数日前、将棋の加藤一二三(ひふみ)九段の引退が決定した
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170119-00000146-sph-soci
まあ今年での引退はほぼ予想できていたけど、こうなってみるとやっぱり切ない。
史上最年長の現役棋士であり、
最多対局数および最多敗戦数(約1200敗)をはじめとした今後更新されない可能性が極めて高い名・珍記録の数々を持つ大棋士、
改めてお疲れ様でした。
さて将棋プロには明確な引退規定があります。
凄いざっくり言えば、「名人戦で成績が振るわない人は年齢によっては引退」と規定されており、
今回加藤九段がまさにそれにあたるわけで。
一方で麻雀プロには特に引退規定はありません。
まあ基本的にはお金を払ってライセンスを更新している身なわけですし。
言うなら「自分が辞めようと思った時が引退の時」なんですね。
つまり逆に言えば
「現役を長く続けている事は自慢する事でもなんでもない」ともいえます。
たまに「自分は麻雀プロを長く続けている=凌いでいる」みたいな発言を聞きますが、
「いや暇なだけだろ。俺と同じで・・・」って思ったりもするわけで(涙)
さてそんな麻雀プロの「引退」ですが、
2月から3月にかけてする人が特に多いのです。
3月末で年間ライセンス更新となる団体が多いので、それを機に辞める人がどうしても出てくるわけですね。
まあこれは結局本人が決めることであり、他人がとやかくいう事ではない。
以前に以下記事で「麻雀との上手なつきあい方を自分で見つけるべき」と書いた。
そういう意味ではすっぱりやめるのは良い事だと思う。
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2016/11/blog-post_29.html
でも毎年この時期に何年も同じ団体にいた仲間が離れていくのは切ないのも事実。
特に男性は「子供が産まれたから」「家族のため」って理由で、金銭および時間の問題でやめていく人が多いのが悲しい点である。
そういえば10年近く前の冬にこんな事があった
その日後輩が突然「武中さん、明日Javaのプログラミングを教えてください」と電話をかけてきた。
普段麻雀の話とゲスな話しかしてこなかった間柄の彼からのいきなりの依頼に違和感を覚えつつ彼の家に行くと、
すでに幾つかの荷物がダンボールに入って綺麗にまとめられていた。
「実は就職する為に短期職業訓練所で勉強してまして。来月から大阪で会社員です。協会も退会しました。」
聞けば彼女さんと結婚をする為に、しっかりとした職につく事を決意したとの事だった。
確かに雀荘メンバー業というのは色々と世間体が厳しいものがあるし、収入も安定しない面もあればリスクもある。長い人生を考えるとこれはきっと正しい選択なんだろう。
そう思いつつも
それでもやはり、彼が麻雀の普及活動や実力向上のために色々と尽力して来た姿を見てきただけに切なかった。
「こういう一生懸命なヤツがもうちょっと報われる業界になって欲しいなあ・・・・・」
最後にお礼としておごってもらった酒を飲みながら、そんな事を考えてちょっと泣きそうになった事を今でもよく覚えている。
・・・・ちなみにその男、
大阪に転勤後数ヶ月して彼女とあっさり破局する。
遠距離恋愛はやはり難しかったらしい。
でも数年後に大阪で知り合った女性と入籍して今では幸せな生活を送っているそうだ。
まあ結婚が数年前の話なので、離婚してるかもしれないがw
まあいずれにしても、
男性にとっても女性にとっても在籍している事がプラスになる業界であって欲しい。
少なくともマイナスにならない手段を何か作っていきたい。
この時期になると少なからずもそういう事を考えるのでありました。
ちなみに僕はこの時期になると、
「やめるやめる病」によくかかります。
ちょっとそんな話に続く。