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2017年6月30日金曜日

麻雀プロには実力指標(レーティング)がない件 その2

さて改めて前回の続き。
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/06/blog-post_28.html


RMUは昔から色々な新しい競技制度の導入に意欲的な団体で、
①生涯成績の管理
②年間の最高勝率等を表彰
③RMU内のレーティングポイント算出
といったことをしている。
これは遠い将来に競技麻雀選手の評価ベースとなるようなものかもしれないと思ったりする。

ただ「現在の協会にこの制度を導入すべきか?」というアンケがあったら、
僕は多分NOと答えるだろう。

理由は単純で「タイトル戦やリーグ戦の最終盤が歪むケースが多く出るから」である。
タイトル戦等のような回数が限定された麻雀においては、「最終戦トップじゃなきゃ敗退=2,3,4着は全く同価値」という事が多々ある。

早い話、条件を競っているのであり、平均着順はむしろ相反する考え方になるわけだ。

物凄い厳しい条件を突きつけられる事も無論あり、そうなると打ち方も普段とかわる。
別にその事は仕方がない。競技とはそういう有限回数の戦いなのだから。
自分だけでなく周りの3人もそうであり、いうなら通過条件という共通目的に合わせ、時には無難な時には無茶な選択をする、そういった勝負になるわけだ。

ところがここに「通過は無理そうだから着順を上げよう」という思考が入るとなると、やはりその前提が多少は崩れる。
まあ「タイトル戦の通過と同程度の価値(賞金の可能性等)がトータル成績向上にも与えられる」という状態が実現できれば大きいが、現状はそうもいかない。
というか金銭等の面から見れば、タイトル戦通過すら価値が低すぎるのが現状であり他要素に価値が与えられる様になるにはまだまだ気が遠くなる話だ。

無論「最初からほぼ可能性0の条件になっている人に目的を与える=極端な勝負を作らない」というのは大きなメリットはある。
競技を楽しむハードルを下げられる意味でもこれは大きいだろう。

従来型の勝負の形を好むのはどちらかと言えば僕個人の趣味であるw
まあ既述の通りもっと業界にお金が出て、両者の価値が同列になる時代がくればこれは本当に理想形だ。

もう一つ昨年に行われたWSOM(ワールドシリーズオブ麻雀)の決勝について。
この大会では「優勝賞金を決勝のトータルポイントにて分配する」という制度が取られたらしい。
つまり同じ順位でも稼いだポイントで賞金に差があったわけである。
これは面白いシステムだと思った。

確かにこうすれば目無し問題は解決されるだろうし、いつかどこかの決勝で導入するのもありかと思ったりした。
まあ強いて言えば、「ギャラリーにとって面白い勝負になるか?」という点はあったりするが^^;
結局視聴者が見たいのは優勝という栄冠を誰が取るか取るかの緊張感、勝ち負けの世界であり、それを薄める危険性はある、と。
いや、現在のタイトルは賞金よりもその他の物(シードや実績)を争う面が強いの考えると、ちゃんと面白い決勝にもなると思うし、これやっぱいいかもしれない。



さて最後に麻雀王国さんでも取り上げれた馬場さんの記事について(一部抜粋)

麻雀というゲームを、競技として、あるいは文化として世間に認知してもらうために、あえて囲碁・将棋の世界に近づけようとしたのです。
たんなる模倣ではありません。麻雀業界関係者は実際にそうなることを願っていました。囲碁・将棋の世界のように、麻雀プロがタイトル戦や対局料で食える世界になってほしいと・・・・。
しかし、その悲願は達成されないまま40年近くの歳月が流れ、残ったのは囲碁・将棋のタイトル戦を真似た決勝戦の「形」だったのです。
(中略)
今の「形」、囲碁・将棋のタイトル戦を模倣したシステムを撤廃し、麻雀というゲームに適した、新たなタイトル戦のシステムを考案したほうがいいのではないか、と僕は思うのです。

これは本当に仰るとおりで、
試行回数といいシステムといい数十年前に最高位戦が出来た時に作られたシステムは残念ながら麻雀を競技化するには課題が多かったのは事実だろう。
これはある意味最高位戦を作り今日まで麻雀を競技として普及してくれた方々が導き出した研究の成果だと思う。

前回記事のレーティングの件も含めて、
「どのような形が最適か?」と言うのをまだまだ模索している段階としか言えないんだろう。
たとえば「ポーカーのような制度にする」といっても今度は別の問題がでる。(麻雀はプレイ時間が長すぎる)

まあ僕なりに「こうした方がいい」というのは考えとしちゃあるが、
正直にそれを書いても長いし、非現実的部分が多すぎるのでちょっと今日はここまでとしときたい。
お恥ずかしながらですね・・・・^^;

上述のWSOM決勝ルールは結構理想的と思っているし、
近々この制度のタイトル戦が国内ででてくれないかと考えたりはする、とだけ。
日本麻雀ルールにどう適用させるかの検討はいるけど
おしまい

2017年6月28日水曜日

麻雀プロには実力指標(レーティング)がない件 その1

サイバーエージェントの藤田社長がこんな事をtwitterで書いていた

https://twitter.com/susumu_fujita/status/879499312710828033


将棋・囲碁・チェスには「レーティング」という数字がある
各プレイヤーの強さ示した指標としての数値であり、
囲碁・チェスにもなると世界のプレイヤーと日本のプレイヤーの比較も出来る様になっている。
興味のある人はググッてみてくださいね^^

ちなみに日本人のチェス上位プレイヤーの中には
最高位戦に所属している中郡慧樹もいて、
「FIDEマスター」という一定以上のレーティングの人が取れる資格を持っていたりするらしい。

日本人史上4人目というのだからこれは結構凄い事だ。
個人的には彼が何故に麻雀プロになったのか、今でも不思議だったりする^^;

さて競技麻雀にレーティングが作れない理由、
最大の理由はもう明確で「ルールが統一されていないから」これに尽きる。
連盟・最高位・協会等、団体によりメインで掲げているルールにも各大会にも微妙なルール差異がある。
よってレーティングを振り分けようにもその指針が統一できないのが現状である。

そしてもう一つは藤田社長もご指摘の通り、
大会ごとのグレードやポイント分配といった基準が無い為だ。

まあ作るにも色々と障害があるのも事実である。
連盟の王位、マスターズ、最高位戦の發王戦、協会の日本オープン、
まあこれらオープン大会を「G1」と同列にくくるにしてもシード体制に大きな差がある為ポイント分配にも少々難がある。
そしてそれ以上に各団体内部のリーグ戦、
そして「十段戦」「雀竜位」といった団体内部限定のタイトル戦、これらについてのポイント分配ともなると、色々と考えなきゃならない点も多い。

更に言えば同じオープン戦でも勝ち抜きシステムやシード体制等には結構な差があるわけだ。
これもどの程度あわせるかという調整点が多い。

ただ結局はルール付けさえすればそれまでの話であり、
これこそまさに部外からすれば
「スポンサーが欲しければ”それ位の整備”は業界内で話をしてちゃんと作れ」
なんだろう。
実際に部内から見てもそう思わなくも無いし、
個人的には出来るところからこういった制度を作っていきたいと思ったりもする。


ただこの手の改革について、
麻雀界とか関係無しに絶対に必要なのが「既得利益を持っている人の自制」というところにある。

新しい制度を作るという事は、オーバーな言い方をすれば強者の自制を文章と挙行によって求める行為とも言えるわけだ。
これは本当に一朝一夕では解消されない点ではないだろうか。
実際に自分が「損するかもしれない立場」ってヤツにたたされて、すんなりそれを受け入れるのは並大抵の事ではない。
まあそれによって100%業界が良くなると解ってれば出来る人が大半だろうが、その保証が無きゃ難しいのが当たり前だ。
もっと多くの人員や金があれば出来るかもしれないが、現在の規模では難しい点が多い。(だからこそ出来てないわけで)

実際協会内部だけで見ても、
「是正した方が協会の為にいいんだろうけど、ゴネる人いるだろうなあ・・・」
と思う点はあったりする^^;

そう考える自分も含めた今の若手・中堅現役選手が出来る事の一つは、
今後現役を続けてもしも既得利益とやらを得られる立場になった時、
「多少自分が損しても麻雀界の発展のために変更を受け入れる」って精神を今から持っとく事なのかもなあ、とか思ったりもする。
まあ僕自身にそんな日が来るとは思えないけど^^;

さて改めてちょっと次の記事で、
RMUのシステムとかWSOM(世界麻雀選手権)のシステムについてちょっと触れようかと思う。
閑話休題的に違う記事いきなりあげるかもなので、その場合はご容赦を
あと、
藤田社長も引用していた麻雀王国さんの以下記事は凄いまとまってて面白かったので、
興味のある方は是非に。(次回以降の記事でも一部引用予定)

http://mj-news.net/column/2017062668923

2017年6月26日月曜日

麻雀プロ活動とお金もうけのお話

実はこの一ヶ月間、
Google広告の表示停止をくらってました・・・・
理由は単純で、「自分で何回か広告クリックしたから」
まあ4月に旅行行く時とかホテル調べてた際にやっちゃってたから仕方なし。
無事に昨日から復旧して本当に一安心^^;

そもそもこのブログ書き始めた理由の一つは「中堅麻雀プロはネット広告収入をどれくらい得れるか?」っていう事を試したかった点もあるわけで、
そういう点でも広告停止はちょっと参っていた( ̄▽ ̄;)

ちなみに今のところはとても声高々に他人にお勧めできるレベルではありません^^;

ちょうどそんな時期に麻雀界の一部で騒がれた事があるようで。
「賢者の麻雀」だっけかな?
情報商材関連の新規ビジネスか何かが出たが、数日で削除に至ったみたいで。

先に書いとくと僕は詳細を何一つわかってません。
何かを見ようと思ったらもうネットから全部削除されてたので、誰が関わったとかもほとんど何も知らないし、事業主側の対応とか何が問題視されてるかも全然知らない。
なのでこの件自体については何も思う事はない。



ただ改めて思うのが、
この業界を取り巻く人達って”お金をもうける”って行為に物凄い悲観的な視線を送る風習がある、って事。

ちょっと前にあった某クラウドファンディングでネットが騒がしかった時も見てて違和感があったが(これも詳細を事細かには知りません。間違ってたらごめんなさいw)、
●費用集めの為に色々なコンテンツを提供
●予想以上の反響とリクエストがありコンテンツ追加
●当初予定の目標金額を大きく上回る
⇒それは何に使うんだ?金儲けだ!という声

僕にはいったい何が問題なのかがまるで理解できなかった^^;
「金もうけだとしてなんか問題あるの?」って感じで^^;
目の前に明らかな需要があってビジネスチャンスがある。それで儲けたとして何が問題なのかと・・・・
「プロジェクトの名目はどうなる?」というなら、全てのビジネスには名目があって、でもそこで集めたお金は当然企画側の「利益」ともなるべきだろうし。

言っちゃなんだが麻雀界にはお金がない。
文化財として保護されるような立場になく、将棋や囲碁のように新聞社などの大口スポンサーがいない。
一方で競馬・競艇のように胴元としてお金を取るといった事をしていない為(というか出来ない)、潤った状況にもならない。

まあ「食えなくて当たり前」という考えがあるのはまだいいとして、
「無償労働が当たり前」と思われていた時代も本当にあった。僕が新人の頃とかその考えが根付いていた時代だったし。
最近はかなり考え方が改まってきた方だと思う。

そしてこれは業界の相場設定の問題もある。
早い話が雀荘の場代をもっと跳ね上げるべきという考え方もあるのだ。(特にゲスト来店日)。

昔とある麻雀漫画で
「麻雀プロを食わす為に全雀荘をプロ団体が直営店にし独占化、場代を3倍に跳ね上げる」という内容のものがあった。
法規制の問題もあるらしく非現実的な物ではあるが、実際に雀荘や業界関係者が健全に生活送るのにはもっと相場をあげないといけないと、暗に示した物だったともいえる。

ちなみにある程度名前が知れたプロには「最低でも時給●●●●円でないと仕事を受けない」という人がいる。
これを聞いたファンが「酷い」と言った例も聞いた事あるらしいが、これは本人希望よりも業界としての相場を守る意味合いがつよい。
トップが何でもかんでも仕事をうけるのは駆け出しの子達の報酬を圧迫する事にもつながる。

まあ何が正解かなんてここで論ずる気はない。
また、麻雀業界の相場を全て3倍にはねあげたら、なんて考えても実現がすぐにはできないし、そもそものスポンサー問題とか論点も多い。

ただ一ついえるのは、
我々だって霞を食べて生きている仙人ではないという事だ。
私は会社員として収入を安定させる道をえらんでいるが、ぶっちゃけ競技麻雀だけで生活できるならそうしたいのが本音である。
それを選択しなかった理由は生活が安定しない=それが競技に不利になるケースがあったから、その一点である。

まず生活ありき、そして出来ればその基盤をこの業界から見出すという行為、あんまりそれをネガティブな方向にとらえてほしくはない。あらためてそう思った次第である^^;

さて、ようやく広告停止期間も終わったし、
これからもコツコツと駄文をアップする予定です。
皆様よろしければご愛読を(*・ω・)

2017年6月22日木曜日

麻雀も人狼も関係ない雑学話 その5:須藤凜々花の件からドルオタについて考えてみた

昔AKBオタだった。
いまはもうすっかりご無沙汰だけど、それでも世間の人よりはかなりの知識量があるだろう。

AKB劇場とか60回以上は入ったし、名古屋・大阪・博多にもいったし結構筋金入りだった。
ちなみにこの60回以上という回数は推定麻雀界第2位の記録、しかも3位を結構引き離してると思われる。
1位が誰かは本人の名誉のために名前を伏せます。団体だけはRMUと明記しておきますが。
色々と思い出もあるし、そのおかげでかって某麻雀番組にドルオタ枠にて出場した事もある。


さて改めて、
先週土曜に毎年恒例AKB総選挙が行われた。
指原の三連覇や渡辺の卒業発表、かって私がSKEで一番好きだった高柳が選抜はいってたりと色々あったみたいだが、世間の話題を一番掻っ攫ってるのはおそらくこの話だろう。
NMB須藤凜々花の結婚発表そして卒業


さすがに前代未聞すぎる^^;
須藤(20位)の直後にスピーチした峯岸(19位)が「前の人のインパクトが凄すぎて何を喋っても記事にならない」と嘆いたのもまあわかるw
そしてファンの反応はというと、批判の方が多いようである。 まあ「頑張ってお金と時間を使ったのに裏切られた」って意見は解らなくもない。
彼女のツイッターは炎上しているようだし、それは仕方ないかもしれない。
が正直に個人的にはアイドルの恋愛や結婚には興味がない。
僕自身はアイドルに理想なんて持ってない。舞台を降りればただの人だろ、と。

んで、今回の事で「どっちが正しいか」なんて議論するつもりはないのだが、
あらためてドルオタって物について分析してみた結果、
以下図のように4つに分類されるんじゃないかとちょっと思った。
今日はそれを書いてみようかと。
ちなみに僕の圧倒的な私見ですので意見や批判などは特に受け付けてませんw
正しいか否かなんてあんまり深くかんがえてもかいてないのであしからず。



基本的に今回ドルオタを「自己主張の強弱」「アイドルへの理想の高さ」って点から分類している。
その強弱によって以下4パターンに分類してみた。

①ガチ恋タイプ
ネットでもたまに聞くこの単語、
とにかく相手と本気で仲良くなりたいが為に全力を尽くすタイプである。願望は非常にストレートでありその行動もストレート。
まあ地下アイドルおっかけとかにはいると聞くが、ぶっちゃけAKB(特に有名メンバー)おっかけにはあまりいないと思われる。

②認知中タイプ
認知とは「アイドルに自分の顔を覚えてもらう事」、つまり認知中毒者の略である。
とにかく認知してもらう事を目的としており握手会に行く常連に多いタイプだ。
ただこの人達はあくまで趣味と割り切ってお金を使えるタイプであり、
アイドル側からすれば一番たちが良いタイプのオタだろう。なんせ執着しないし金回りもいい。
あとこのタイプには推しを複数持つ「DD=誰でも大好き」と呼ばれる人が多い。
相手に高い理想を求めない分、自分のたちまわりも現実的、という事だw

③沈黙タイプ
テレビも見る、ライブも行く、握手会も行ったりする、が特に自己主張はしない。
あくまで応援する行為が好きであり、「尽くしている」という感覚で黙々とオタ活をするタイプ。
でもアイドルに対する理想は結構高いのでスキャンダルとかが発生したりすると豹変するときも。

④鑑賞タイプ
エンターテイメントとして舞台上の姿を見るのが好きであり舞台裏の姿に興味がない=高い理想を持っていないタイプ。
特に認知などへのこだわりもなく、あくまで行きたいイベントに行くだけ。
その分ライブとかのクオリティにやけにシビアな面も。
ちなみに家で動画等を見るだけの「在宅オタ」は③or④に属するケースが多い。


とまあ、こんな具合だろうか。
ちなみに私見だが、スキャンダル時とかに特に騒ぐタイプは先述にもある通り①より③のほうに多いと思われる。
①は結構普段からすき放題やってる人なだけに、いざという時の爆発ぶりも「まあ日常行動の延長レベル」、
ただ③は普段我慢をしているケースがあるので、ある日突然豹変する可能性があるわけだ。

偏見かもしれないが、
過去に起きた接客嬢への傷害事件の加害者って「今までは良いお客さんだった」という人が多いと聞くし、それって③に属しているケースがやはり多いのでは、とも思ったりする。

あと僕自身を分析をすると、多分④の真ん中より右(沈黙より)あたりですかね。よくわかんないけど^^;

さて最後に一つ、
まあ須藤さん、NMBは卒業とのことだが、
この娘の麻雀番組「りりぽんのトップ目とったんで!」は是非とも何らかの形で続いて欲しいんですよね・・・・
麻雀界にどっぷりつかってる人達にはあまり想像できない人もいるが、
こういう番組や活動が麻雀の一般的普及やイメージアップにつながってる点って凄い大きくて、
僕みたいな中年麻雀プロよりも遥かに業界に貢献してくれてると個人的には思ってる。
だから本当に応援しているし、番組がなくなるのは本当に避けて欲しいなあとか思ってる次第だ。

まあ須藤さんを初めとした「著名人が麻雀を趣味にする事の意義」ってヤツについて、思う事を近日書きますかね。
最後に改めて、
番組継続を祈ってます!無理かもだけど・・・・・

http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/v2364/

2017年6月21日水曜日

麻雀も人狼も関係ない雑学話 その4:一流選手の引退について考える

史上最年長棋士の加藤一二三先生がついに引退。

http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/20/hifumi-kato-legend_n_17218268.html

今年の引退決定時にも記事で書いたけど
史上最多対局、史上最多敗戦はもちろん、
多くの史上最年少記録、そして史上最年長記録の両方も持つ大棋士の競技人生に今あらためて幕がおりたわけだ。

さて改めて加藤先生の将棋人生についてちょっと振り返りながら以前も書いた「引退」ってやつについて改めて考えてみた。

加藤先生はA級在位36期という歴代2位の大記録を持っている。
これは中原・谷川といった一時代のトップをも上回る数字であり、超一流の証明と言っていいだろう。

でも現役晩年は年齢と共に徐々にリーグも陥落し、最後は一番下位のリーグでも戦い続けた、
その結果が数々の歴代最多、最年長記録になっているわけだ。
そしてこのケースはどの競技をみても結構稀と思える。

大体の超一流選手はピークを過ぎると引退を決断する方が多い。
将棋で言えばA級陥落を機にフリークラス宣言をした森内、故米長永世棋聖が良い例だろう。

野球で言えば日本プロ野球史上唯一の400勝投手である金田正一、
「誰もあなたが打たれるのを見たくはない。なぜならあなたは金田正一だからだ」
という石原慎太郎の言葉を受けて引退を決意したという。

このファン心理は結構共感できる。
僕は格闘技が結構好きだが、
かってPRIDEで無敵を誇ったエメリヤ・エンコ・ヒョードルが現役最晩年に連敗をした時「負ける姿を見せ続けるより引退して欲しい」と思ったし、
K1の豪腕マイク・ベルナルドが力の衰えにより最後は日本人相手のかませ犬になってしまっていたのは見てて心苦しかった。
ファンとしては「強いまま引退して欲しい」と多少なりとも思うわけだ。

一方で選手には選手の気持ちや事情があるケースも存在する。
有名なのはボクシングにおける伝説のチャンピオン、シュガー・レイ・ロビンソンの逸話だろう。
20,30代では無敵の強さを見せたロビンソンだったが40代になると力の衰えは隠せずかっての格下にも負ける試合が続いた。
だが一方で全盛期の派手な散財、事業投資の失敗などが祟り、彼にはリングに上がるしか稼ぐ方法、生きる術がなかった。
そんな中、かっての栄光を知る評論家が「ファンの為にも引退するべき」と言ったのに対してロビンソンは、
「彼らは私に一杯のコーヒーも奢ってくれたことはない。私は自分の生活のために闘うのだ。彼らの思い出のためにでなく。」と反論したのである。
一流選手に対するファンの求める姿と現実のギャップが浮き彫りになった有名な例だろう。

さて最後に再び加藤先生のお話に
先生はとにかく現役にこだわった人だった。
超一流とよばれた男が最晩年はすさまじいくらいの連敗をしても戦い続けた理由、
記録に対するこだわりもあっただろうが、
そこにあったのはやっぱり競技に対する愛だともおもうわけだ。
「強いまま引退して欲しい」という美しい姿を求めるファンは多いが、
先生が限界まで戦った姿はそれよりさらに美しい姿だったんじゃないか、とか改めて思ったりするわけである。

加藤先生、
本当に本当にお疲れ様でした!

僕も引退する時はそれくらい限界まで戦ってみたいなあ、とか思ったりもしたが、
麻雀プロって別に引退規定ないんですよね。
やりたきゃできるんですよ。
というか会社員プロを長く続ける人って要するに独身の暇人のケースが多いわけで
・・・・・(--;)

2017年6月19日月曜日

飯田橋での対局とさくらテラス

対局の日はいつも麻雀について考えて、その結果に一喜一憂する。
その為、基本的に私は対局中(というか麻雀中)、いつもの数倍愛想が悪くなる。

対局の休憩時間中、
町を歩いていた私はとにかくは荒れていた。
冷静を装ってはいたが回りは知らない人しかいなかったし多少イライラが表に出ていたかもしれない。

理由は2回戦のオーラス
東家 蔵 ▲1800
南家 浅井 20800
西家 矢島 44000
北家 武中 37000

さすがにこの点棒状況だとこの0本場だけに関しては他3人を無視してトップ限定の手筋をしてもOKなレベルだ。
浅井にまくられるケースは滅多にない。満貫直撃も跳満ツモも届かない、
蔵もダントツラスである事を考えると、一の矢くらいは被弾覚悟でよい。
そんな事を考えた中盤に以下の形になる。

五六六八八456③③⑥⑥西西 ドラ③

主な河情報
・西が既に2枚切れ
・四が3枚、七が2枚切れ
・六は1枚切れ、八と③と⑥は生牌
・南家浅井が若干ソーズ染めに見えるが他は特に偏りはない。

タンヤオ一直線の西トイツか、
四の切れ具合も考慮してチートイ本線の五切りか、



長考の結果五を切る。
だが正直ソーズが若干高いこの状況、チートイはあくまで保険でポン材が出たら仕掛ける方がいいか、とか思っていた。

すると蔵が直後の10巡目に六を切ってリーチ宣言。
前述の通りかぶくならかぶきとおすべきこの局面、ノータイムでポンとする。
そして直後の蔵のツモ切りである八もポン。
瞬く間に間にこのテンパイ

456③③⑥⑥ 八八八(ポン) 六六六(ポン)

しかしさらに直後の蔵のツモ切った5を浅井がチー(567にて)
うーんどう見るべきか、、、
とか思う間もなく、まわってきた5を空切りした瞬間に浅井のロン発声と倒された手を見て驚愕する。

3334567南南南 567(チー)

満貫直撃。
本来ならそれでも2着だったが、蔵のリー棒がプラスされて逆転3着。

「マジか、、」と直後落ち込んだ。そして色々と考えた。
俺が掴んだから打ったけど、矢島も3者の現物に窮して打った可能性はある。そしたら俺がトップになっていた。
というか蔵・浅井どっちが掴んでも俺は2着ですんだ。
つまりマックス+40000点のケースもあったが、最悪のマイナス28000点抽選を引いてしまったわけで・・・・

いや、振り返るポイントがちがう。
そもそもこの半荘の東3局の選択が温かったからこうなったわけで、これも必然と言えば必然・・・・

色々と考えてちょっと自分の選択や牌のめぐりにイラついていたわけである。
同卓していたヤンキー娘の「あたしの方がキレそうですけど・・・」という愚痴に、
「この半荘はともかくこの局に関しちゃどう考えても俺の方が不幸だろ!お前とっくにほぼラスやんけ!」と心の中で思いつつ、
謝罪を言いながら、冷静さを取り戻す為抜け番となり会場から外出した。

最近飯田橋での対局の合間には駅前の「さくらテラス」というビルによく行く。
建物の雰囲気が好きだし、ビル内のとある店にてテイクアウトのタピオカティーを買うのが昨年あたりから習慣化しているルーティンだ。

だが注文をした後も先ほどの事を考えるとやはりイライラしていた。
「冷静にならなきゃいかん・・・」
と思いながらも心の中は暴風雨状態だった。

そしてそんな中注文の品が来たわけだが

店員さん「ストローさしますか?」
ワシ「はい」
店員さん「あの」
ワシ「?」
店員さん「いつもスリアロ村楽しく拝見してます^^」




瞬間びっくりして奇声を上げるくらいしかできなかったが、
直後に思ったのは「イライラしてたのが伝わらなかっただろうか・・・」だった。

上述の通り麻雀中の自分があまり愛想良くないのは自覚している。
しかも一番重要な対局でかなりアツい展開を食らった直後だっただけにピリピリしている自覚があったわけだ。
とりあえずお礼にもならないお礼を言いながらそそくさと店を出たのであった。

ただ対局会場に戻る途中。
「やっぱイライラするの良くないなあ」
と急速に冷静になる自分がいた。

店員さんは人狼ファンだったみたいだけど当然俺が麻雀プロなのしってるだろうし、
いきなり店にピリピリした空気で入ってきたら、それこそ自分や麻雀プロのイメージ駄々下がりじゃねーか、と。

世の中誰が見てるかもわからないし。そもそも熱くなって勝負に勝てるなら苦労しないだろ、と。
会場に戻る頃にはすっかり平常心になっていた。

そして最後まで平常心で挑めた事に「いつか店員さんにお会いしたらお礼言っとこう」とか思ったわけである。
注:けして店員さんが可愛い女の子だったからでは(ry

・・・・まあちなみに結果は前半以上にフルボッコだったけどね(--;)
でもまあまだ前半終わっただけだし。
残り半分も冷静丁寧正確に、打ちたいように打ってきますか。
昇級したいなあ・・・・

https://twitter.com/ClubNPM/status/876367317877141504

2017年6月16日金曜日

麻雀のルールについて思う事 その4

以前にこんな記事を書いた。
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/04/3.html


競技選手を続けると、色々なルールの大会に参加する機会がある。
協会ルールは巷のフリーのようにトップにオカがあるが、
他団体にはそれが無いケースが多い。
そして一発裏ドラが無い大会もある。

ここにも書いたとおり
選手によって多少の好き嫌いはある。
僕も王位戦ルールはノーテン罰符が高すぎて結構嫌いな部類になるw

ただし得手不得手については話が別だ。
「与えられたルールで得な事を実行する」というのは競技選手にとって当たり前の事であり、その対応力こそ真の技量が問われる部分の一つである。
よって多少の差はあれど、声高々と「このルールが得意、このルールは苦手」と言うのは、まだ競技経験が浅い事を露呈する発言ともいえたりする。

そして正直な意見を言えば、ある程度競技になれて来ると「多少の差はあれど、そこまで劇的に打ち方を変えるルール要素というのは実は少ない」と思っていたりだ。

例えば巷でよく競技の代名詞とされる「一発裏無し」
たしかにこれがあるのとないのでは打ち方に多少の差はでるが、やはり「多少」の域は抜けない。
早い話がRMUルール、
ウマは5-15で統一されているが、場合によって一発・裏の有無が設定されている。
しかしこの差によって少なくとも僕は「劇的」と呼べるほど打ち方に差は出ない。
ノーテン罰符がある以上は結局ある程度受け入れ枚数は重視するし、一発・裏があろうとある程度手役は追うし。
勿論それらにより選択を変える場面はあるが、
そんな事は巷のフリー雀荘でも店のルールに応じてやっているレベルと大差ない。

そもそも協会ルールとフリー雀荘、この二つでは打ち方にかなりの差が出る。
理由は赤牌、そして祝儀Pの関係だ。

ところが
「一発裏があるのと無いのとでは打ち方が全然違う」という意見はよく聞くのに、
「協会ルールとフリーでは打ち方が全然違う」という意見は協会員からすらあまり聞かない。

これはちょっと違和感がある。
僕には後者も十分な判断変更材料だし、
「たかだか一発裏だけでそこまで判断変らないよ」が本音だ。
まあ一般の方が一発・裏無し大会に行って打ち方の違いを感じる理由は、オカ・ウマといった点も含めた全体のルール差についてであり、それをあまり認識できてないが故の発言とも思うが^^;

さて、そんな「ルールの差」にドライな感覚を持つ僕でも、
一つ大きな差が生まれると思っているのは「ノーテン罰符の有無」である。

これは本当に競技における数多のルール要素の中でも一番大きな影響が出る物ではなかろうか。
なんせ
・和了しなければ絶対に点が増えない
・放銃orツモ以外では絶対に点が減らない
という事態を作るからだ。

このルールを何回かやると、普段の麻雀におけるノーテン罰符が作り出している状況の大きさ、それが無くなった瞬間の場の変化が良く解る。
和了以外に点が増えないし減らない 
⇒ 中途半端な選択は誰もしない 
⇒ 早期の絞りオリで和了が難しくなる
というルーチンも発生し、通常のフリーとかとは比較できない非常に硬いゲーム展開になりやすいのだ。
※一発裏無しのみだと案外硬い展開は生まれにくい。



明日、最高位戦クラシックの4組に出場するが、
これが実は初出場である^^;
まあ今までシードチャンス等もあったのだが、なんせ平日開催ゆえに出場したくても出来なかったのだ。

そしてノーテン罰符無しルールで打つのも、旧王座戦ルール以来なので10年ぶりくらいである^^;
練習したかったが時間がなくて出来なかったのはちょっと痛いな・・・・・
まあでも結局ルールにあわせて考えるっていう事自体はなれているので、そこまで不安ではないけど^^;
久しぶりだから結構楽しみだ。

というか王座戦は本当に好きなタイトルだったので、無くなったのは残念だし、また復活してほしいなあ・・・
以前に日記で書いたように、MUの忍田さんとお会いしたのも王座戦が初だったが、
現最高位戦所属の萱場さんとも王座戦で初めてお会いした。ベスト32にて最後の最後で萱場さんに負けた事は今でも覚えている。(ちなみにこの年萱場さんはそのまま優勝)

やっぱり他団体の大会って、色々な人に出会えて面白い。
何年か後に「あの時あの大会で戦いましたねえ」って言いながら酒飲めるのは、競技選手の醍醐味の一つであったりするし。

さて初クラッシック、ちょっと不安もあるが楽しんできますかね。
ついでに日曜はリーグ戦、こちらもやってやりましょう!
両日とも俺にばっかりいい手入って、
周りの人達にばらばらの手がいっぱり入りますように!w

2017年6月14日水曜日

私見にともなう麻雀プロ紹介その8:仲林圭

日本プロ野球において一番凄い打者といえば誰か?
まあ色々な候補が挙がるだろうが恐らく結論は出ないだろうw

それでもその1位を争うと思われる打者の中に
王貞治
イチロー

この名前は絶対にあがるだろう。
日本の野球史にその名を深く刻んでいる両者、
まさに「打者がめざすべき頂点」と言える存在である。
ところがこの両者の打撃フォームは極めて特殊な事で知られている。


王貞治の一本足打法は打撃の神様こと川上氏に酷評され、
イチローの振り子打法は日本野球史上屈指の打撃コーチとして名高い山内氏に否定され一軍昇格を見送られた逸話があるほどだ。

つまり二人は大打者なのだが、そのフォームは「普通から外れた常識外」であり教科書どおりではない、つまり「真似してはいけない選手」なのである。


頂点に立っているのにお手本ではないと考えると違和感があるかもしれないが、別にこれはどんな業界でも珍しいことではないのだ。

競技選手はいつだって「一番」を目指して鍛錬をしている。
そしてその為にまず基礎=中核となる王道、を学ぶ。
しかしある程度経験をつみ技術を磨いた後、独自の道を探し出して更なる高さを目指す、その中で王道とは外れた「邪道」になる。
それはまるで木の枝のように、多くの部分は中心幹にそってのびていくが、最後の最後で枝分かれして、結果として中心部よりも高くなり「一番高い部分」となるのである。
一流とよばれる人には往々としてこういった常識外れの部分が存在している、そのケースが多いだろう。

さて、ここでようやく本日の紹介選手仲林圭の話に入ろう。


http://mj-news.net/mjpro/pd/2015092922579


とみせかけてその前に元広島東洋カープの天才バッター前田智徳の話をちょっとだけw

前田は度重なる怪我に泣かされながらも24年間の現役を通して2000本安打の記録を達成した名打者である。怪我さえなければもっと物凄い記録をたたき出した可能性もある「悲運の天才」だ。
そして彼のフォームは上述の王・イチローとは真逆、極めて「普通」として知られていた。
基本に基本を重ねた何にも特徴がない、誰にも到達できない「境地」といえるフォーム、
あのイチローや落合が「前田のフォームを参考にしろ」と言ったほどの理想の型である。

そして僕がもしも今の麻雀界でその前田のような「理想的な型の選手」をあげるとしたら、この仲林となるわけだ。
彼の打ち方は全く癖が無い。
正確なロジック、対人を意識したアナログ戦術、冷静な判断力、
全てを兼ね備えしかも最適のバランスでそれらを中和させたまさに理想と言える打ち方であり、
これは鈴木たろうや鈴木達也でも到達していない境地の一つではないかとさえ見える。
僕は後輩に「強くなりたいなら仲林の麻雀を見ろ」と言う事が多い。

多くの若手は「強くなる為に強い打ち手の麻雀を学びたい」と考える時、 上述の「最後の部分の枝分かれ」=「邪道な部分」に目を向けてしまう事が多い。
だが人が成長するときにまず知らなければならないのは物事の根幹となる「王道」である。 それは極めて効率的かつ効果が高い、勝つための常套手段だからだ。
これを知るには彼の麻雀はうってつけであり「教科書」と呼ぶにふさわしい。

彼は僕の5年後輩(第七期生)として協会に入ったが、その時から既に実力とセンスの高さは郡を抜いていた。
第十期の雀竜位決定戦、僕は彼の決勝15半荘を採譜したが、そのあまりのクオリティの高い内容に眩暈がしたほどである。
そしてその後にもオータムCSの獲得、そしてAリーグ昇級を果たし今や協会最強候補の一人と言える存在になっている打ち手だろう。
協会に入って何人もの打ち手を見てきたが、「天才」と呼べるクラスのクオリティを持た後輩は、今のところ小倉・渋川そして彼くらいしか見ていない。

というわけでもしも彼の事を良く知らない方がいたら、
是非とも協会の公式対局放送等をご覧ください。
新たな協会の最強候補を目の当たりに出来ると思いますので^^


さて、なんかあまりにも褒めすぎている記事なのでこのまま終わると気持ち悪い。
というわけで仲林のおまけ情報
麻雀についてはそんな絶妙のパーフェクトバランスを誇る彼だが、
プライベート(というか恋愛)については「押してダメならもっと押せ!」という名言(迷言?)を残しているほどの超攻撃型ファイターである。

・・・・いやまあ恋愛事ってそれくらいの方が最適バランスなのかもな、うん。
実際彼は結構モテます。20代の時は大浜クラスのチャラ男でした。元嫁もそりゃもう美人でした。離婚してしまった時はちょっと切なかったです。
今は多分落ち着いてる。多分。

おしまい

2017年6月12日月曜日

6連覇が阻止された日

最高位戦の石井あやが結婚・妊娠発表した

http://blog.goo.ne.jp/ten_aya_2009


僕も昨日まで知らなかった。
まあそれ自体は別にいいのだが(事前報告を受けるほど仲良いかは微妙だしw)、
このブログがネットにあがるちょうどその時、
当の本人を含めたライングループにて、
「巨人の13連敗およびそれでも最下位のままのヤクルトの弱さについて」話をしていた。
そんな中でツイッター見てびっくりして「直接言ってよ!」といった具合だったw

さてそれで、ちょっと石井あやについて改めて思い出した事を書いてみようかと。
※ここから先、全競技選手名を敬称略で記載します

彼女は押しも押されぬ最高位戦の女流トップ選手の一人だが、
やはり「根本佳織の時代(女流5連覇)に終止符を打った」という点が一番の言及されるべきトピックだろう。

まず女流最高位戦はとにかく連覇している人が多いタイトルである。
第1期の渡辺洋香の後、
第2~4は山口まやが3連覇を成し遂げ「女流最高位=山口」と呼ばれ話題を呼んだが、
第5~9にて根本佳織があっさりとそれを上回る5連覇を達成した。
※現女王の大平亜季も3連覇中

ちなみに5連覇というのは他の全タイトル戦含めて根本以外に聞いた事がない前人未到の記録だし、
この頃の決定戦における彼女は実際に神がかった存在だったと言える。
涼崎いづみを大逆転でまくり3連覇を成し遂げた第7期は神がかりとまで噂されたし、
この頃は決勝が始まる前に「誰が根本の伝説に終止符を打つのか?」という点がやはり話題だった。

そんな第10期、
この年に連盟のG1タイトルであるプロクィーンを制覇した石井がその勢いのままに女流最高位決定戦に挑んだわけである。

無論根本に対する対抗馬の筆頭と目されたのは言うまでもない。

二日間の激戦の末ついに石井が勝つわけだが、
最後優勝者が決定した際に、根本の背後の応援団から優勝決定の歓声をかき消す程の大きな溜息が聞こえてきた、というのはちょっとした逸話だ。
後にも先にもそんな話はあまり聞いた事がない^^;
ついに一つの時代に終止符を打たれた瞬間だった。

そしてこの時、
業界では「次の石井が何連覇するか?」というのが大きな話題になったのは言うまでもない。
なんせ山口、根本と連覇が続いていた女流最高位、
プロクィーンとの二冠を達成した新女王に対する世の期待が非常に高かった。

そして翌年(ry

さてちょっと話を変えてw

近年でもG1タイトルの優勝こそないものの、
彼女が最強戦や女流最高位の決勝などで大いに麻雀界を沸かせてくれている女流の一人なのは言うまでもない。

それだけに「結婚・妊娠発表」というのは改めてちょっとおどろいたし、
今年になって多くの女流が結婚や妊娠を発表しているのも含めて改めて「時代も変ったなあ」と思った次第である。

改めておめでとうございます。

まあ彼女の結婚を聞いて改めてそんな数年前の激闘について思い出して日記書いたが、
別に引退するわけでもないだろうし、今後も母親になった彼女が名勝負を見せてくれるのを結構期待している。

あっ、もしも生まれてくるのが娘さんだったら20年後くらいに私の嫁に(ry


ちなみにその決勝の観戦記探してみたら、書いてたのは武中兄だった。
そういや一生懸命やってたなw

興味のある方はご覧ください^^

https://saikouisen.com/1424/
https://saikouisen.com/1429/

2017年6月9日金曜日

平均着順のお話 その2

さて前回の続き
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/06/blog-post.html

まずそもそも「麻雀とはトータルポイントを競うゲームであり平均着順を競うゲームではない」という事実がある。
以前に以下記事でも書いたとおり、着順とは2,3万点の素点に過ぎないしトップですらオカをプラスした4,5万の素点に過ぎないわけで、そもそも麻雀の結果の一部を示す目安でしかないわけだ。

http://susumutakenaka.blogspot.jp/2016/12/blog-post_21.html


この誤解をしている人はいまだに競技選手の中にさえよく見かける。
オーラスの着順が変わらないあがり(アガラス等)の拒否や、無茶な着順上昇を狙ってトビ発生を防ぐための非効率なダマテンとかを目撃する事はやはりあるし、
凄い事例だと数年前にとある後輩が、トップ争いのライバル目のあがりを防ぐために親のタンヤオドラ5に差し込みにいったシーンとかも見た。(飲んでるお茶ふきそうになった、、、、)

まあこの麻雀のゲーム性自体が「平均着順=強さ」となりえない最大の理由なわけだが、
次に「平均着順はあくまで特定サークル内での相対的な指標にすぎない」という点がある。つまり普遍的かつ絶対的な指標にはならないのだ。

この理由としては以下の通り
①店舗やサークルごとのルールの違い
長期になるほど平均着順のバラつきに与える影響が大きくなる。
●素点無視の完全着順制ルールと一般的ルール
●アガ連orテンパイ連
●祝儀Pの比率
これらに差がある以上「平均着順2.3ってどれ位強いか?」というのも微妙にずれが出る。

そしてもう一つ
②試行回数数千レベルになると同じ人と打つ回数がかなり多くなるケースが増える
という点が上げられる。

雀荘メンバーには結構これが顕著に見られるケースがある。
・とある店Aで一番勝っていたメンバーの鈴木さんが店Bに異動
→ 負け頭になる。

まあ普段フリーの客打ちする位だとあまり意識出来ないことだが、1人の人間が多くの試行回数をこなす場合に思った以上に同じ人と打つ事って多いのだ。
結局は同一サークル外との比較が出来ない以上、「相対的」の域を抜けないのである。

とそんな事情を説明したなかで最後に、
「それじゃあ一体どうしたら絶対的な強さを数値化できるか?」
という結論に行こう。

これはもう論じるときりが無いが、
はっきり言って「ルール統一もされて無い現時点では難しい点が多い」である。
麻雀は結果で実力を証明する事は難しいが、その結果の価値自体も相対的でしかない、
つまり色々と考えると麻雀うちの実力評価とは”個人の好み”が介入する、言うならスポーツの採点に近い領域にならざるを得ないのである。

ただ、だからこそ、
競技麻雀選手というのは「互いの実力の見極め」というヤツに結構シビアな感覚を持っている人が多いと言っておきたいw
お互いの麻雀を見極めて、意見を聞いて、冷静な目を持ちたがるのだ。結果だけでは簡単に評価をしない。

まあ最後に言うなら
麻雀プロにとって一番恥ずべきなのは
結果を出せない事ではなく、結果を出しても評価されない事だと思う、と言っとこうかな。

我々はいつでも「幸運にも良い結果に恵まれたときに良い評価を受ける為の準備をすべき」って事なわけで。

ただ厄介なことに、結果出しても周りに評価されてるか否かって、自分じゃほとんど解らないんですよね多分。
実際に僕は「周りの打ち手が僕をどう評価しているか?」という点に全然ピンとくる物がありません。
そういう競技麻雀打ちって結構多いと思う。

そして多分これがピンとくる時って一生来ないor引退する時初めてわかる位の感覚しか今のところ持っていない^^;
多井さんとかたろうさん位になればピンと来るのかなあ、、、、、

とか思ったりもするわけで。
まあここら辺の話題はそのうちもうちょっと掘り下げて書いてみようかな。

2017年6月7日水曜日

素人は不安に耐えられない

言うまでもなく、麻雀に必勝法のようなものはない。
あるとすれば、勝つ確率を高める何かだが、それは一朝一夕で辿り着くようなもんではない。蓄積なのだ、長年の経験の。

しかし、ビギナーはすぐそれを手にしようとする。
いや、しようとするだけでなく、掴んだような気にさえなったりする。
すぐ、確信めいたものをかかげたがるのだ。

無論、そんな確信は付け焼き刃。
しかし、自分で辿りついたアイディアは、本人にとっては特別だったりして、たいした考えでなくても大変な閃きに感じられ、何の吟味もなくあっさりそれに従おうとする。

疑い続けること、不安であり続けることが、競技選手として生き残るためにもっとも必要な心構えなのに、素人ほどそれをすぐ捨てる。言い換えれば、すぐ腹をくくる。すぐ「これで負けたらしょうがない」という口をきく。白黒をつけるタイミングが一つも二つも早い。

ビギナーは耐えられないのだ。勝ち負けや、自分のレベルがわからないという不安・葛藤、そんな時間が長く続くことに耐えられない。
そんな状態よりいっそ、ハッキリさせた方がいいと考える。仮に負けが確定することになろうとも。それが素人の習性だ。



カイジにて利根川がEカードで言った台詞(一部編集)。 まあこの時利根川は実はイカサマをしているので「よく言うわ」なんですが、、この指摘はなるほどと思える。

麻雀というのは何度も言うように実力と結果の因果関係が酷く見えにくい。
だからこそみんな「自分の実力」という物に非常に疑心暗鬼である。

特に競技選手やフリーで打つレベルの人になると、
「自分は少なくとも”それなりには打てる”」という考え、自分への承認欲求は結構すごい。
「自分は●●なのだから下手ではないはず」ととにかく理由を見つけたがり、
このゲームについて色々な視点から切りつけて「自分はこのゲームの事をわかっている」と自分や他人に言い聞かせたがる。

が、実際にはそんな甘い物じゃない。
本当の実力なんて簡単につくものじゃない。
メンタルについても、そんな自信はちょっとした出来事ですぐに揺らぐ。

「どうしたらいいか」なんて僕にもなんともいえないし、書くにしても長くなりすぎるので今日はやめとくが、
一ついえるのはキッチリ勉強する事、
本を読んで他人と議論して、それをひたすら繰り返す、
これだけである。

結局麻雀の実力は自分の力だけじゃ身につかない。
強いメンタルは「さぼらなかった」という一種の自分への信頼でしかえれないのである。

以前に別記事でかいがたが、
競技選手をつづけるならまず
自分が”ある程度”強いと認めていて、相手も自分を”ある程度”強いと、認めている相手、
そう確信をもてる相手を作る事である。

それが居ないのであれば、
何年競技やっててもスタートラインから大して動いていない可能性があるので、
今からでも遅くないから作る事を試みるのをお勧めしたい。

そんな事を思った昼下がりであった^^; メシ食うかな

2017年6月5日月曜日

新宿に住んでみた その3

さて前回の続き、かつこの雑記の締め
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/05/2.html


番地も大体あたりをつけて、いよいよ具体的な物件の見定めを開始
条件は最初の記事でかいた以下の通り

①新宿駅から徒歩10分少々
②築20年以内
③トイレ・バス別

こんな感じで不動産屋を数件回り、王手不動産サイトにて何件もの物件を調べた。

そしてまず結論だが、
平均家賃相場は大体9万円前後である。
※築年数とかユニットバスとか条件次第で色々あるのでそこは、個人の好みだが。

ちなみにこの後に僕が住むことになった物件は以下の通り
・西新宿駅徒歩2分(新宿だと徒歩10分少々)
・1K24平米
・築16年
・家賃 月8,8000円(交渉で2000円下げた)

色々と探した中では結構好条件だったと思う。間違ってるかもだがw



ちなみにこれが二人暮らしの1LDKとかで築年数とか同じになると、12万前後が目安になる。
まあ記述の通り設定条件次第で安いものはあるが。

あと色々と調べたが、
山手線の新宿近辺駅(渋谷~池袋)はそこまで家賃が劇的に下がるわけではない。
よって目白辺りに住むくらいなら最初からもう新宿を狙うのは家賃的に悪くない選択かと思われる(*・ω・)

実際にすんでみて西新宿は本当におすすめできる。
スーパーとかもいろいろあって生活面で困る点はないし治安もよい。
百貨店や商業ビルも多いから買い物や食事にも困らない。
そして友人の飲み会も大体は徒歩10分のとこで開かれるケースが多くてタクシー代とかもかからない!w
「住んでみて良かった」が正直な感想である。

さて最後に改めて。
最初の記事でも書いた通り新宿に住むというのはもう「多少家賃を多く出して時間を買う」という感覚が一番適切だ。

ちなみに僕はスリアロ放送とかでカミングアウトしてるが、ヒゲを永久脱毛しているw
これも結構近い感覚があって、「お金で時間=寿命を買っている」という考えだ。

家賃第一で考えるならもっと都内近郊の好スポットがあるとあると思うのだが、
一日30分の時間を節約できるところに住むのは一ヶ月で15時間つまりほぼ1日分の時間を月に節約できる、
そう考えると、これが数十年になると数年分の時間になってくるわけだ。
月1万程度を多めに出したって何の問題もないと思っているのである。

僕の感覚に賛同できるかたは一度超都心住まいを検討してみてるとよいかもしれないです。
是非に

2017年6月2日金曜日

平均着順のお話 その1

麻雀の頂 – 全国麻雀ランキング 6月1日から本格始動!!
全国90店舗、70000ユーザーがランキング参加
http://mj-news.net/news/2017053067805



まあ要するに、
成績管理をしてくれるフリー雀荘が連携してその中でのランキングも見れるシステムを普及させていこうとしている訳ですね。
試みとしては面白いと思う。

そもそも僕は、
個人がノート等でつけたフリー雀荘の成績に「客観的な記録としての価値」はほとんど無いと思っている。

まず、個人がつけた記録なんて全く持って信憑性は無い。
「俺はズルなんてせずにちゃんとつけてる!」とどんなに言われても証拠はないし、

何より今まで色々な人を見てきたが、人間なんて自堕落な生き物は10回に1回くらいは手抜きをしてしまうのが普通である(99.9%はそうだろう)。
つまり10回に1回の惨敗した時だけ成績つけるの忘れる、これってそこまで珍しい事じゃない。
でもそれが物凄い全体数値をゆがめる事をあまり自覚してない人って多い。

客観的データを見ると明らかな点が多い。
例えばマーチャオの全国成績データ(登録人数数万人)を見てみると、
2000回以上打っている人で平均着順2.2台って1人か2人しかいない。
でも巷には「自称平均着順2.2台」って結構居る。
無論ルールや環境によって平均着順なんて幾らでも変ってくるけど、これは一種の目安ではあるだろう。
そもそも「娯楽」に対してそこまでの真面目さを発揮できる人はもはや異常者なんじゃなかろうか。

「何故ネットの高段者は巷で高く評価されるのか?」といえば、
捏造の出来ない客観的なデータにおいて強さを証明しているからに他ならない。

巷の打ち手が自己管理成績で自分の強さを誇張してもあまり相手にされないのは、
大体の人間が潜在的にこの手抜きの存在を気付いている点もあるだろう。

そしてもう一つ、
「強くなる為に成績管理をしている」という意見をたまに聞く。

だが私見をはっきり言わせて貰う。
それだけの意気込みがあるなら、それをもって成績管理店だけに通った方が圧倒的に効果的である。良いデータも取れるし労力も少ない。
よって「自分でつけてる時点であまり本気じゃないのだろうな」と感じてしまうのだw
※まあ都心以外だと雀荘の選択肢が無いという問題はあるだろうが

ちなみに、
たまにいます、ちゃんと成績をつけれる人。1000人に1人くらい。
実際に勉強熱心な競技選手にはそれをきっちりこなす人っている。

・・・だが、
自分で成績をキッチリ管理できるレベルの熱意ある人って、
別に成績管理なんかしなくても最初から強いor強くなる素質ある人なんですね。
一般的な人がそれを真似するのは結構厳しい。

と言うわけであらためて、
もしも自分で成績つけてる人がいるなら、ちょっと考え直してみるのを個人的にはお勧めする。
まあ趣味としての集計なら別にいいんですけどね。楽しむのが大事だし^^

あと「店員の付け間違えとかがイヤだから自分でやってる」って人もみますが、
自分でやったらミスが出ないと思える根拠がわかりませんw
どっちにしてもミスはあるけど、「負けた時だけ付け忘れる」といった危険な偏りがない分、店側の成績管理っていうのは優秀なんですね。

さて改めて表題の件に話を戻す。
「麻雀の頂」ってシステムは面白いなと思うし、僕はとても興味がある。

だが「これで麻雀の強さが確実にわかるか?と言われればNO」だとも思っている。(無論目安としては有効だが)

ちょっと次回にその理由、「そもそも平均着順は麻雀の強さの絶対指標にならない」という点を書こうかと。

続く