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2019年11月25日月曜日

タイトル戦やリーグ戦の価値は10年前より下がっている?

来月頭は雀竜位B級、僕はここから出るのですが、
雀竜位って今年からE級予選まであるのですね。
となるとE予・E・D・C・B・Aと6段階リーグ構成になっている。
ちなみに僕が協会入った時はC予からだったので、2つ増えている。
といえば「それ位か」と思うかもですが、
予選の通過率とか凄い緩い時代もあったし、
各ブロックの通過率も設立当初に比べれば若干辛くなってるし、
Aとか決勝行くのが年々難易度あがってるなあ、と思うわけです。

これって別に雀竜位だけではなく、
色々な大会って10数年前から参加者が年々増えてるし、
特にここ2,3年はその傾向が大きく加速、通過率もどんどん辛くなってるわけです。

ちなみに僕は22歳の時に發王位の一般予選に出たのですが(この当時はプロも一般予選参加OKだった)、この時の通過率は1/2でした。
これ、現在の一般予選の参加者の方からしたら考えられない数字だと思います。
リーグ戦についても、人数の急増でどんどん階層が深くなってて、BリーグとかAの難易度もどんどん上がっている。


さてそんな風に通過率とかが年々辛くなる一方で、
「一つ一つのタイトル戦の価値」ってのは年々下がってる気が正直にします。

今の麻雀界は早い話20年前と比べて、
団体は増えたし、
各団体のタイトル戦も増えている。
こんな風にタイトルが増えればそりゃ一個一個の印象とか価値は減るし、
その他環境変化(特にネット麻雀の価値向上)も含めて、
もはやAリーグだのタイトルだのが昔の様に絶対的な価値を持っている時代ではなくなったのではないか?
僕が最近抱いていた感覚なわけです。

実際に現在行われているMリーグの選手の面々が、
各団体におけるリーグ戦、タイトル戦でトップと完全イコールになっていない点を見ても、
そういった価値が業界内外で評価されていない点を象徴している、という見方もできる。

ちなみに似た状況が作られているのはボクシング業界です。
現在業界は30年前と比べて「世界王者の乱立」が問題視されています。
世界規模団体がWBC、WBA、IBF、WBOと今や4つになり、
階級は制度発足当初の5から17に細分化、
そして最大の問題が各団体にて世紀王者以外にも暫定王者だのスーパー王者だのを乱立させている点(タイトル戦が増えた方が団体がもうかりやすい背景等が原因)、

これにより
「誰が最強か解らない」という事態が出来ているし、
●田兄弟のような階級のスキマを狙った世界王者の誕生も話題になり、
今や「世界王者」という肩書きや、防衛数等の記録がそのままボクサーの価値に直結しない、
そんな状態だそうです。


麻雀業界に話を戻すと、
こういった形で「競技プロの実績」の価値が薄くなっている一方で、
冒頭にある通り「競技で実績をあげる事の難易度」は10年前より思いっきり上がっている、
なんというかデフレみたいな状態がおきてるような気がしないでもないわけですよ。

「今の業界には夢が無い。実力って物が評価材料にまったくなってない。」
ってセリフを他業界のテレビ特集で数年間に聞いたけど、背景は違えど今の麻雀業界も似たような状態なのかもしれない。

いや、これには運の要素も多大にあるんですがね。
実力・実績よりもタレント性とかが求めらるのは別にこの業界だけの話ではないけれど、
近年は「麻雀プロって何だろう」って考える事がますます多くなった気もするのです。

Mリーグで多くのスポンサーが来てくれたとはいえ、
この業界はまだ至るところで資金が足りていない。
”麻雀勝って認められたい”ってストイックな考え方だけじゃ認められないどころか、
近年そのMリーグ等により企業と麻雀界が結びついてきた中で、ますます”実力だけじゃダメ”って意識が求められてるような気がする訳です。

結局我々にとって”実績”とか”勝つ”って事はどの程度意味があるのか?
そんな風に考える訳ですね。

続く

あっ、といいつつも先に結論の一つだけを書いとくと、
そんな中でも「勝った」「負けた」という明確な結果があるだけ、競技ってのはある程度健全だよな、とも思うんです。
世の中”評価基準なんてあってなきが如しで、業界の第一人者の気分で全てが決まる世界”なんてゴロゴロあるし、結果ってのは多少は無視できない物の一つですから。