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2018年10月18日木曜日

下手なのに強い人、上手なのに弱い人 その2

前回の続き
http://susumutakenaka.blogspot.com/2018/10/blog-post_16.html

「で、武中さん、”上手なのに弱い”と思われがちなタイプの条件、って何があるんでしょうか?」
『まあ大きく分けて4つの要素があると僕には見えてます。
そして前も言いました通り、これを満たしていない人ほど”下手なのに強い”って見られるタイプですね。』
「じゃあそれぞれ教えてください。」

『その① 色々な事を考えすぎている人
とにかく色々な細かい事に気付いていて、状況に応じて打ち方コロコロ変えるタイプですね。
この手の人は”渋いダマテン”とかよくやる事が多いです。
まあその大体は”ヌルいダマテン”になるんですが^^;』

「それって駄目なんですか?色々考えて細かい事に気づく人の方が上手に思えますけど。」
『それ自体は悪くないんですけど、この手のタイプは”拾った情報を捨てる or 優先順位付けする”って事がちゃんとできてない人が多いんですよ。
結果として状況にそぐわない事やったり、局ごとでやってる事が全然かみあってなかったり。
結果として”何も考えずリーチしまくる方がマシ”って形になっちゃうケースが結構多いですね。』
「はあ。なるほど」


『その② リスクを恐れすぎている人
とにかく放銃回避を第一に考えるガチガチタイプですね。』

「・・・それもダメと?放銃回避する人=上手いと思いますけど」
『その考えがそもそも間違いで、世の中に放銃しない人なんていませんよ。
特に自分に好手が入ってる時に放銃するのなんてむしろ必然です。
にもかかわらず不自然な手順でアタリ牌とめてその事に喜んでしまう、
そしてその裏で不自然なアガリ逃し連発して負ける結果、”上手いのに弱い”ってタイプに見られるわけですね。』
「・・・」
『あれ、キバヤシさん、どうしたんですか?心当たりでも?^^;』
「・・・そんな事は。じゃあ3つ目を。」


『その③ トータル収支という考え方が出来てない人。
具体的に言えば序盤にマンガンとかのリードとった瞬間から異常に着順を意識しすぎたゆがんだ打ちまわしするタイプですね。』

「・・・いや、なんでそれもダメなんでしょう?」
『まず序盤からリードを意識しまくってそのままの着順をキープできるなら苦労はしないです。
それ以上にこの手のタイプはトータルでみると着順でも大して勝てない一方で素点と祝儀Pでボロ負けします。
つまり”トータル”って考え方が出来てないので、”賢明に打っているのに気づいたら負けてる”って見えるケースが多いですね。』

「あの、
ここまでの武中さんの意見を聞くと”もう何も考えずに攻めまくる人=弱くて強いと思われる人”のほうが実は強い、と聞こえるんですが、そこはどうなんでしょう?」
『フリー雀荘についてはそうですね。
”上手なのに弱いと言われるタイプ” →  ”本当に強い”ってケースより
”下手なのに強いと言われるタイプ” → ”本当に強い”ってケース、
後者の方が多いと思います。
何も考えずにガンガン前に出てるおっちゃんとかおばちゃん、実はそこまで非効率な事してないケースが結構ありますよ。』

「えっ、本当に?信じがたい・・・」
『理由はルールです。
フリーのルールは全体的に見ると攻めた方が断然有利だからです。
細かい事考えすぎる位なら両面貼ったら全部リーチした方がマシな位です。
まあ勿論、本当に強い人って言うのは今回出たような要素をちゃんとバランスもって理論的に考えて、
必要な情報を拾って捨てて、
リスクを軽視しすぎず重視しすぎず、
トータルを考える、
これをやってます。
でもそこまでやってる人なんてフリーにいるお客さんの1%もいないでしょうね。
”やってるつもり”って人はいますが。』


「あの、そういえば要素は4つでしたよね?最後の一つが出てないですが。」
『ああ、、、聞きます?』
「はい。」

『その④ イケメン』
「・・・・」
『・・・・』
「・・・・ガチなんですか?」
『だってそうなんですもん。
まあこれは”上手くて弱く見えるタイプ”というより”上手く見られるタイプ”ですけどね。
イケメンは間違いなくブサメンより麻雀上手にみられますよ。』

「麻雀関係ないじゃないですか・・・・」
『それくらいに世間の”打ち手の実力評価”ってのはテキトーなんですよw
女性って理由だけでやたら弱く見られる、とかもあるし、
偏見やイメージで90%くらい基本決まりますからね。
まあ他人の実力を評価するってのは実はものすごい高いスキルが必要で、
正確に誰か一人を評価するのは実は凄い時間と労力がかかります。
娯楽の範囲で出来るレベルの話じゃないので当然ではありますが^^;
そういう意味では実力を評価したければやはりリアルよりネットの方が確実ですね。
もう嘘偽りが出来ない結果がベースで評価されてるわけですから。そして何より顔が見えないし。

というわけで麻雀の世界でも”ただしイケメンに限る”はあるのでしたw

おしまい

2018年10月16日火曜日

下手なのに強い人、上手なのに弱い人 その1

いつも通りにフリーに行くとそこでばったりと彼に遭遇。
「武中さん」
『あっ。以下の記事で出てきた常連客のキバヤシさんじゃないですか^^』
● 雀荘の女性店員とお客さんのとある光景
● 麻雀とメンタルの関係性

「どうもお久しぶりです。それじゃお先に失礼します。」
『もうご帰宅ですか?』
「はい。どうも今日は調子が悪くて」
『まあそういう事もありますよ。僕もこの間チンチンに負けましたし。』
「今日は特に対面のオバちゃんが凄くて。典型的な”ヘタなのに強いタイプ”でした。もうボコボコにされましたよ。」
『ほう^^;』

「すごい勢いで全ツされまくって、僕の勝負手全部不発になって酷いものでしたよ。。。」
『まあ言いたい事は解らないでもないんですが、そんな人地球上に存在しませんよ。』
「へ?」
上手いと強いは同義です。
よって”下手なのに強い”とか”上手なのに弱い”って人はいません。
”強くて上手い”か”弱くて下手”かのどっちかです。


「で、でも今日のオバちゃん凄かったんですよ。たとえば親リーチにドラを一発で勝負とかしてたし。」
『その勝負が本当に損だったかはその状況を細かく検証しなきゃ解らんですよ。僕だってドラ勝負する事くらいありますよ?その人の手牌も見てないのに何をもって”酷い”なんですかね?
”その人のバランス感覚や判断が本当に利にかなわないレベル”と貴方は全て判断で来てる自信ありますか?
そう考えているとしたらそっちの方がはるかに危険な思想です。』

「・・・でもこの間とその前に同卓した時は、その人凄い負けてたんです!」
『それ以外の時は凄い勝ってる人かもしれないです。
麻雀の結果なんて数千回、数万回レベルの試行回数が必要なんです。
数回、数十回同卓した程度で”強い””弱い”を判断するのは早計でしょう。
”上手い”か”下手”かなんて解るはずもありません。
いや厳密に言えば”弱い=下手”ってのは解っちゃうシーンが結構あります。
ただ上手いと解るシーンはまず起こりえないです。(この理由はいつか別記事で)』


「・・・じゃあ僕の考えはタダの思い込み?」
『はい。
麻雀のゲーム研究がまだまだ進んでいなかった時代ならともかく、
この統計データや研究が出そろったご時世でそんな発言してたら場所によっては嘲笑の対象かと^^;
ただまあ、そんな時代でも”感性で打つ”とか”運の流れを引き寄せる”とかオカルト思考は多くあるので、結局この考えもある種”正しい”と考えている人はいるんですけどね。
ただ僕としては”結局、強いと上手は一緒。それらを分けて考えるのは研究が進んでなかった時代の人達の戯言”と一蹴したいですね。

「・・・・」
『あっ、でも最初に言いました通り。考え方は解ります。
実際に僕としても「”上手なのに弱いと思われがちなタイプの条件」てのは幾つかあると思ってます。』

「へえ、そんなのがあるんですね」
『はい。打ち方の傾向等ですね。
つまりその逆の条件を多く満たしてる人は「”下手なのに強い”って思われがちなタイプ」です。

じゃあ、せっかくなのでそれについてちょっと触れてみましょう。
もしもキバヤシさんがフリーとか打ってて”なんで自分はいつもしっかり打ってるのに、こんなひどい下手な人に負けちゃうんだろう”って思う事があるとしたら、
これから述べるポイントを知れば自分の麻雀を見つめなおす参考になるかもしれないですね。』

続く

2018年10月12日金曜日

私見にともなう麻雀プロ紹介その11:宮崎和樹

今日は明日から始まる第17期雀王決定戦のメンツの一人である宮崎和樹について書きたいかと思います。
ちなみに彼も含めたメンツ4人の紹介記事はこちら
https://susumutakenaka.blogspot.com/2018/09/417.html


入会は3期後期
入会してわずか数か月で連盟のG1タイトルである「王位戦」を若干20歳(史上最年少)で獲得
デビュー直後から協会でその名を知られた存在でした。
ちなみに同期入会だった橘哲也・大浜岳を含めた3人で「3期後期の3バカ」として当時知られていた存在でもあります。
まあその中でも宮崎は上記理由で知名度が高く、中心として知られていたわけで。

王位戦の後も、
第4期新人王戦での決勝進出、
リーグ戦にてほぼストレート昇級を続け第6期には既にB1リーグに入り(私の1年遅れデビューなのにB1昇級は10年も早いw)、
とその実力を周りに印象付けていきます。

そして本人が(特に若いころは)派手で自信にあふれた言動をすすんで行っていたのもあり、
古くから宮崎を知る人は「ビッグマウスの天才肌」というイメージがある人が多いと思われます。
歯に衣着せぬ言動からトラブルメーカーとしても有名でしたしw
とある先輩が「歩く危険物。傍から見てると面白いし話してて楽しいけどね」、と言っていたのは同感したし、「こんな奴が先輩だったら面倒だよなあ、、良かった俺一応先輩で」とか思った記憶もあったりw
まあその分昔から面倒見はいい部分があり行動力も高かったので彼の周りには人も集まり、
現在でも多くの人を要するイベントサークルが出来上がってるわけで。これは彼の人望なせるワザなのでしょう。



さて麻雀遍歴に戻ります。
リーグ戦についてはB1昇級まではトントン拍子で駆け抜けた一方、ここで長く停滞することになります。
降級も一度経験したあと念願のAリーガーになったのは14期、
B1在籍7年というのはおそらく吉川亘さんの10年に次ぐ歴代2位。(しかも吉川さんはB1デビューだったと考えると生え抜きリーガー以外では多分歴代1位。)
特に昇級後2年目の第7期は最終節になんと300P以上の差を捲られて昇級を逃す憂き目にあったりもしています。ちなみにこの時彼を捲って昇級したのは現雀王の金太賢、それが今年のリーグ戦で戦うのを見るのは古くからいる身としては感慨深い。

麻雀のスタイルについてちょっと僕の所感も。
まず若い頃の彼の打ち方はとにかく個性的でした。
前提として彼は論理的思考に疎いタイプではない。
もともと頭が凄い良いタイプなので数理的な点を無視するタイプではないのです。

ただ彼はそれ以上に論理外の情報を拾う能力がずば抜けて高かった。
卓外の相手の視線とか、手出し・ツモ切りの記憶とか、その他もろもろ。
対局後の局後感想でも捨て牌とか局の事を凄い良く覚えていたりして、正直にビビった事が何回かある。
故に物凄いカミソリみたいな切れ味で勝ち切る時もあれば、とんでもないポカする時もあるタイプ、って印象ですね。

近年麻雀に対する論理的アプローチをする人がネット等の影響で増えた一方で、
麻雀が様々なアナログ要素を含めて曖昧的に判断する、いわば「総合力を競うゲーム」という点、
これを軽視する人が多い、と個人的には感じる事もあるのです。
※これはオカルト要素とか「感性」とかいう物と一切関係なく。

その点でこの男は物凄い個性的なバランスを持つ故かなり賛否両論にさらされやすい打ち手なのですが、
僕がプロやってきて「総合力って物の大事さ」を感じたのはコイツとl金を見た時です。
そういう意味で今回の決勝メンツで現雀王に一番近いタイプは彼かもしれません。
いや雀風は似ても似つかない印象なのですがw

ただまあここ数年の彼を見てると、
「結構スタンダードな選択をする機会が増えたかも」って感じますねw

ちょっと寂しい点もありますがw


さて総括するなら、
「長くプロをやって性格も麻雀も大人になったなあ」ってのが正直な僕の印象w、
でも若い頃も含めてそんな彼の元には多くの人が集まっているのは変わらない。今回も多くの人が彼を応援している事でしょう。
そして上述のビッグマウスも多少なりとも健在ではある一方で、
大人になった彼が今回の相手3人と自分自身をどのようにとらえているかという”本心”が、実は僕としちゃ興味があったりします。
まあ、本人に聞いても多分答えないでしょうがw

明日から始まる第17期雀王決定戦、放送URLはこちらです。ぜひぜひご覧ください。
ちなみに僕は来週10/20(土)に解説で出る予定、そちらも是非^^

ニコ生 http://live.nicovideo.jp/gate/lv316126823
Fresh! https://freshlive.tv/threearrows-ch/240812