戦略的には「読み」という行為は効果が低い点は否めない中、
何故競技選手は手出しツモ切りをチェックする必要性があるか?という点についての僕の結論
http://susumutakenaka.blogspot.com/2018/07/blog-post_9.html
ここで唐突なのですが、
僕がこよなく愛する名作漫画の一つ「バーテンダー」のとあるエピソードについて書こうかと。
※名作なので是非読むのを勧める作品
ピックアップするのは8巻の「バーテンダーの魂」という回。
この話の中で主人公佐々倉は新任のホテルマンに「貴方の職業であるバーテンダーの魂を表現するカクテルを作って欲しい」と言われ、
その回答として「スプモーニ」というカクテルを作ります。
レシピは
・カンパリ
・グレープフルーツジュース
・トニックウォーター
カンパリのほのかな苦味とグレープフルーツやトニックによる爽快な飲み口、
広く長く愛され続けているロングカクテルの定番の一つです。
そしてこのスプモーニ、
実は「ゴールデンレシピ」と呼ばれるものの一つでもあります。
これは「誰が作っても簡単に美味しくできるレシピ」であり、
これについて言えば、
グレープフルーツとトニックウォーターは非常に相性が良く、カンパリだけでなく大体のお酒とまぜても美味しく飲める、
しかも分量が多少ずれても全く問題はありません。
では何故これが「バーテンダーの魂」なのか?
これについて佐々倉は以下のように述べるのです
『たとえばマティーニの味はアマチュアとプロとでは全く違います。逆にスプモーニのように誰が作ってもおいしいカクテルでは、プロならではの違いを出すのは非常に難しい。
でもトニックの量、氷の形、ステアの方法まで、こういった小さな努力の積み重ねがプロの味を作るのです。
そして違いが小さくなればなるほど実は注ぎ込まれる努力は大きくなっていきます。その努力を永遠に続けられるかどうかがプロとアマチュアの違いでしょう。』
「科学する麻雀」によって麻雀戦術研究に「合理性」「論理性」がもたらされた時、
多くの競技選手が忘れてはいけないこの原点を忘れていたのではないか、というのが僕の私見です。
つまりこれはもうどんなジャンルを問わずとも
「競技選手というのは0.00001%でも勝率をあげれる要素があるならそれはどんなに労力をかけても拾うべきだから」
他の例をあげるなら、
たとえば陸上競技は0.1秒、0.01秒という日常からすれば酷く無意味な物の為に各選手は一般人からは考えられない修練を積みます。
たとえば芸術分野の職人は、機械を作れば幾らでも効率的に安定した質の物が作れる今でも、機械では出せないクオリティの物を手作業で非効率的に作成している。
要するに一部の専門家が拘るべき点はそういった「日常的・商業的な効率から離れた徹底した質への拘り」だからです。そして麻雀プロもその原点はやはり忘れてはならない。
僕自身の目標を言えば、手出しツモ切り以外のもっと細かい情報(相手の目線、どこにしまったか等)も全部鮮明に記憶して戦術に役立てたい、が本音。難しいですけどね^^;
んでもう一つ、僕が勧める理由、
それは「ちゃんと手出しツモ切りを見たほうが麻雀が楽しいから」。
視野が広いほど、
拾える情報が多いほど、
競技麻雀は楽しいんですよ。
例えば配牌をとったときに、
これはどういう風に進んでいくのか方向性を決めてから打ったほうが楽しいし、目標に向かっての達成感もある。同じ和了するにしても。
ただ牌を持ってきて和了するだけでは点棒しか残らなくて、
目的意識もないし構想力も低いままになる。
読みも同じで、
相手からしっかり情報をひろったからこそ拾える安全情報・危険情報があって、
これと目的を掛け合わせてキッチリと選択をするからこそ、
大局観というやつがより育っていくのです。
結局こういった細かい情報やそれらを組み立てた戦術を作れる人ほど、
競技麻雀を楽しめているんです。
だからもっと勉強したくなる。
差が開く一方になるわけですね。
というわけで3回に続いた総論は、
「競技選手ならキッチリ手出しツモ切りを見る努力をしましょう。それがプロです。そしてその方が楽しいです」
「でも基本的押し引き等の勉強も忘れずに。まずはそっちをしっかり抑えてください。」
以上!
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あ、そういや手出し・ツモ切り覚える為のコツ書くの忘れてた。
① 目でちゃんと追う
② 各自の最後の手出し1枚だけ(つまり合計3枚だけ)を頭の中で復唱しながら覚えとく
です。シンプルですがこれが効果的。
これ続けてるとそのうちに最後の1枚以外もおぼろげながら記憶できるようになります。
最初は集中力そがれて手牌進行とかでミスみする人もいるかもしれませんが、慣れです慣れ。これを意識して続ければ次第に無意識にやってますよ。多分。
選手の人には難しい事考えずに「もっと麻雀楽しむためにやってみるか」って考えてトライしてみてほしいと思う次第。
おしまい