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2020年2月18日火曜日

第18期雀竜位決定戦見て思った事をなんとなく書いてみる

さてもういきなり最終日の統括から
※なお2日目で足切りとなった吉田については既に協会観戦記で色々と書いてますので割愛。興味ある方はぜひ
http://npm2001.com/janryu/18-janryu/kansenki/day2_09.html

千貫について。
長く競技を続け、コンスタントに成績をたたき出していた男だったが(現A2リーガー)、
今まで放送の舞台で麻雀を披露した事はほとんどなく結構色々と謎のベールに隠れていた。
だが今回の決勝の舞台で見せてくれた麻雀は周りの期待を十分に満たせるクオリティだったと思う。
最終戦最終局で決着牌を打たなかったシーンなど、視聴者の期待を良い方向で裏切る点も多く合った。


坂本と矢島についてはセットで。
僕は坂本とは研究会で多くを語ってきた経験もあり、
彼が良質の知識と高い技術力を持った男である事は知っている。
実際にその技術力をもって初日・2日目を彼は快走した。最終日の内容だってそこまで悪い物でもなかった。だがやはり幾つかのミスもあったように見えた。
これについて言えば
「坂本ほどの男でも客観的に見て幾つかのミスが見える内容になるんだな・・・・」である。
麻雀には昔から「後ろから見て自分と同じくらいと思えば自分の2歩先、ちょっと下手と思えば1歩先、そう思え」という格言があったりする。
「客観的に見ても完璧に近いクオリティの麻雀」というのは余程完成された打ち手でなければ披露できない事を表している。

そう考えるとやはりこの雀竜位にて改めて知ったのが矢島亨の恐ろしさかもしれない。
とにかく質が高く丁寧な内容を3日間にわたって繰り広げた。ただ丁寧なだけでなくキッチリリスクも追った力強い内容である。
坂本という強い打ち手のフィルターを通して矢島の強さが更に際立った、両者をよく知る僕としては個人的にそう見えたというべきか。


さて最後の一人に触れる前に、ちょっと違う方向に話を逸らしてみる。

なんというか、
個人的な思い込みも込めてだが、
僕はタイトル戦を戦うたびに「孤独」という言葉について感じる事がある。

競技大会とは最初はなんでもない平坦な道から始まる。
でもある所で急に厳しい坂になり、相手を押しのける山登りとなる。
登れば登るほど急になり、
気づくと落ちた時にケガじゃすまない高さになっていく中、
回りの人達をどけてどけて頂上を目指す。
最初は多くいた戦友もどんどん少なくなって行く。
望んで行った場所でもある一方で、そこは登るほど寂しい。
ただ、最後の最後でもごく一部の人だけが自分と一緒の地点に残ってくれている。
残ったたった3人の戦友。
だがそこから最後はその3人すら叩き落としてそこに立つ。
最後には一人分の足場しかない。
長い時間を一緒に戦ってきた相手への友情に近い感覚がうまれる中、それすら叩き落とす。

無論辿り着いた者にしか見えない景色があるかもしれない。
でも相手を叩き落とすために必死になっている自分を振り返ったり、
そんな熾烈な戦い見たりするたびに、
競技の根幹にある「孤独」を感じる。

今回は雀竜位史上でも稀な最終戦3者完全着順勝負。
改めてその過酷さを感じ、「引き分けじゃダメかね^^;」とかクソ無意味な提案をしたくもなる心境で最終戦を見守った。

がこれもいつもの事なのだが、
全て終わった後に多くの祝福を受ける優勝者を見ると、
「案外競技って孤独じゃないのかも」とか思ったりもする。
そして今回は特にそう思った。
なんというか孤独って言葉にあまりにも無縁な男が優勝したからかもしれない。


というわけで優勝した大浜岳について。
内容について本人は謙遜しつつも、しっかりと勝ち切る為のムラの少ない良い物だったと思うのが一点。
まあハイライトはやっぱりこの局でしょう。
トイトイに受けるとかの選択もあった中、腹を決めてしっかりと直撃をとったのが凄い。(坂本がこの見逃しを完全に想定してるのが伺えるのも場を良い絵にしてますよね)


やっぱり長いキャリアと広い人脈を持ってる彼故、
所々で飛び交う喝采の声がすごかった。
その多くの声は、僕に改めて「競技麻雀って楽しい物なんだな」と思わせてくれた。
個人的にも長い付き合い故の彼の優勝は嬉しい。

そうねえ、、、、
付き合いが古いだけにすごい印象深い麻雀の思い出話でもあれば書いたのだが、付き合いが古すぎてあんまり浮かばない。
敢えて何も書かずに締めたいと思います。
20代の時のプライベートのエピソードとか書いてやろうかとか思ったけど、どこまでがセーフかわからんし。。。。。


色々な事を感じさせてくれた激戦、
改めて自分自身「来年度も競技麻雀頑張ろ」と思わせてもらえた、そんな決勝だった気がする。

大浜先生、堂々の第18期雀竜位。改めておめでとうございます。
そして選手の皆さん、良い決勝をありがとうございました。