前回の記事
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2016/12/blog-post_82.html
さて、麻雀のゲーム性については説明をしたので、
ここから更に一段降りて「戦略概念」の部分、について触れたいかと思います。
言うならば「勝つ為の考え方」ですね。
ただこれを論じる前に、
そもそも「勝つ」とは何か?これを明確に理解する必要があります。
実はこれも状況次第で異なり、その分別を出来ていない人が結構多い。
代表的な例は以下の通り
競技麻雀では回数制限がある。
「上位数パーセントに入る」という明確なラインもある、
つまりフリー麻雀のようなトータル収支を競うゲームではない、という点が大事です。
タイトル戦なんて、
所詮ボーダーを通過できなきゃ▲1000だろうが+1000だろうが敗退、つまり同じ結果です。
ワンデー大会はもっとそれが如実で、
酷い言い方をすれば「その日会場で一番ツイてるただ一人を決めるゲーム」です。
つまり「いつものフリーと同じ打ち方」なんかするべき状況ではないのです。
こういった点への認識不足こそ、半荘単位での誤った判断を導く原因と言えます。
まず前回記事で書いた麻雀のゲーム性を踏まえたうえで、
「今日打っている場の趣旨」を把握し、
「一回一回の半荘に求められる命題」これを常に自分に問いかけましょう。
さてさて、
残念ながら上記各場面における戦略戦術の話を書くと凄い量になりますので、
まず一旦今回以降の記事は「フリー麻雀」(およびセット麻雀)に特化して書きます。
他は気が向いた時に徐々に書きますかね。
フリー麻雀においての「勝つ」、
これは上記の通り「トータル収支を出来る限りプラスにする」となります。
そしてこれに前回の記事で書いた麻雀のゲーム性=「確率のゲームであり全半荘で勝つ事はできない」という背景をプラスする。
この二つを考えると、
フリー雀荘における各半荘で目指す事=戦略概念とは、
「全体の収支を出来る限りプラスにする為に、ツイている時はプラスを出来る限り多く得て、ツイてない時は負けを出来る限り抑える事」
となります。
そんな事当たり前だろw
と思った方が多いですかね?
でもこの根幹を理解しきってない人ってかなり多い。
具体的な例を一つあげると、
巷で麻雀を打つ人の多くが「麻雀は順位を競うゲーム」という誤解しています。
酷くなると「トップの回数を競うゲーム」と誤解しているし、
もっと酷くなると「ラスの回数をとにかく減らすゲーム」と誤解している。
これは完全な間違いです。
フリー麻雀とは別に着順を競うゲームではありません。
※まあ店とかによっては完全着順制の店もありますが、
じゃあ何を競うかといえば、
「着順・素点・祝儀Pのトータル収支」なわけですね。
早い話、
トップと2着の差というのは、3万or4万点程度の素点に過ぎません。
2着と3着の差というのは、1万or2万点の素点に過ぎません。
要するに着順なんて実は満貫1、2回分のプラスに過ぎないし、
トップですら倍満2回程度のプラスに過ぎないのです。
そして祝儀P。
ルール次第では1p2000点相当だったり、5000点相当以上のケースもある。
2000点相当でも3枚オールとなれば着順1つ分相当だし、
5000点相当だともうトップ1回分相当です。
にも関わらず過剰に着順だけに拘った歪んだ戦略をとる人、これは本当にフリーで多く見かけます。
①トビ寸前の人がいる際の極めて非効率的な見逃しやダマテン
②トップ目に立った後での弱気すぎるダマテンや仕掛け
③着順の変わらないアガリへの拒否
これらいずれも祝儀Pや素点を無視した「間違った戦術」と言えるでしょう。
同じトップでも3万点と7万点ではトップ1回分の価値差があるし、
同じラスでも2万点と0点では1着順分の価値差があります。
常に着順だけでなく全体をプラスにする意識が大事なのです。
要旨をまとめますと
麻雀には着順・素点・祝儀Pといった各要素が存在しており、
これらを考慮して、無限に近い思考回数内でのトータルを出来る限りプラスにするという点を意識する事、
これがフリー麻雀やセット麻雀にて半荘ごとに考えるべき戦略となります。
※ルールによって着順・素点・祝儀Pの比率は変わる
※一回の結果は「負けても已む無し」と考えるべき
さて、こうして一半荘毎の目的を明確にしたうえで、
ようやく「1局毎に何をすべきか」という点に立てるわけですね。
次回は戦術レベルの話にトップダウンしつつ、
「各局における心構え」という点をもう少々細かく書こうかと思います。
気が向いた時に続く。
補足:
今回の記事では半荘毎の目的を改めて紐ときしましたが、
今後も色々な場面で改めて「何故?」と問いかける癖、これをつけるのは大事です。
半荘一回毎、局面毎の「何故?」を他人に聞かれても回答できる形にする事を意識してみて下さい。