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2019年7月10日水曜日

第2回Mリーグドラフトを見て改めて思う本音

日本プロ麻雀協会が発足して今期で18年目。
順風満帆でこの18年を駆け抜けたかと言えば、勿論否である。
僕が在籍している中で、この団体が危機を迎えた時もあった。

一番暗黒期だったのは前代表の運営末期である4期頃、
この時期、協会は大きな赤字から運営の色々な機能は停滞しギャラ未払いやそれら問題による
有力選手の離脱もあり大きく傾いた。

ここから現代表へと運営がバトンタッチした中でなんとか団体は存続、
6期頃に色々な点で盛り返す。
成瀬朱美をはじめとした良い人材が数名加入し、
団体運営も安定しはじめた時期だ。

思えばこの4期~6期頃、
危機を迎えた協会の我々下っ端が考えた事はただ一つ、
「麻雀だけは他団体に負けない力を身に付けよう」
これだけである。

当時の協会の麻雀の質に対する対外評価は酷い物だった。
まあ元々が最高位戦のB2リーグ以下から選手を大量に引き抜いて作り上げた団体だった点、
ここまでの規模の団体がいきなり麻雀界に増設されたのが初だった点(μは小数精鋭の色が強かった)、
「麻雀プロの質を下げている寄せ集め団体」というレッテルで何回も罵倒された中、
連盟・最高位戦と張り合うための実力を皆で磨きたい、と切に思い先輩・後輩での意見交換や研究をつづけた時期である。
現代表がとにかく麻雀に対してアツいああ見えて(?)職人気質の人なのもこの団体内の気風を後押しし、
数年後に協会の業界内での麻雀に対する評価はある程度はあがった、
と個人的には思っている^^;
 

さて話を先日のMリーグドラフトについての方向に持ってこう。
「第2の協会暗黒期」
こういうっても過言じゃないのでは、と恐れを抱いたのは僕だけじゃないかもしれない。

協会の麻雀が連盟や最高位戦に劣ってるとは僕は思っていない。
例えば今回選ばれた最高位戦の女流の日向・瑞原・丸山に対して、
協会の女流の精鋭は「業界内部の目線で言えば」実績だって実力だって劣ってないのではないだろうか。
連盟の和久津・沢崎・藤崎・岡田・内川にだってそう簡単には負けないとすら(個人的には)思っている。

ただ一方で現代社会は
「質のよい物を作れば必ず売れる時代は終わった」
とも言われている時代だ。

「お客は専門家ではない」
「ドラフト企業側は麻雀の専門家ではない」
この事実がある。

この知識ギャップを埋めるための営業努力、
今後この業界で協会が生き残るためにするべきこと、
なんだろう、
「評価される為にひたすらに麻雀で強くなろう」
10数年前に多くの仲間と皆で至ったこの考え、
これが古いものとなり一つの時代が終焉を迎えたのかもしれない。
そう考えずにはいられない結果だった。

こういった専門業界と顧客の間の穴を埋めるために、
ワインだったらソムリエがいるし、色々な分野にコンシェルジュがいる。
でも麻雀にはそれが無い。
そういった役割はおそらくこれから既にMリーグに入った多くの選手、関係者が担うのかもしれない。
だとしたら益々Mリーグというのは協会にとって遠くなるかもしれない。

ここからの挽回、
並大抵の努力じゃできない。
それはもう麻雀だけじゃ埋められない世界とも思う。
協会を一丸となって変えていきたい、
でもどんな方向に?
 

そしてもう一歩踏み込んだ本音をいえば、
協会員だけが本当に憤りを感じたのか?って点に僕は結構疑問を感じてたりする。
μやRMUはもちろん、上記の通り連盟・最高位戦の人も含めて、
「今後Mリーグに関わる、目指すとして自分の考え方を改める時期かもしれない」って思った人はいるんじゃないだろうか。

麻雀界は遥か昔から
「麻雀を囲碁・将棋のような位置づけに」って合言葉があった。
でもそれですらそろそろ脱却しなきゃいけないのかもしれない。

別にそれは不自然じゃない。
例えばボクシングでは抜群の成績を誇る王者でも不人気だとギャラが安かったりもする。

強くなれば報われる、
強くなれば夢のような生活が出来る、
必ずしもそうじゃない業界なんてわんさかあるのだ。

Mリーグの第2回ドラフトは
「麻雀プロ団体の在り方」
そして
「麻雀プロの在り方」
って点について、
「10年前と同じ考えじゃもうダメだ」という一つの結論を突き付けてきた気がした。

僕自身も、
協会って団体も、
これを一つの結果として受け止めて今後のやり方を考えなきゃいけない時期なのかもしれないですね。
 

と、
後ろ向きな事を色々と考えているのは事実なんですが、
グダグダ言っても起きてしまった事は始まらない。
と思ってるのも事実。

例えば麻雀ですよ。
酷い結果に終わる勝負もある。
終わった後に「運が無かった」「巡り合わせが悪かった」って思う勝負もある。
でもそこで「自分の方が実力は」と不運をぼやく事はあっても「運だけのせいにする」って行為はネガティブで無意味。
今回の件もそうとらえるべきとも思ってます。

そもそも今の協会が対外的にどの程度の評価なのかなんて僕には解らないんですよ。
中に長く居過ぎて。
だから今回の結果が「順当」か「不当」かも正直に何とも言えない。
「企業は選ばなかった」これも事実なら
多くの「”協会0人という結果に驚いた”」って声があるのも事実。
ただどっちも事実だけど、
協会にとってまた苦くて辛い結果だった、これが真実。

でも今回の事も糧にして、
数年後に
今回の金や水口の悔しさを晴らして(というかこの二人が選ばれなかったのはやっぱり長年協会にいた自分達の力の無さも一因と考えると本当にもうしわけがない)、
多くの「不当」って声が正しかったと証明する、
そのために出来る事を協会の人達と決めたい、やりたい、

どうすれば良いか、
色々な人と話して実行して皆で形にしたい。
でももちろん麻雀の質だってこれからどんどん向上させていきたい。
それをおろそかにだけはできないし。
今はそんな気持ちです。

もう今から来年に向けた戦いは始まっている、
そう思うし、思わなきゃならんからね。
協会って団体のリベンジを10年後には成し遂げて「あの2019年が第二の暗黒期”だった”」と言いたい、
そう思った屈辱の一日でした。
以上です。

今の偽らざる本音。
 

最後に改めまして選ばれた8名の皆様、おめでとうございます。
Mリーグは麻雀界の希望の光、これは事実です。
それに相応しい内容の麻雀を本気で期待してます。
これも偽らざる本音です。