遅さ=稚拙さ”ってのをあまり感じる事が出来てない人は多いですし、これについて心当たりがある人はちょっとそれを自覚する事で勉強の質が若干良くなるかもしれないですね。』

続く

2019年7月24日水曜日

麻雀の研究会に向いてないタイプの人 ② わかりましたタイプ

前回の続き
https://susumutakenaka.blogspot.com/2019/07/blog-post_22.html

『じゃあまずその1”わかりましたタイプ”です。』
「・・・なんですかそれ?」
『こんな感じのシーンをよく見かける人です。』

【例】
とある研究会。
1局打ち終えた後で。
『端川さん。ここはこっちの方切った方がいいよ。状況が●●なわけだし。』
「ああ、なるほど。そうか~」
『あとこの一打も。これ位の終盤はもう下家に辛く打たない損だよ。』
「うんうん。わかりました。」
 

『って具合ですね』
「え?何が問題なんですか?」
『この人、実はよく解ってないからですよ。解ったふりしてるだけなんです。』

「・・・いや。解ってるから返事してるかもしれないですよ?」
『はい。だから前提として”似たシーンをよく見かける人”って点があります。
たまにこの手のシーンがある位の人なら問題はないです。
ただ、何回も同じ研究会とかで毎回注意されてて毎回”わかりました”を連呼する人、
これはもう100%”実はよく”理解できてません。
そんな中でスルースキルだけが上手になってる人なんです。』
「・・・・・」

『この手のタイプは上達って観点では一番性質が悪いとも言えます。
最大の難点はスルーが板についてしまってるにもかかわらず、本人は、”自分はなんとなく理解できてる”と思い込んでしまってる事、
でも実は知識がついていってない事です。
それにプラスして長年このスルーで凌いじゃってるだけにキャリアとプライドだけは無駄に多くて高いのも大きな問題ですね。』
 

「・・・・・」
『端山さん?』
「・・・・いえ。そ、それじゃあこのタイプの人はどうすればいいんでしょう。」

『いま通ってる研究会があるならもう行かなくていいかもです。
今更スルースキルを撤回するのは難しいでしょうし、同じところで勉強し続けるのは手遅れな状態の人ともいえます。
・違う場所を探して一から丁寧に教わる
・個人的な師匠にマンツーマンで教えてもらう
とかですね。そもそも独学での知識アップも忘れちゃいけないですが。

ただそこまでせずとも一つ心がけるべき事は、
・注意された際、教えてくれた人に対し、その内容を自分の口と言葉で再確認する習慣を作る
これが一番効果的ですね。
「わかりました」じゃなくて
「これは●●という事で、だからこっちを切るべき、でOKですか?」
といった返答を意識する事です。
これでカラ理解を潰していく事を試みる事ですね。』

「カラ理解って初めて聞きました。」
『麻雀だけじゃなくて仕事でも結構いますよ。カラ理解でスルーする人。
まあ全体的な研究会とかの進行を阻害する事を嫌がる人、空気を読める優しい人、とも言えますが、
残念ながらそのスキルが先に行きすぎちゃってるタイプですね』

続く

2019年7月22日月曜日

麻雀の研究会に向いてないタイプの人 ①

とある麻雀プロの研究会の後だった。

『さて、帰りますか。』
「あの、武中さん。」
『ああ後輩の端山さん。どうしたんですか?』
「ちょっとご相談があるんですけど。。。。」
『僕なんかに相談して意味があるとは思えないんですけど、まあどうぞ。』

「私もこの研究会来て数年ですし、麻雀プロやって10年以上経つんですよ。」
『そうですね。端山さんとも長い付き合いです。』
「でも全然上達している感覚が自分の中でなくて。」
『そうですね。僕からしても端山さんが出会った時からほとんど上達しているようには感じないです。入会2,3年目のプロを見渡しても大多数は端山さん以上のウデだと思いますよ。』
「・・・・」
『なんでしょう』
「・・・いえ(やっぱり相談する人変えるべきか)」

『それでどうしました?』
「なんかもっと効果的な勉強方法とかってあったりするんでしょうか?」
『うーん、、、、ちょっと難しいですね。
以前に記事にしましたが僕はそもそも特効薬的なトレーニングを推奨してないです。
やっぱり経験と勉強の繰り返しが大事なんですよ。』
初級者が強くなる為の考え方について その1
初級者が強くなる為の考え方について その2
初級者が強くなる為の考え方について その3  

「じゃあやっぱり地道に頑張るしかないんでしょうか。」
『まあ何とも。
そもそも才能の壁ってのもありますしね。
頑張った分だけ上達する、とは無責任に言えないのが競技選手の世界です。
いっそ開き直って”上達なんてしなくていいから只楽しむ”ってのも立派な選択肢です。
ただ、、、
一つだけ言うなら端山さんは”研究会に向いてないタイプ”かもしれません。
もっと違うアプローチを試みてみるのをお勧めしないでもないです。』

「えっ?」
『僕も色々な人を見てきて、
研究会ってところでぐんぐん上達するタイプもいればそうでないタイプもいる、
研究会自体への結局向き・不向きがある、って事です。
これはその時点でのスキル差もありますがタイプ差もあるんです。
端山さんは僕の見る限り向いてません。』

「な、なんでですか?
私は研究会に出続けても無駄って事でしょうか?」
 

『このまま出続けるのは多分無駄だと思います。
だからこそ上達してないのが事実でしょう。
まあでもせっかくなので、今回から数回に分けて
① 研究会に向いてない3つのタイプについて
② その人たちがどのような事を心がけるべきかについて
触れてみようかと思います。
もしも「自分がそれに該当する」と思ったら、
ちょっとその記事にある点を心がけて自分の中でのスタンスを変えながら研究会に出れば、
今よりも効果的になるかもしれませんし。』

「はあ、、、」
『まあそもそものスキルの問題もあるので、これから書く事はあくまで参考までに、って感じですけどね。』

続く

2019年7月16日火曜日

全ての点で敗北していたリーチ (2019 チャンピオンロード雀竜位シリーズ)

昨日、チャンピオンロード雀竜位シリーズのゲストでした。
もはやとったのは4年以上前、
「そろそろとった事忘れさられてるんじゃ・・・」
とか毎年ヒヤヒヤしながらも、
ちらっと横を見ると福田聡パイセンや斎藤俊パイセンもいる。

福田さんがとった第7期とか、
福田vs小倉の白熱した第4期とか、
覚えてる人どれ位いるんだろうか。。。。

「年一回のゲストだから恥ずかしくない程度の成績にしたい」
とか思いつつ卓につく。

1回戦東1局西家にていきなりダブリーがはいる。
数巡後に出あがり裏が乗って5200
一二三七九123678西西 ロン 八 ドラ ④ 裏ドラ 八

「やばい。今日俺の日かも。」
とか思ってたのだが、
その後はほとんど和了できず。
3回戦がおわって3-2-4、
 

デカトップしかない感じの4回戦。
東場で12000をあがり4万点程度でトップ目に。
ここから普通の半荘だったらある程度は流しにかかるが、
ここは7万点以上のトップは必須の状況。
無論さらに叩かねばならない。

南1局は速攻でしかけて6巡目にテンパイ。
三四五1179 白白白(ポン) ①①①(ポン) ドラ 九

が、無論まだ叩きたい。
出てきた1もポン
三四五9 111(ポン) 白白白(ポン) ①①①(ポン) ドラ 九

高打点を目指して、
ドラタンキが一番手っ取り早いがもう一つの狙い目もある。
数巡後だった。
三三四四 111(ポン) 白白白(ポン) ①①①(ポン) ドラ 九


その直後
対面「リーチ」
上家「リーチ」
(´・ω・`)
逃げない。
というか逃げようがない。

結果上家が一発自摸。
そして次の曲も上家一発自摸。
ドラがいっぱいの4000-8000で一気に捲られ2万点弱のリードを許す。
 

が、無論まだあきらめない。
次局、好配牌にツモと判断がうまくかみ合って5巡目にてこんな感じの聴牌。
一二三九九①②③13789 ドラ ①
ダマにしてるような局面ではない。
「リーチ」
すると直後に下家ツモ切りしておっかけリーチしてくる。
ニヤリ・・・・


だが数巡後に僕がつかんだ8にロンの声
1222334567789 ロン 8 ドラ ① ※裏ドラとか忘れたわ。そんな物

何一つ勝てる要素無しのメンチンリーチにあっさりぶっ殺されました。
中国麻雀で5でツモ和了とか一色四歩高に清一色でクソ高いな。。。
まあ日本麻雀でもクソ高いけど
とかいう極めてどうでもいい事を考えていた。

終わった後に数人でお酒の席、
あとから合流した五十嵐代表
「お前116人中106位だったぞ」
モウシワケアリマセン・・・・
決勝は協会員卓だったらしい。
協会員強いな(俺以外)

しかし赤ナシのツモ倍リーチ打って、確定倍満に追っかけられるとか中々あるもんじゃないな。
まあ競技麻雀長く見てると、
● 子供が1副露の大三元・字一色聴牌
● 親が「ツモ」と宣言
● (ああ安手で蹴られたか・・・)とか思ったら「16000オール」との発声
● 牌姿見たら四暗刻
なんて事もあったが(遠い昔の最高位決定戦)

来年こそはリベンジをと思いつつ、
「あんなすさまじいメンチンに放銃したのがリーグ戦じゃなくてよかった」
と思ったのはここだけの話なのでした。
 

改めましてご参加いただいた皆様ありがとうございました!
今年度のチャンピオンロード、次回は8月12日の新人王戦シリーズです。
ぜひともご参加お待ちしています。(僕はちょっと出れそうにないですが^^;)
http://npm2001.com/champion_road/10_champion_road_index.html

2019年7月10日水曜日

第2回Mリーグドラフトを見て改めて思う本音

日本プロ麻雀協会が発足して今期で18年目。
順風満帆でこの18年を駆け抜けたかと言えば、勿論否である。
僕が在籍している中で、この団体が危機を迎えた時もあった。

一番暗黒期だったのは前代表の運営末期である4期頃、
この時期、協会は大きな赤字から運営の色々な機能は停滞しギャラ未払いやそれら問題による
有力選手の離脱もあり大きく傾いた。

ここから現代表へと運営がバトンタッチした中でなんとか団体は存続、
6期頃に色々な点で盛り返す。
成瀬朱美をはじめとした良い人材が数名加入し、
団体運営も安定しはじめた時期だ。

思えばこの4期~6期頃、
危機を迎えた協会の我々下っ端が考えた事はただ一つ、
「麻雀だけは他団体に負けない力を身に付けよう」
これだけである。

当時の協会の麻雀の質に対する対外評価は酷い物だった。
まあ元々が最高位戦のB2リーグ以下から選手を大量に引き抜いて作り上げた団体だった点、
ここまでの規模の団体がいきなり麻雀界に増設されたのが初だった点(μは小数精鋭の色が強かった)、
「麻雀プロの質を下げている寄せ集め団体」というレッテルで何回も罵倒された中、
連盟・最高位戦と張り合うための実力を皆で磨きたい、と切に思い先輩・後輩での意見交換や研究をつづけた時期である。
現代表がとにかく麻雀に対してアツいああ見えて(?)職人気質の人なのもこの団体内の気風を後押しし、
数年後に協会の業界内での麻雀に対する評価はある程度はあがった、
と個人的には思っている^^;
 

さて話を先日のMリーグドラフトについての方向に持ってこう。
「第2の協会暗黒期」
こういうっても過言じゃないのでは、と恐れを抱いたのは僕だけじゃないかもしれない。

協会の麻雀が連盟や最高位戦に劣ってるとは僕は思っていない。
例えば今回選ばれた最高位戦の女流の日向・瑞原・丸山に対して、
協会の女流の精鋭は「業界内部の目線で言えば」実績だって実力だって劣ってないのではないだろうか。
連盟の和久津・沢崎・藤崎・岡田・内川にだってそう簡単には負けないとすら(個人的には)思っている。

ただ一方で現代社会は
「質のよい物を作れば必ず売れる時代は終わった」
とも言われている時代だ。

「お客は専門家ではない」
「ドラフト企業側は麻雀の専門家ではない」
この事実がある。

この知識ギャップを埋めるための営業努力、
今後この業界で協会が生き残るためにするべきこと、
なんだろう、
「評価される為にひたすらに麻雀で強くなろう」
10数年前に多くの仲間と皆で至ったこの考え、
これが古いものとなり一つの時代が終焉を迎えたのかもしれない。
そう考えずにはいられない結果だった。

こういった専門業界と顧客の間の穴を埋めるために、
ワインだったらソムリエがいるし、色々な分野にコンシェルジュがいる。
でも麻雀にはそれが無い。
そういった役割はおそらくこれから既にMリーグに入った多くの選手、関係者が担うのかもしれない。
だとしたら益々Mリーグというのは協会にとって遠くなるかもしれない。

ここからの挽回、
並大抵の努力じゃできない。
それはもう麻雀だけじゃ埋められない世界とも思う。
協会を一丸となって変えていきたい、
でもどんな方向に?
 

そしてもう一歩踏み込んだ本音をいえば、
協会員だけが本当に憤りを感じたのか?って点に僕は結構疑問を感じてたりする。
μやRMUはもちろん、上記の通り連盟・最高位戦の人も含めて、
「今後Mリーグに関わる、目指すとして自分の考え方を改める時期かもしれない」って思った人はいるんじゃないだろうか。

麻雀界は遥か昔から
「麻雀を囲碁・将棋のような位置づけに」って合言葉があった。
でもそれですらそろそろ脱却しなきゃいけないのかもしれない。

別にそれは不自然じゃない。
例えばボクシングでは抜群の成績を誇る王者でも不人気だとギャラが安かったりもする。

強くなれば報われる、
強くなれば夢のような生活が出来る、
必ずしもそうじゃない業界なんてわんさかあるのだ。

Mリーグの第2回ドラフトは
「麻雀プロ団体の在り方」
そして
「麻雀プロの在り方」
って点について、
「10年前と同じ考えじゃもうダメだ」という一つの結論を突き付けてきた気がした。

僕自身も、
協会って団体も、
これを一つの結果として受け止めて今後のやり方を考えなきゃいけない時期なのかもしれないですね。
 

と、
後ろ向きな事を色々と考えているのは事実なんですが、
グダグダ言っても起きてしまった事は始まらない。
と思ってるのも事実。

例えば麻雀ですよ。
酷い結果に終わる勝負もある。
終わった後に「運が無かった」「巡り合わせが悪かった」って思う勝負もある。
でもそこで「自分の方が実力は」と不運をぼやく事はあっても「運だけのせいにする」って行為はネガティブで無意味。
今回の件もそうとらえるべきとも思ってます。

そもそも今の協会が対外的にどの程度の評価なのかなんて僕には解らないんですよ。
中に長く居過ぎて。
だから今回の結果が「順当」か「不当」かも正直に何とも言えない。
「企業は選ばなかった」これも事実なら
多くの「”協会0人という結果に驚いた”」って声があるのも事実。
ただどっちも事実だけど、
協会にとってまた苦くて辛い結果だった、これが真実。

でも今回の事も糧にして、
数年後に
今回の金や水口の悔しさを晴らして(というかこの二人が選ばれなかったのはやっぱり長年協会にいた自分達の力の無さも一因と考えると本当にもうしわけがない)、
多くの「不当」って声が正しかったと証明する、
そのために出来る事を協会の人達と決めたい、やりたい、

どうすれば良いか、
色々な人と話して実行して皆で形にしたい。
でももちろん麻雀の質だってこれからどんどん向上させていきたい。
それをおろそかにだけはできないし。
今はそんな気持ちです。

もう今から来年に向けた戦いは始まっている、
そう思うし、思わなきゃならんからね。
協会って団体のリベンジを10年後には成し遂げて「あの2019年が第二の暗黒期”だった”」と言いたい、
そう思った屈辱の一日でした。
以上です。

今の偽らざる本音。
 

最後に改めまして選ばれた8名の皆様、おめでとうございます。
Mリーグは麻雀界の希望の光、これは事実です。
それに相応しい内容の麻雀を本気で期待してます。
これも偽らざる本音です。

2019年7月8日月曜日

会社員麻雀プロの先駆者「横山明香」という女性のお話

自分が麻雀プロになった2004年頃、
「会社員麻雀プロ」というのは業界ではどちらかと言えばマイノリティだったのかもしれない。

そもそも業界の規模、
プロの総人口が今より断然少なかったのもあるが、
麻雀プロと言えば基本的にはメンバー業の傍らでやる人が大半だった。

実際に遠い昔に記事で書いたが、
協会は第1期は水曜日にも対局をしていたらしい。
僕が入った最初の総会で「今後対局は土日祝のみとします」とお達しが出た記憶がある程度なので、
明確にその前の事はしらないが。

さて協会が土日祝対局を基本とする体制をとったのには、
「会社員を積極的にこの業界に受け入れよう」とかいう崇高な意識とかではなく、
実は当時の主力女流選手が会社員麻雀プロだった中で彼女の事情を考慮して、
という部分が多少なりともあったという説がある(真偽は定かではない)。

横山明香(よこやまさやか)という女性だった。
 

会社員麻雀プロとして協会に所属、
おしとやかなたたずまいと気さくな性格もあり人気を博していた選手であり、
協会創立当初の看板選手の一人である。

彼女は一般企業にてOLをしながらも、
土日は対局やゲスト活動をし、
会社員および麻雀プロとしての生活をしていた。

実績的にも第2期日本オープンの決勝や第3期女流雀王決定戦の決勝進出、
リーグ戦で現A2に所属していた時期もありバリバリ活躍。
※ここらへんは当時と現在の業界規模の違いがあるので一概な実績評価は出来ないが。

第5期リーグ戦でB1⇒A2への返り咲き昇級をしながらも、
第6期の始まりと同時に協会を脱会された。
※ちなみにこの時の同リーグには僕もいたし、金やたろうさんもいたり。

詳しい話はしなかったけど、
この業界の理想と現実のギャップに色々と悩んだ中で、第一線から身を引く事を選んだように思えた。
脱会後に一度お会いした事もあった。(何故か奥村さんと3人で飲んだっけなw)
当時とほとんど変わらない姿で、その後の会社員としての生活や彼氏さんの話をされていたい。
そのさらに後、風のうわさで結婚したとも聞いてる。
今では子供に囲まれて会社員兼母親でもされているかもしれない。
 

「今のMリーグとかで盛り上がる業界を彼女もどこかで見守ってるのかな」
仕事の書類を作りながら、ふと思った。

多くの企業が業界を盛り上げてくれている現在、
10数年前には考えられない話だ。
当時の横山さんは、
女流選手もまだまだ今の10分の1にも満たない業界の中、
女流に対する注目度や偏見もいまより圧倒的に強い中、
プロ意識を忘れず高い志で協会自体の在り方についても真面目に色々と考えくれていた人であり、現在に続くレールを必死に作る為に頑張ってくれていた。

会社員麻雀プロという立場からすれば、
現在は一般的なこのライフスタイルについて、
協会および麻雀界への認知を広げてその体制づくりに一役かってくれた点についても彼女の果たしてくれた役割はとても大きい。



もしもMリーグが10数年早く来ていれば、
彼女も選抜に選ばれてその努力がもっと大きな形になっていたのだろうか。
これは埒があかない空想かもしれないし、それを言うなら同様にもっと報われてしかるべきの人だって多数いる。

さて一方で
「キャバクラに行って何の話するの?何切るとか?
というか麻雀知らない人と何の話をしたらいいか解らない?」
普段の真面目で良識ある性格で知られていイメージから想像できないぶっ飛んだ発言をして回りを凍りつかせた事もあったりした根っからの麻雀好き、
「引退してもどこかしらのフリーとかで麻雀打って”あの女性強いなあ・・・”と思われたい」
とか言っていた事もあった。

個人的には
今でも麻雀が好きで、
どこかでたまにフリーやネット麻雀打ってて、
対局放送はちょくちょく見てたりしてて、
そんな姿があったとしたら色々と嬉しく思う。
 

Mリーグって大きな媒体が明日にまた更なる発展をする中で、
過去の多くの先陣の功績があって麻雀界や女流プロの仕事って奴が今の形になってる事、
協会で僕の様な会社員が活動できる発端にこういった方がいた事、
ちょっと書いてみたくなった記事。

ご本人が何されてるかは知らないけど、
いつか元気にまたこの業界でひょっこり競技楽しみに大会来てくれたらそれはそれでそれで嬉しいですね。

例えば明日のドラフトをドキドキしながら見ててくれてて、
例えば明日に金太賢が指名されたとしたらそれを喜んで、
もしもお子さんがいたりしたら、
「この人と昔同じリーグで対局をしていた」
って語り掛けてる、
そんな姿があったらなお嬉しかったりするかも。

2019年7月5日金曜日

7月9日のMリーグドラフトについてガチで予想してみる (KADOKAWA指名)

さていよいよMリーグの第2回ドラフトが来週7/9(火)なわけですが、
前回書いた以下の記事から状況に大きな変化がありました。

8チーム目、KADOKAWA株式会社の加入決定。  

これは特に今回相当指名が厳しかったと思われる連盟以外の4団体の男子にとっては途轍もない朗報でしょう。
僕としても聞いた瞬間とび上がりましたw
というわけでまず本記事で、その「KADOKAWA指名」の予想を書いてみようかと思います。

さてまず、
それにあたって改めてKADOKAWAの過去における麻雀界とのつながりをちょっと確認したのですが・・・・

近年のメディアとかに積極的な参入をしている様子は特に無し。
かの名作「麻雀放浪記」はKADOKAWAからの出版ですが、
先日放送された映画「麻雀放浪記2020」の制作に絡んでいる様子も特に無し。

こうなると一応やっぱり「どの団体からも選びそう」という前提になっていいかと思われる。
しかも今後の業界のパイプ作りもかねて、結構団体ばらすの意識する可能性がありそう。
いや、前回似た立ち位置に見えた電通が連盟から3人選んだし、なんとも言えない部分もありますが。

それにプラスして前回記事でも書いた点、
「ここ数年よりも10年位のスパンでの実績・知名度が重視されそう」
KADOKAWAは特に業界向けコンテンツが無い分マニア視点よりも一般的知名度でさらに選びそう、
と色々と考える。

前回記事:
http://susumutakenaka.blogspot.com/2019/06/79m.html  

さてそんな中で改めて予想を。
選手を広げるとキリが無さ過ぎるので3枠にほぼ絞ってズバッと書きます。
その方が外れた時の言い訳も立ちやすいしw

① 土田浩翔
② 金太賢
③ 連盟の女流(宮内 or 和泉 or 岡田)

以上です。

①については土田さんの本がKADOKAWAから過去に出ている点より予想。
世間的な知名度も高くて実績も凄い土田先生、
ここ数年の成績よりもそれらを重視して本命におしてみます。
https://store.kadokawa.co.jp/shop/k/k301607000127/

②の金は近年の実績十分の本命としておす。
これは協会員としての願望込みです。
ここに連盟男子が入る可能性も無論ありますが。

③は全団体バランスよく指名するとなると連盟になると思われる。
「団体間のバランスの考慮」から
まあ②内川幸太郎 ③朝倉ゆかり or 水口美香、ってプランもありそうだな、とか色々思った次第です。

いや、
当たる自信なんてまーったくないですけどね。
第1回ドラフトの結果が僕の予想と全く違ったので、
今回は比較的その前回結果に寄せて推理してるし。


KADOKAWAの方がもしもこの記事をご覧になっていたらぜひとも当日本プロ麻雀協会現No1、雀王の金太賢(キム・テヒョン)をよろしくお願いいたします。
選手としての知名度、実力は勿論、選んで頂いた暁には御社のMリーグ関係活動に団体としてもご協力を出来るかと思いますので是非に・・・・
ご挨拶もしとく記事。

そういえばもう一つ。
Abemaの方で女流選手の人気投票もあったじゃないですか。
https://abema-mleague.tv/  

水口美香が1位って点、
豊後・愛内・朝倉あたり上位12名に入ってる点、
協会員としてやっぱ希望が持てる。
「協会の女流は強い」ってのは僕が常々言ってる点だし。
やっぱ改めて水口・朝倉のどっちかに指名があって欲しいなあ。

前回のドラフトは協会惨敗だったけど、
さて今回はどうなりますかね。
出来れば2人以上選ばれてほしい。

さて、泣いても笑っても7/9(火)。
家でゴハン食べながら見守りましょうかね。

https://abema.tv/channels/mahjong/slots/9vgaNy9eCgsHdy

2019年7月3日水曜日

松田麻矢が気づいたらプロの顔をしていた、お話

「稲毛さん、苦しいけど何とか勝ってほしいなあ」
率直な見てた間の終始の感想である。
見ていたのは先日終わったμ(麻雀連合)の第11回µレディースオープン決勝だった。
https://freshlive.tv/threearrows-ch/269138  

稲毛さんは第7期の将妃戦でも優勝している、
長年μ女流の第一人者として活動してきた一人である。

自分と同じ位のキャリアを積んだ人、
競技の酸いも甘いも知ってるであろう選手の考えてる事というのは大体理解できる。
今回の決勝だって優勝以外は無価値と思ってただろうし、
意気込みも相当な物だっただろう。
それが解るだけに稲毛さん応援であったw

一方でリードしていた松田麻矢、
彼女との面識は稲毛さんより圧倒的に多い。
が、それは「人狼スリアロチャンネル」での物が大半で、
麻雀についての話はした事が一切ない。いや本当にない。

よって
「まだ若いし、やっぱ負けても準優勝に満足する部分がありそう。」
とか思っていた。

南1局その3、
リードをしていた麻矢が芝さんの8000に放銃して一気に場が混沌とする。

本人が一番悔やんでたらしき一打。
まあ親の稲毛さんのリーチの現物だし、
別に100%のミスとは言えないし、
なんだけど。

それでもその後麻矢に再度手が入り、
オーラスに稲毛さんにハネツモ条件を突き付けた時はスリアロ村関係者ラインも俄かに活気だっていた。

一発裏無しのμルールではこの条件はそう簡単に達成できる物じゃない。
例え最後の親である植村が連荘を続ける局面ではあっても、だ。
が、それが成就する時も無論ある。
何回もこういうドラマは見てきたし、
もっと劇的な幕切れだって何回も見てきた。
また一つそれが生まれただけと言えばそうだが、
見てたこっちも最後の⑧が見えた時には思わず叫んでしまったw
 

さて表彰式。
「麻矢の奴、泣くだろうな多分」
と思ってみてたら案の定泣いていたw
そりゃ人狼でさえ負けて泣いたとこ見た事あるし、
涙腺弱い女の子はあの捲られ方すりゃ大体泣くだろう。

ただ予想以上に悔しそうで、
全然満足が伺えなかった姿を見て、
色々と思う点があったのも事実。

過去に何回か見てきた光景、
デビューしたての子がタイトル戦のベスト16とか決勝とかで負けて、
「いい勉強になった」と笑顔で言う姿。

それを見るたびに、
「次にこれ位のチャンスが訪れるのなんて何年後か解らないんだけど、やっぱその危機感はまだ持てないよなあ^^;」
とか老婆心ながらに思ってしまうのである。

ただこの時の彼女の態度とか、
終わった後の「タイトル取りたかった」というtwitterのコメント見て、
この子もそれなりの年数のキャリア積んできた事、
麻雀について話した事ないので僕は知らずとも、彼女なりの思い入れもある事、
と色々感じたわけである。

そしてあまりにも遠い存在ゆえたまに忘れてしまうのだが、
やっぱタイトルってのは選手の悲願である。
初タイトルともなると尚更だろう。
そりゃ悔しいだろうな、と。
 

こういう時に軽々しく「次頑張ろう」ってのは選手間だと結構言いにくい。(ちなみに応援するファンはどんどん言うべき)
どんなに悔しい思いをした惜敗でも、
勝てなかった次に待ってるのは結局またタイトルに向けた0からかつ灰色のスタート地点で、
同等のチャンスがいつかなんてわからない、
その重みがあるからだ。

でもそれを肌で理解している麻矢の姿、
慰めにならない事は知りながらもそれにちょっとだけ感動した人が、僕含め日本に何人かいたのは事実かもしれない。
特に僕とか彼女が麻雀してる姿を本当に見た事ない相手ゆえになおさらw

なんかちょっと感動したから次同村した時は初日投票はしないでおこう。
今僕人狼休業中だし次の同村なんていつかわかんないけど覚えてたらw
そして「次に麻矢が決勝行ったら今度は100%麻矢応援するか・・・」とか思ったのであった。

さていよいよ7月である。
今年も折り返しである。
早い。

リーグ戦も佳境になってくるしがんばりますか。
僕も稲毛さんみたいにタイトル欲しい。