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2019年7月8日月曜日

会社員麻雀プロの先駆者「横山明香」という女性のお話

自分が麻雀プロになった2004年頃、
「会社員麻雀プロ」というのは業界ではどちらかと言えばマイノリティだったのかもしれない。

そもそも業界の規模、
プロの総人口が今より断然少なかったのもあるが、
麻雀プロと言えば基本的にはメンバー業の傍らでやる人が大半だった。

実際に遠い昔に記事で書いたが、
協会は第1期は水曜日にも対局をしていたらしい。
僕が入った最初の総会で「今後対局は土日祝のみとします」とお達しが出た記憶がある程度なので、
明確にその前の事はしらないが。

さて協会が土日祝対局を基本とする体制をとったのには、
「会社員を積極的にこの業界に受け入れよう」とかいう崇高な意識とかではなく、
実は当時の主力女流選手が会社員麻雀プロだった中で彼女の事情を考慮して、
という部分が多少なりともあったという説がある(真偽は定かではない)。

横山明香(よこやまさやか)という女性だった。
 

会社員麻雀プロとして協会に所属、
おしとやかなたたずまいと気さくな性格もあり人気を博していた選手であり、
協会創立当初の看板選手の一人である。

彼女は一般企業にてOLをしながらも、
土日は対局やゲスト活動をし、
会社員および麻雀プロとしての生活をしていた。

実績的にも第2期日本オープンの決勝や第3期女流雀王決定戦の決勝進出、
リーグ戦で現A2に所属していた時期もありバリバリ活躍。
※ここらへんは当時と現在の業界規模の違いがあるので一概な実績評価は出来ないが。

第5期リーグ戦でB1⇒A2への返り咲き昇級をしながらも、
第6期の始まりと同時に協会を脱会された。
※ちなみにこの時の同リーグには僕もいたし、金やたろうさんもいたり。

詳しい話はしなかったけど、
この業界の理想と現実のギャップに色々と悩んだ中で、第一線から身を引く事を選んだように思えた。
脱会後に一度お会いした事もあった。(何故か奥村さんと3人で飲んだっけなw)
当時とほとんど変わらない姿で、その後の会社員としての生活や彼氏さんの話をされていたい。
そのさらに後、風のうわさで結婚したとも聞いてる。
今では子供に囲まれて会社員兼母親でもされているかもしれない。
 

「今のMリーグとかで盛り上がる業界を彼女もどこかで見守ってるのかな」
仕事の書類を作りながら、ふと思った。

多くの企業が業界を盛り上げてくれている現在、
10数年前には考えられない話だ。
当時の横山さんは、
女流選手もまだまだ今の10分の1にも満たない業界の中、
女流に対する注目度や偏見もいまより圧倒的に強い中、
プロ意識を忘れず高い志で協会自体の在り方についても真面目に色々と考えくれていた人であり、現在に続くレールを必死に作る為に頑張ってくれていた。

会社員麻雀プロという立場からすれば、
現在は一般的なこのライフスタイルについて、
協会および麻雀界への認知を広げてその体制づくりに一役かってくれた点についても彼女の果たしてくれた役割はとても大きい。



もしもMリーグが10数年早く来ていれば、
彼女も選抜に選ばれてその努力がもっと大きな形になっていたのだろうか。
これは埒があかない空想かもしれないし、それを言うなら同様にもっと報われてしかるべきの人だって多数いる。

さて一方で
「キャバクラに行って何の話するの?何切るとか?
というか麻雀知らない人と何の話をしたらいいか解らない?」
普段の真面目で良識ある性格で知られていイメージから想像できないぶっ飛んだ発言をして回りを凍りつかせた事もあったりした根っからの麻雀好き、
「引退してもどこかしらのフリーとかで麻雀打って”あの女性強いなあ・・・”と思われたい」
とか言っていた事もあった。

個人的には
今でも麻雀が好きで、
どこかでたまにフリーやネット麻雀打ってて、
対局放送はちょくちょく見てたりしてて、
そんな姿があったとしたら色々と嬉しく思う。
 

Mリーグって大きな媒体が明日にまた更なる発展をする中で、
過去の多くの先陣の功績があって麻雀界や女流プロの仕事って奴が今の形になってる事、
協会で僕の様な会社員が活動できる発端にこういった方がいた事、
ちょっと書いてみたくなった記事。

ご本人が何されてるかは知らないけど、
いつか元気にまたこの業界でひょっこり競技楽しみに大会来てくれたらそれはそれでそれで嬉しいですね。

例えば明日のドラフトをドキドキしながら見ててくれてて、
例えば明日に金太賢が指名されたとしたらそれを喜んで、
もしもお子さんがいたりしたら、
「この人と昔同じリーグで対局をしていた」
って語り掛けてる、
そんな姿があったらなお嬉しかったりするかも。