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2018年5月30日水曜日

フリー麻雀での出来事 その6 大ミンカンも状況次第ではやるべき

大ミンカンという行為は、
ある程度麻雀になれた人には「奇手」というイメージが強いと思う。

まあ実際に、
面前を放棄している自分には権利のない裏ドラというオプションが増加する(他家だけが恩恵に預かる)という点、
大半のフリー雀荘ではその裏ドラにご祝儀Pがつくという点、
これらを考えるとフリーにおいては「しない方が無難な行為」になるだろう。
たまに面前から大ミンカンするおっちゃんを見ると、「勝ち負けとか気にしない人なんだろうな~楽しそうだな~」とか思ったりもする^^;


ちなみに競技について言えば裏ドラのご祝儀Pがない分、損するケースはフリー雀荘よりも確実に少ない。
そもそもフリーを含めて全体的に見ても大ミンカンが得するケースは少なからず存在するわけで
・符の上昇に伴う打点上昇
・嶺上や新ドラ
・ツモの増加(例えば下家からの大ミンカンは対面・上家のツモをかっ飛ばせる)
こういったリターンも考えると、「絶対にしない」というのも悪である。

木原浩一が数年前に「競技選手の中には大ミンカンについて損得を精査せず盲目的にスルーしてしまう人がちょくちょくいる」と言っていたが、これは僕も結構賛同するところだ。

典型的な「カン得」の例を挙げると
四五六七八⑤⑤111 東東東(ポン) ドラ八

早い巡目の聴牌でここに出た1とか、
競技だったら特に何も考えずにカンした方が得するケースは多かろう、と思う。
結局は

・得点状況
・他家の動向
・残った手牌の形

これらと冒頭で上げたリスクを比較して、しっかりと「する」「しない」を判断する事は確実な成績アップにもなりえるのである。
まあただやはり局単位でのリスクを高めるハイリスクハイリターンな行為にはなりやすい。
リターンとの兼ね合い比較に自信がないなら全スルーでいいかも、とも思ったりもする。
特に面前からの大ミンカン、これは得するケースが圧倒的に少ない。
でも得する事ももちろんあって、僕も今までに競技始めてからの16年くらいで、フリー含めてこれを2回やった記憶がある。まあレアケース故、鮮明に回数も覚えているレベルとも言えるが。


さて先日に大ミンカンのちょっと面白い例があったので書きたいかと思う。
フリー雀荘のオーラスにて以下の通り

東家 37000
南家(僕) 26000
西家 32000
北家 5000

満貫ツモ or 跳満出あがりでトップ、
そして1300, 2600ツモ or 6400出あがりで2着、
そんな状況で聴牌となった。
六六777白白發發發 ①①(ポン) ドラ⑤

現状の和了点は以下の通り。
ツモでのトップ条件は満たしているし、白でのロンなら無条件での2着になる(出所次第で白でのトップ、六での2着もある)。

 
ロン80005200
ツモ3000-60002000-4000

だがこの形を張った瞬間から一つ決めていた事があった。
直後に場に放たれた4枚目の發をノータイムで大ミンカン。
六六777白白 發發發發(大ミンカン) ①①(ポン) ドラ⑤③

こうすると各和了の得点が以下の通りとなる。

 
ロン80006400
ツモ2000-40002000-4000

ツモリ三暗刻は手役からなくなるが、
点パネが効いているおかげで六ツモが60符3ハンとなる為、トップ条件の2000-4000を維持できている。
そしてロンの場合の符も50符になる為、高めの白は勿論安めの六がどこからでも2着以上が確定、そしてトップからの直撃について六でも自身がトップになれる点が大きい。(しかも場にマンズが安い点もあり出あがりなら六の方が期待が持てる状況)

3000-6000のケースはなくなっても得点状況的にはカンした方が有利と考えていたわけである。
まあ新ドラがごそっと乗ってくれれば一気に12000確定=無条件和了トップのケースもあったし。

結果として新ドラは乗らなかったが、数巡後にねらい通り六が親から出て6400直撃、微差でのトップ終了となった。
六六777白白 發發發發(大ミンカン) ①①(ポン) ロン六 ドラ⑤③



「ツモリ三暗刻が消える事考えると、面前からの大ミンカン並みにレアなケースだな・・・」
とか考えながら集計を進めたのであった。

大ミンカンと言えばリスキーな行為というイメージだしそれは事実の面もある。
が、場の状況を細かく見れば得なケースも確実にある、
「絶対にしない」という人はちょっと考えを改めるといいかもですね^^;

というお話でした。

●フリー麻雀での出来事まとめ
http://susumutakenaka.blogspot.com/p/blog-page_98.html

2018年5月28日月曜日

中途半端な善行が悲劇を招いたケース(2018 スリアロCS 5月の裏話)

矢島「松嶋さん、その飲み物俺が買ってあげるよ^^」
松嶋「えっ、本当ですか?ありがとうございます^^」

先週末に行われた2018スリアロCS5月、
その5回戦(準決勝)の放送が始まるまでの休憩時間のコンビニにて、日本プロ麻雀協会の現Aリーガー矢島亨はそんな事を言い出した。




(こいつ徳を積みにいってやがる)

これは要するに可愛い女の子に親切にすることで徳を積み、これからの対局でのガレナーを良くする作戦である。
まあこれから勝ちたい対局を迎える麻雀プロがこのような(ほぼ無意味な)ゲンを担ぎにいく行為をするのは別に珍しいことではない。
私もたまにやる。

が、しかし・・・この日のこの光景にはいつもよりも違和感があった。


その理由はちょうど30分前の事である。
4回戦が終わり準決勝進出が決まった私、矢島、松嶋は開始までの休憩時間にて軽食を済ませる為、近くのフレッシュネスバーガーに行った。

店内で各自が注文を考える中、矢島が唐突に一言
矢島「武中さん、ここで僕と松嶋さんの分奢ってくれればきっと徳が積まれて決勝いけますよ。ご馳走さまです。」
『・・・・イヤです』





このやり取りがあったからこそ疑問に思い矢島に質問
『矢島よ、ここでたかが100円程度の徳を積みにいくなら、何故さっきフレッシュネスバーガーを奢らなかった?(・・;)』
矢島「いや、さすがにそれは高いんで、、、でも徳を積む行為は大事だと思うのでここでやっとこうかなと」

(こんなこすい男に徳とか積まれるわけない。むしろ天罰下るんじゃ)

そして準決勝開始直後、東1局1本場、それは起きた

渋川「ツモ」
一九①⑨19南南西北白發中 ツモ 東

麻雀にあるいくつもの手役の中でも捨て牌が極めて偏るのが国士である。
渋川がヤオチュウ牌を余らせた次巡に東を手元に引き寄せ発声をした瞬間、卓上の他3人は手牌を倒されるまでもなく既に絶望していた。
ましてや準決勝終了時にトータルで松嶋・渋川が頭1つ抜けていた中でのこの和了である。

そしてこれを親かぶったのが先ほどこすい算段で徳を積みにいった矢島、
0本場で2600オールをツモり意気揚々としていた彼の表情が一気に絶望一色になっていた。


まあこの和了で絶望していたのは無論矢島だけでなく私もである。
その後も含めもはや絶望的な点差を叩きつけられた中「矢島の天罰に巻き込まれて敗退とは、、、」とガックリしていたのであった。

しかしそんな矢島さんの戦いはここでは終わらなかった。
コンビニで積んだ徳(100円分)の効果があったのか、
渋川にトップを取られたのになんと奇跡的に決勝進出したのである。

、、、が決勝開始時トータルは以下の通り。 
渋川192.6 
松嶋181.0 
三原65.0 
矢島51.2

ぶっちゃけここまで来ると「むしろ負けといた方がマシだった」と言いたくなる位の圧倒的差である。
そんな中で渋川・松嶋に多少の気をつかったであろう長い1半荘、
終了後は本人もこの拷問のような戦いに疲弊していたのが伺えた。
矢島さんも三原さんも本当にお疲れさまでした^^;

というわけで皆さん、
麻雀で中途半端な選択が罪になるケースが多いのと同じように、
中途半端な善行はこういう悲劇(?)を招く可能性があります。
気をつけてください!


さてちなみに決勝は松嶋・渋川の壮絶なデッドヒートの末、松嶋桃が優勝となったのでした。
特に南3,4局の渋川の猛攻、それを耐える松嶋の戦いは僕も解説の立場を忘れて楽しませていただきました。
そこに至るまでの2人の辛抱強くて繊細なゲーム運びも凄くて、色々と見どころが多い半荘だったのではないかと。

興味のある方、
特に松嶋桃ファンの方々はTSを是非!

改めて松嶋さんおめでとうございます!グラチャンも期待しとります!

ニコ生 http://live.nicovideo.jp/gate/lv313225055
Fresh! https://freshlive.tv/threearrows-ch/211190

2018年5月25日金曜日

配牌からの最終形を位置エネルギー(IE)別に想定しましょう

昔、とある有名プロの研究会の資料にて以下のような問題があった。

【問題】
一三八九③⑨2466688 ドラ1

この配牌をもらった時に想定する最終形について、
自分の位置エネルギー(IE)が25, 50, 75の時の3パターンでそれぞれ示せ
・副露する場合はその旨も記す

・各形ともリーチ以外の役をかならずつける事

この後、位置エネルギー(IE)という単語が仲間内では少々話題になった。
「IEってそもそも生産工学(Industrial Engineering)だぞ」
「それを言うならPE(Position Energy)なんじゃ・・・」
とかいうツッコミもあったし、
最終形が位置のエネルギーで決まるという発想がなんともその方らしい設問だった。
が、この問題個人的には
「表現はオカルトだけど内容は理にかなっている」
と当時も感じたものである。

麻雀の中級者と上級者、
この大きな差の一つに「配牌を取ったときに最終形をちゃんと想定できているか」という差がある。
言うなら上級者というの基本的に配牌をもらった瞬間から終局までに、
① その手牌の最終形を上・中・下のパターンでいくつか考え、
② 点数状況等も加味してどのプランに重きを置くべきか想定し
③ あとは局中のツモや周りの動向でプランをアジャストしていく
という行為を基本的にはしているのである。

まず①の能力、
「配牌をもらった時点での構想」というのがやはり重要。これがないと序盤の打牌が非常に緩くなる。
典型的なのが染め手を睨むべき手牌で緩慢に第一打に字牌を切ってしまう、とか。

②③も無論重要、
②がきっちりできてないとプラン自体が大局に沿わないし、
③がきっちりできていないと一つの手役に拘り過ぎる等、物凄いバランスの悪い進行をすることにもなる。
ただまあそれらをするうえでも①が重要名のは事実だし、冒頭の問題を「良問」と思うわけである。

僕の中での冒頭の解答例をあげるなら
・IE 25
三四③④⑤66688 324(チー)
三四66688 324(チー) 發發發(ポン)

etc

・IE 50
三四伍③③23466688 ドラ1 リーチ
なんて感じのリーチタンヤオあたり

・IE 75
一二三②③12366688 リーチ
45666中中 312(チー) 888(ポン)

etc


無論実践においては、
・どう考えても安いパターンが少ない物
・どう考えても高いパターンが見込めない物
と色々とある。

そしてこの設問について更に良いと思う点が、IE25~75という数値設定、
これが麻雀のゲーム性をうまく表現している。

早い話麻雀には「どう考えてもあがれない状況」、そしてその逆の「僥倖の和了」というものがある。
つまりIE0はもう「ベタオリ」であり最初から聴牌系は「無し」
そしてIE100は一番代表的なのがこれ
一一一三三三③③66688 

まあ四暗刻という手役がある限りIE100はほぼこれになるケースが多いだろう。
それからたまにはこんなふざけた聴牌になる時もあるんじゃなかろうか。
3666888 324(チー) 發發發(ポン)

結論として
「麻雀いまよりちょっと上手になりたい」と思ってる人、
このIEに基づく最終系想定を普段の麻雀でもちょっとだけ意識するのはお勧めです。
普段からのトレーニングとしてやってみてください。
って点でした。


ついでに一つ、
この設問、作った当のご本人が覚えてるのかなあ・・・・
昔からこの方、色々なオカルト理論を言いつつも、根本的なロジカル部分を結構オブラートに包んで隠してるんじゃないかと思う点は多いですね。
トイツ理論とか。
真意は不明ですがw