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2019年9月28日土曜日

メンバーをやめて会社員になる、本当に良い決断だろうか?

「実は会社員になろうと就活中なんです」
とある知人の雀荘メンバーに珍しく誘われてお酒を二人で飲む事となったある日、
こんな相談を持ち掛けられた。

彼の背景をある程度知っている故、
今回の動機も察しはついた。
『結婚を彼女さんのご両親に反対されたの?』
「そうなんですよ。”麻雀”って単語が出る時点でもう厳しいみたいで・・・」


僕らの親世代は麻雀について物凄い悪いイメージを持っている人が少なからずいる。
麻雀=ギャンブル、
メンバー=不安定でお金がない、
まあこれを100%否定できない部分があるのは正直につらい。
僕も今の相方のご両親に「麻雀打ち」って点を凄い心配された事もあるし。
そして麻雀にかかわるメンバーという職業に対して、
彼女さんのご両親が心配する気持ちを察する部分はある。

ただやっぱりこの点に、
この業界を良く知る身だからこその反論もあるのだ。
『今40でしょ?俺の目から見ると会社員になんか絶対ならない方がいいんだがな・・・・』

あまりメンバー業を良く知らない人が誤解しているケースはあるが、
メンバーの給料(額面ではなく手取り)というのは店次第ではそこらの会社員の給料よりも断然良いケースがある。
ましてや新入社員の手取りと比較したら比べるまでもないレベルだ。

確かに会社員は社会的信用(与信)の面で色々と優遇されいる中でメンバーは厳しい点も多い(不動産関連は特に大変)。

ただ典型的な高給取りメンバーである今の彼が、
40から会社員になって、
年収が数分の1とかになって、
そこから20年ほど働いたとしても、
とても生涯年収で挽回できる絵は僕には見えない。
そして会社員としてコツコツ勤続を積み上げる事で出てくる旨味って奴も、味わえるはずの頃には年齢の問題で色々と厳しいだろう。


彼女のご両親の懸念は解る。
出来ればしっかりしたスーツを着て会社に勤める男に、
マイホームを買ってもらい、
しっかりコツコツとした生活基盤で娘と子供を守ってもらいたいのだろう。

ただその絵は、
日本経済が右肩上がりで色々とした社会システムの懸念が少なかった数十年前、
かつ相手の男が20代、30代とかの場合に通用した「人生の成功モデル」にも思える。

日本経済について言えば
終身雇用時代が終焉を迎えつつあり、
経済が右肩上がりとも言い難く、
年金に対する懸念も多く政府もiDeCoだのNISAだのを奨励して「自己責任」を推し進めている、
そんな時代に40の男性に押し付けるべきか、と言われると個人的には疑問が残る。

彼にメンバーを続けさせて、キッチリ貯金を夫婦で作って、お金という基盤で生活を守る、そんな二人の絵を認めさせた方がいい。
彼が持っている「高給取りのメンバーを続けれらる接客スキル・麻雀スキル」というのは大きな武器であり、
それを放棄して丸裸で武器もなく会社員になれ、という方が遥かに非現実的だ。
と個人的には思うわけだ。
※まあメンバーには金銭以外のリスクが多少なりともあるのも事実なんだが。既述の与信の関係ももちろんだが、法律的リスクにさらされる場合もあるし。

ただそういった点の比較を一切せずに、
ただただ麻雀という単語で門前払いをするご両親に折れて渋々就活をしている中、思うところも多いのだろう。
彼は酒を飲みながら何回も溜息をついていた。
「武中さんはいいですね。会社員長くやってて。」
『俺からすればメンバーが羨ましい点も色々とあるけどね。お前さんは特にギャンブルしないし貯金もしてるし、さっき言ったような生活設計をちゃんとご両親が理解してくれてメンバー続けられるのが一番良い話なんだがなあ・・・・・』
「僕よりもご両親にその点を説明して欲しいです・・・・」

高給取りの雀荘メンバーが結婚等の為に社会的に安定を目指し会社員になるケースは他にも幾つか見てきた。
が、そこから出戻りするケースが結構あるのも事実である。
社会から見たら彼らは「なまけ者」「落伍者」みたいに見えるのかもしれないが、
内情を知る人間としては、
仕事のストレスは倍増、
収入は大幅減、
そんな状況でも会社員を自ら選ぶ
この方が異常に見えなくもない。

それでもその道を続けるというのは並大抵の意志が無きゃできない事である。
転職をした後にずっと家庭を会社員として守っている人も確かにいるのだ。
彼にしても相手の女性を大事にしてるからこその決断なのだろう。
その決意はちょっとまぶしく見えた。


ただ一方
「就活は続けます。でも今日話してて、来週に具体的な今の貯金額と生活プラン(現在と社会人になった場合との比較)を出してもう一回ご両親と話そうと思いました。無駄かもしれないけどそれが彼女を守る一番良い選択と僕は思ってるんで。」
『そうだね。俺もそれが良いと思う。というか結婚に両親の許可っているかい?』
「ぼくはいいですけど彼女は両親に祝ってもらって結婚したいでしょうから。」
ご両親からしたらズレた主張に聞こえるだろうか?
でもキレイごと無しに自分が出来る最良の方法で彼女を守りたいと考えている彼の誠意がちょっとでもご両親に伝わって欲しい。
彼の人柄をしるだけに僕は本気でそう思ったのであった。

メンバー業も大変だ。
でも会社員が必ずしもメンバーより魅力あるものでもない。
結局人は40も近くなると自分の年齢と今持ってる武器をもって最良の選択をするしかなくなってくる。
何が彼にとって一番いいのだろうか、
ちょっと色々と考えさせられた一日だった。

2019年9月26日木曜日

選手として大事なのは数字よりも愛される事であり記憶に残る事であり

やはり今日、
将棋ファンの多くが歓喜したNEWSはこれだろう。
木村一基九段が7回目のタイトル挑戦にて初のタイトル「王位」を獲得。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6337715

さてこれがどのような偉業か、
・史上最年長でのでの初タイトル(46歳)
・史上最多7回目のタイトル挑戦を経ての初戴冠(今回負けると単独最多の7回連続タイトル挑戦失敗だった)

将棋知らない人にかみ砕いて言えば、
「実力はあれど長い間最後の運の一押しに恵まれず敗れていた苦労人がほぼラストチャンスだった舞台でついに悲願の初優勝」
という所である。

2006年にA級初昇級を果たす等しぶとく長く第一線で活躍していた木村九段、
だがとにかくタイトルは”あと一歩”の連続だった。
棋士のピーク年齢から”ラストチャンス”と考えていたファンも多かった今回、
相手は現役最強の一角である豊島名人、
”実績多数のベテランが若手の挑戦を受ける”という構図は多々あれど、
今回の様に”若手がベテランの挑戦を受ける”という珍しい構図の勝負、

無論下馬評では圧倒的に豊島が有利、
それでも多くの将棋ファンが木村を応援していた。
無論僕もである。
 

改めて木村一基をどのように表現すべきか。
「遅咲きの名手」というには、ちょっと違う気もする。
順位戦A級もタイトル挑戦も10数年前から数回経験しているし、
この10年以上、第一人者とは言わずとも十分に活躍してきた棋士である。

ちょっと他分野を見てみるとして、
サッカーだったらコートジボワールのディディエ・ドログバだろうか。
一部では高い能力に評価を受けながらケガ等の関係もあり中々日の目を浴びなかった中、
20代中盤にマルセイユからチェルシー移籍した後は世界トップレベルのFWとなった名選手である。
でも20代中盤ってのは早いと言えなくもないのか・・・

競馬だったら2000年代に活躍した「カンパニー」という馬だろう。
35戦12勝、
天皇賞秋、マイルCSと2つのG1を勝っている名馬だが、
特質すべきはこの2勝が彼が8歳の時の34戦目、35戦目(ラストラン)だった事。
G3,G2の勝利経験はあり充分な実力は認められながらも中々に運に恵まれなかった中、8歳で悲願のGI初戴冠、
無論JRA記録である。

麻雀界だったら文句なくこの人、近藤誠一さんだろうか。

近藤さんは30代中ごろと遅めのデビューを果たした中、
最高位戦のリーグ戦等では昇級を続けそれなりの成績を出していた物のタイトル等には縁がなく、
無礼な話をすれば「トップ選手とは認知されていない普通の選手」と長い間競技愛好家の多くは思っていた感があった。
実際に近藤さんが決勝に初めて進出した第8回日本オープン、
同じく決勝に残り本命と呼ばれた同期の村上さんに対して近藤さん本命と見る声は少なかったし、そこで村上さんが悲願のタイトル初優勝を果たしたことも両者の差をさらに広げた感はあった。
http://npm2001.com/nihonopen/8-nop.html
その近藤さんが打ち手として大きな花を咲かせ始めたのは、
デビュー後15年が過ぎ年齢も50間近だった時期の第37期最高位獲得からである。
これ以降最高位戴冠4回等の多くの実績を残し、今や押しも押されぬ麻雀界を代表する選手として知られている。
長く競技麻雀界を見てきたファンの多くは「遅咲きの大器」「中年の星」として近藤さんを応援する人が多い所以である。


改めて今日、
将棋界は「木村頑張れ」の声で一色だった気がする。

実際には周りの声援なんて選手にとって多少の励ましにはなれど、勝負の大きな力にならない部分が多い。
将棋のタイトル戦は個室で戦うのだからなおさらだ。
でもここまで一丸と木村ファンや木村ファン以外の多くの愛好家がその優勝を願う声を見て、
その声援が勝利を後押ししたのかもしれない、とドライな僕ですら思ってしまう。

将棋界には99回もタイトルを獲ってる羽生という怪物がいる。
彼は同じタイトルを19回連続で取ってたりする。
タイトルを7個同時にとったりもしたっけ。

どの分野にもそんな化け物がいたりして、
木村先生が記録の上でこれを回る事なんておそらくできないだろう。
多分今日勝った豊島名人にも記録の上では勝てないと思われる。

でも記憶の上ではどうだろう。
少なくとも幾人かの記憶の中で木村一基の名前が羽生や大山すら超えた、かもしれないw

多くの将棋ファンが歓喜したこの偉業に僕も酔いしれた一日でありました。
改めて木村先生おめでとうございます!
 

僕もこんな風にいつか勝った時に多くの人に賞賛される打ち手
勝つのは運が必要、
勝った時に賞賛されるには実力が必要、
勝った時にどれ位賞賛されるかがそのうち手の器量、

それが僕の考える競技麻雀の本質だったり^^;

2019年9月18日水曜日

麻雀中にトイレに行きたくなった場合について

「すみません代走をお願いします」

とある日にフリーを打っていた時の事だった。
俄かの腹痛に襲われた僕は唐突に代走を頼んでトイレに駆け込んだのである。
正直に代走を頼むのはあまり好きではないのだが(普段はリーチ代走以外は頼まない)、
これは致し方ない。
 

さて、
そんな中でちょっと思った事があった。
「競技中にいきなりお腹痛くなった場合」についてである。

リーグ戦は大きな問題は無い。
対局者に断って立会人に声をかけてトイレに行けばいいだけの話だ。
多少相手を待たせようが関係なく体調を万全に戻して卓に戻ればいいのである。
まあ放送対局の最中とかだと自分がお花を摘みに行ってるのがモロばれなのでちょっと恥ずかしい気もするが。

だが問題はリーグ戦以外の「時間打ち切りあり」の対局である。
自分がトイレに行くことで他の3人も含めた卓の競技時間のワリが食われてしまう、
対局によってはこれがロスタイムとして取られるケースもあるが無いケースも過去にはあった。
そしてその場合はトイレの為の離席に同卓者の許可が必要になるわけだ。(他社の時間のワリを食うため)

その前提を考えると基本的に時間打ち切りありの競技中は多少の我慢を強いられる事になる、
そして我慢が限界になっても同卓者に拒否されるともう対局放棄をする事になる可能性がある。
 

一般の人の感覚からすれば、
「そんなの同卓者が譲歩すればいいだけじゃん?」と思うかもしれないが、
そんなに簡単でもない側面があるのも事実。
あまり深く考えず相手を思いやって許可する人も無論いるが、
勝つ事を目的にやっている競技者の方々故、
「そんなのはあなたの自己責任であって自分がそれで不利益を被る所以はない」
という考えも当然なのだ。

トイレ以外にもこの手の問題はたまにあって、
過去にはリーグ戦にて
・交通機関の関係でどうしても抜け番を最後にしたかったAさんがそれを提案(仕事関係の為、不可となれば対局放棄するしかない状況)
・卓内のBさんがそれを拒否
・Aさん失格=休場
というケースをリーグ戦で見た事もある。
これに対して多くの人が「Bさんが悪い」とは思わなかった。
僕からしても彼は自分の権利を行使しただけと見えたし。

改めて同卓者のトイレにしても、
その人が10分とか籠ってしまう可能性が0でない、
そして規定に拒否権がある以上、
その行使は当然の権利ともいえる。

ただまあ、
生理的現象ゆえに「仕方ないな」で済ます人も多い一方で、
数年前にとあるタイトル戦で「同卓者のトイレ離席の拒否」を堂々とした人がいた。
それも拒否権を行使したのが美人人気女流として有名なAちゃんである事も話題になった。
トイレを拒否された新人の子は泣く泣く腹痛に耐え麻雀を打ったらしい。
可愛いルックスから想像できないほど競技にストイックなあの子らしい話だなあとか思いつつ、
なんか対局中に漏らしたりして無かったか心配になる話でもあるが、
まあ規定である以上は仕方ないという言うべきだったのだろうか・・・・
5分迄ならロスタイム取るとかの規定あげてもいいかもなあ、
とかその話聞いて思ったわけである。

そんな過去の事を思い出しながらトイレを済ませ卓に戻ったら、
代走が4000オールツモってくれてる、
トイレ抜けバンザイ、とおもった一日だった。
メンバーさんありがとう。
 

さて最後に余談。
そんな「トイレ離席拒否」のお話、
無論業界でちょっとした話題になり、後日の飲み会でもその話をしたのだが、
その場にいた男5人全員で「でもAちゃんに”トイレ行っちゃだめです”とかちょっと言われてみたい」という事で意見一致、
男ってバカな生き物だ・・・とつくづく思ったのでありました。

おしまい

※追記
この記事の出来事はかんなり昔の話です。
2019年現在は僕が知る限り全団体ともロスタイム制導入しているのでこの手の問題事項は特に起きないと思われます。
あしからず。

2019年9月17日火曜日

怒涛の3週連続対局とか、今週末の出来事とかについて

ツイッターとかでちょくちょく書いてたのですが、
この3週は3週連続対局でした。

8/31(土) RMUクラウン本戦1日目 ⇒ 勝抜け
9/1(日) RMUクラウン本戦2日目 ⇒ 最後の最後で負け
9/8(日) リーグ戦最終節 ⇒ 無事残留
9/14(土) オータムCS本戦 ⇒ 勝抜け
9/15(日) オータムCSベスト16 ⇒ 負け

トーナメントだけでもクラウンで1回、オータムで3回、
その他条件戦もクラウン2日目とリーグ戦でたっぷり、
なんというかここまで短期間に競技麻雀の醍醐味を堪能しまくれたのは、僕の競技生活の中でも結構珍しい事ですね。

クラウンもオータムももうちょっと勝ち進みたかったけど、
タイトル戦なんてただ一人の優勝者除いては最後は負けるわけですから仕方なし・・・・^^;
勝つ楽しさも負ける悔しさも存分に味わえた9月でした。
 

このまま次も、
と思うのですが、
雀竜位は12月のB級からだし、
ここからの約2か月は比較的オフシーズンに突入^^;
まあ連盟の王位戦とか出たいけど、
正直にタイトル戦は「勝ち上がるか否かで予定が変わる」って点で最近は結構出るのが難しいんですよね^^;
20代の身軽な時期は、出れる物は全部でてたのですが・・・・

ちなみに今週は僕が出た以外の競技大会でも色々ありました。

まず協会A2リーガーであり2016年の最強位でもある近藤千雄がスリアロCS9月度で優勝
https://twitter.com/threearrowsch/status/1172510739220828163

そして最強戦2019のプロ代表決定戦にて、
協会A1リーガーの仲林圭が優勝。
協会から水口・逢川に次いで3人目、雀王入れると4人がファイナル進出。楽しみ。
https://kinmaweb.jp/archives/83672

※昔書いた近藤の紹介記事
http://susumutakenaka.blogspot.com/2016/12/4.html
※昔書いた仲林の紹介記事
http://susumutakenaka.blogspot.com/2017/06/8.html  

なんというか、
古い付き合いの協会員がこうやって対外の対局で結果出してるとこ見ると、
嬉しいと同時に自分ももっと勝ちたいなあ・・・・とか刺激をうけますね。

そして一方で冒頭でも書いたオータムでは、
天鳳十段経験者として今年鳴り物入りで協会に入った新人の岩崎啓悟が優勝。
https://twitter.com/ClubNPM/status/1173562640720809984

まだ入ったばっかの新人の優勝ってのもまたそれはそれで刺激される・・・

天鳳十段経験者といえばうちには渋川難波がいるし、
岩崎と同じくオータムCS優勝経験者であり現A2の菊地俊介が有名どころだが、
彼もどんどん台頭してくるんでしょうかねえ^^;
ちなみに彼も本業はサラリーマンらしく、
しかも噂では東京で競技麻雀をするために東京への転勤を志願したとかしないとか。
※本当だとしたら凄いバイタリティーだ・・・
 

土日もどっぷり対局で「疲れがとり切れてない」って平日におもう事がおおかったけど、
その一方で自分の対局からも、他人の結果からも色々と刺激受けて、
なんか久々に凄い競技麻雀熱が上がった9月前半でありました。

雀竜位B級、今年は勝ってA級に返り咲きたい。
そしてその先の来期リーグ戦も含めて、
このオフシーズンでもっと麻雀磨くために勉強しとこっと。

僕も他人に刺激をもらいつつ、
後輩や先輩に刺激を与えられる選手でいたい、
これは長くやってる身であるがゆえのテーマですね。
ベテランになればなるほど周りに刺激を与えるのってむずかしくなるし・・・^^;

2019年9月10日火曜日

改めて第18期A1リーグを終えて

無事残留いたしました。
https://twitter.com/ClubNPM/status/1170674120134053889  

で、
先に今期の総括を述べとくと、
「自分の麻雀が迷走してしまった、と後悔している」
ですかね・・・

元々僕の麻雀に対する考え方って、
雀荘勤務とかしてるプロよりも麻雀に注ぎ込める時間が少ない(=打牌精度を保ちにくい)自分の生活環境の中で、
「ミスをしないのではなく、ミスをしにくい状況を作る」って考え方をベースに、
「競技で勝つ=良い成績を残す」って目的の為、
曖昧さを排除して、
攻撃的に、
全体的に出来る限りシンプルな戦略を、
って考えてきたわけです。

僕は堀慎吾の麻雀を「彫刻刀」ってたびたび表現してるし、
そういった物凄い繊細さを持つ人達相手に、
「自分に出来る裁量で勝つ可能性を模索する」
って考えていたわけですが、、、
 

実際に今期が始まった中で、
「このままじゃダメなんじゃないか」
って思ったのが鈴木たろうにボコボコにやられた第2節、

そもそもA1リーグで戦う事になる相手と言ったら、
自分が常々「天才的」と思ってきた方々。
毎年協会のA1リーグ放送を見てきた中で、
嫌というほど凄さを見せつけられた人達。
今年A1にあがった渋川とかもそのすごさは以前から散々に見せつけられてた。

それを考えて
「この人たちに勝つには自分ももっと細かい麻雀を打てるようにならないと・・・」って思い始め。

前に当ブログでも書いた通り、
好む好まざるにかかわらず人間の打ち方って常にぶれ続けるんですが、
http://susumutakenaka.blogspot.com/2018/03/blog-post_55.html
今期は相手にする人たちの凄さとか降級の恐怖とか考えてどんどん酷い方向に自分がすすんでた。
その徹底的なまずい状態に気づいたのが終盤第8節の当たりでしたかね。。。
「お前の良さが全く出てない」
ってとある人に指摘されたし、今考えると自分でもそう思った1年だったかと。
いや、そういったブレ幅の大きさってのも100%その人の実力なんですよ?
麻雀は1打1打の結果は基本的に運ですが、内容は100%実力ですし。
 

ただそんな中、
「もし来年残れたら自分の基本を思い出して、見直す点も見直してもっと納得いく内容で戦いたい」
と思いつつも、
それでも残れるかは神様の気分次第、と思い迎えた最終節。
まあ世間の注目は決定戦争いがメインになるし、
A卓(降級争い最前線)は地味な卓なんですが、
僕と小室の死闘が確かにそこにはあったわけでw

最終戦前までの概要ざっくり

 概要小室との差
1回戦南3時点で5000点位のラス目。
でもここで小室から5200直撃、オーラスも和了して3着、しかも小室ラス。
約100P
2回戦南1局時点で5000点位のラス目。
でもここから阿保みたいに手入ってトップ。
ただし小室2着。
約150P
3回戦「ここで小室を上回れば残留」とか思ったのに東場は小室が独走。
その後も全くあがれずラスだったけど南3で矢島が小室を捲り、かつ南4に4000オールあがれたのもあり、ラスだけど50P程度詰められるにとどまる。
約90P
4回戦ワシ抜け番。
「小室がトップ取らなければ残留ほぼ確定」と思って珈琲飲んで戻ってきたら小室5万点オーバーのトップ取ってる。
約25P

最終戦始まる前の条件、
16000点の3着までなら残留、それ以下だと降級の瀬戸際になる。
仲林・矢島・田内「おい武中、顔色悪いぞ」
(あんたらがさっき小室にトップ取られるからでしょうが・・・)

最終戦ハイライトは協会ツイッターにあるので端折りますが、
まあ南2局で20500点のラス目とかいうマジで危ない局面のなか、

三三三3 南南南(ポン) 657(チー) 發發發(ポン) ドラ 3

最後のツモ番で念願の3をツモって2000-4000。これで残留がほぼ決まり。
遥か昔に緑一色をあがった時の3タンキをちょっと思い出したw(あと同日にあがったカン3の三色も)

神様の気まぐれとでもいうべきシーソーゲームの一日に終わった後ぐったりしつつ、
その神様がもう1回チャンスをくれたのは素直に喜んばしかった。

さてこれからの半年、
ちょっと今の迷走をしっかり見なおして元の自分に戻しつつ、
それにプラスして今年自分に足りないと思った点をちょっと補いたいですね。
やっぱ基本方針はブラさずに、一方でもっと自分の中で相手の情報を高い精度で拾う力もあげときたい。
良い形で来年を迎えたいかな。

来年のA1リーグ、
あがってきたのは
松本吉弘
角谷ヨウスケ
吉田基成

言わずと知れたMリーガー松本のA1参戦で益々注目度も上がるだろうし、
雀王経験者の角谷が返り咲き、
雀竜位2回戴冠の経験者吉田が悲願のA1初参戦、
・・・・来年も吐きそうな面子だ(ーー;)
ただもう今更器用に相手に合わせようとか考えず、
自分の武器を100%活かして仮に負けるにしても後悔なく負けれるように頑張ります^^;

まあそれと、
もう一つ知ったのは
「残留したい」じゃなくて「雀王」取りたいって精神を保つ事の大事さですかね。
それ位に思わないと勝てないのかもな、と。
 

さて最後に話変わって、
今期の決定戦

ディフェンディングの金太賢に挑むのは
矢島亨
渋川難波
堀慎吾

「歴代の雀王決定戦の中でも史上最高レベルの麻雀が期待できる面子」
リーグ戦終わった後にご飯食べてた時にそんな話がチラッと出た、
僕も正直にそう思うくらいの凄い戦いになると予感させてくれる4人の戦いです。

日程は
10/12(土)
10/19(土)
11/2(土)
11/9(土)
是非皆さんご視聴ください。
※僕も多分どっかで解説(という名の勉強)をさせて頂く予定。

2019年9月6日金曜日

日本プロ麻雀協会の一年で一番長い週末について 2019 その2

さて前回の続き
https://susumutakenaka.blogspot.com/2019/09/2019.html  

今週末
・9/7(土) B2、B1、A2リーグ 最終節
・9/8(日) A1リーグ 最終節
いわゆる「日本プロ麻雀協会の一年で一番長い週末」、
そのA1リーグの展望をこの記事では書こうかと。

出来る限り客観的に。客観的に。。。

現在のポイントは以下の通り

・雀王決定戦進出は3名
・A2への降級は3名

そして最終節の卓組は以下の通り。

A卓
1 矢島 亨 333.9
6 田内 翼 96.6
7 仲林 圭 79.9
12 武中 進 -136.6
13 小室 勇人 -209.6

B卓
2 宮崎 和樹 271.1
5 阿賀 寿直 163.1
8 渋川 難波 42.0
11 須田 良規 -116.9
14 下石 戟 -299.3

C卓
3 堀 慎吾 269.7
4 鈴木 たろう 176.6
9 小川 裕之 -15.3
10 西村 雄一郎 -85.9
15 橘 哲也 -575.3

まず決定戦争いについて、
昨年は首位だった仲林が独走し、かつ残り2枠もほぼ3名(下石、宮崎、堀)の争いに絞られていたが、今年は少々混戦状態。

ただそんな中でやはり現時点で一番決定戦に近いのは首位の矢島、
ポイントもさる事ながら他の選手ほどはっきりとしたライバル目が同卓にいないのも大きい。(田内・仲林とも若干のポイント差はあるし、展開次第では両者が来期の期首順位を優先し決定戦を狙わない進行をする可能性もある)
昨年・一昨年は降級の瀬戸際での戦いを強いられた現雀竜位、久々の雀王決定戦が目前である。
※ちなみに矢島が雀王を取れば協会初の3大タイトル全獲得経験者(雀王・雀竜・日本オープン)になる。

残り2枠についても同卓者同士の争いがメインになる見込み。
B卓でしのぎを削る宮崎と阿賀、両者とも長く協会の第一線で戦うベテランである。ちなみに宮崎は勝てば2年連続の決勝。

そしてC卓でしのぎを削るのはMリーガー鈴木たろうと堀慎吾。
この二人の直接対決は長く協会等を通して両者を知る僕のような人間としては色々と感じる点が多い。
20年来の付き合いの二人であり、お互いの雀力を互いに認め合う両者、
ちなみに堀は最終節の卓組が決まった時にこんなツイートをしている。
https://twitter.com/elis0323/status/1161962771744874496

3年前に堀がA1に昇級した時、
彼は飲み会の席で「たろうさんと決定戦の舞台で戦えたら競技選手冥利につきる」と発言していた。
勝負の内容や面白さにこだわる堀らしい100%の本音だろう。

まあ、とりあえず現状での決定戦最前線は上記5名である。(無論田内・仲林・渋川が飛び出てくる可能性もあるが)
 

さて一方で残留争い。
まず橘がかなり苦しいポジションであり実質的には残りの降級2枠を下石・小室・武中・須田・西村で押し付け合う形と言える。

ただ中でも下石は自身の大勝はもちろん他卓の並びも必要であり「自力残留」は少々厳しい。
※昨年は金をギリギリまで追い詰めた準雀王が翌年にここまでの苦戦を強いられるのが麻雀の怖い所というべきか・・・・

その一方、西村は若干の余裕があり卓内にライバル目もいない。

要するに現実的には残り3人(小室・武中・須田)で最後の1枠を擦り付け合うのが濃厚な局面であり、特にその直対決となっているA卓がまさに残留争い最前線というわけである。
・・・要するに私の降級確率も大体33%位ってとこでしょうか。

統括として、
改めて各卓を見渡して「この卓が特に過酷」というのは無く、どこも皆がボーダーに向けて必死で争う展開になりそうな状況、と言えるのではないでしょうか。

さて9/8(日)11時より、場所は神楽坂ばかんす、
観戦自由です!
 

最後に毎年恒例なんですが、
勝負が終わった後だと悔しい人と嬉しい人がはっきりと別れて色々と声に出しづらい点もあるので先に。
今年も一年対局が出来た事に感謝します。

正直に初の大舞台と今までと比較にならないレベルの選手達との戦いに色々と苦しい思いをした1年だったのですが、
それでもやっぱり来年もここで打ちたいと思ってるし、
でもそれは他の残留争いしている人達にも言える事だし。

悔しい思いをする一日になるか、
嬉しい思いをする一日になるか、
人事をつくして天命を待ちますかね。

2019年9月4日水曜日

日本プロ麻雀協会の一年で一番長い週末について 2019 その1

さて毎年恒例、
日本プロ麻雀協会の通期リーグ最後の一日が行われる週末、
それがこの土日である。
・9/7(土) B2、B1、A2リーグ
・9/8(日) A1リーグ

「泣いても笑っても」の最終節、
やる方は胃痛、
見る方は最高に盛り上がるこの日について、
今年で3年目になる展望記事を書いてみましょうか。

ちなみに触れるのはA2, A1だけです。
興味ある方はB2、B1も協会HPで見てください。
http://npm2001.com/jannou/jannou-b1.html  

それではまずA2リーグの展望。(今回は自分の事は後回しで書きたい状況な故・・・
現在のポイントは以下の通り。

・A1への昇級は3名
・B1への降級は5名
そして最終節の卓組は以下の通り。

A卓
1 松本 吉弘 423.9
8 松浦 裕充 33.9
9 菊地 俊介 6.0
16 崎見 百合 -325.9
17 サイコロ太郎 -386.8

B卓 
2 後藤 哲哉 338.7
7 清田 力夫 86.5
10 鈴木 達也 -93.7
15 坪川 義昭 -302.6

C卓
3 角谷 ヨウスケ 289.9
6 千貫 陽祐 125.2
11 近藤 千雄 -106.1
14 木原 浩一 -231.8

D卓
4 吉田 基成 245.8
5 浅井 堂岐 193.5
12 藤田 拓郎 -185.5
13 佐久間 弘行 -199.0
 

例年の事なのだが、
A2リーグは人数の都合上、D卓が特に過酷になる。
実際に去年はD卓にて西村・崎見が最後まで昇級争いをして、西村が勝ち崎見が涙をのんだし、
この卓でポイントを伸ばせなかった矢島学が降級を喫している。

今年は昇級ラインの3位と4位のポイント差がわずかなのもあり去年と同様に過酷な状況、
その中で過去2回の雀竜位を経験している吉田基成が虎視眈々と初のA1リーグを狙いつつ、
対抗となる浅井がそれを争う立場となる。
一方でこの卓の残留争いが藤田と佐久間。
両者ともA1リーグ経験者であり1期から協会にいるベテラン、その生き残りをかけた戦いとなっている。

D卓と劣らない過酷な卓になりやすいC卓、
その中で昇級ラインにいる角谷も立場が非常に微妙。
千貫の追撃を抑えるのが条件だが他卓の事も考えるとある程度ポイントを伸ばさないとダメなケースも十分にある。
昨年に屈辱の降級を喫した元雀王、1期での返り咲きはなるのか?
そしてそれと同卓の同じく元雀王の木原は今年も大苦戦し降級の危機。
2人の元雀王の結末がどのようになるかが注目の卓ともいえるだろう。

一方でA卓、B卓
ここは比較的、立場が固まりつつある人が多い。
残留濃厚な清田・松浦・菊地あたりはある程度大きくたたくのを狙いつつも序盤は念のためにマイナスするのを避ける立ち回りになりそうだし、
大きくポイントを伸ばす必要がある坪川・崎見・サイコロはイチかバチかの勝負に出てくるだろう。

そしてA卓・B卓にて昇級ライン内にいる松本と後藤、
松本は大敗さえしなければOKの状況(序盤で決めてしまいたいだろうな)、
一方で後藤はプラスマイナス0であればほぼ行けそうな状況、
二人とも序盤のデキ次第で後半の立ち回りを考えてくるだろう。

世間から見れば、
Mリーガーの松本吉弘が来期A1への参戦を決めるか、ってのが一番期待されてそうな点だし、
まあ今のところその可能性はかなり高いポジではある。
もっともこういう時、当の本人はそんな楽天的にはなれず緊張しながら最終節を迎えるものだが^^;
 

A2開催場所は飯田橋の東南荘、
日にちは冒頭にもある通り9/7(土) 11時からです。
興味のある方は是非に。

あんまり書く気がしないがA1の展望記事に続く予定。

2019年9月2日月曜日

タイトル戦における真の負け組についての通説

タイトル戦って、
大体はベスト16位にすすむと翌年のシードとか、わずかに賞金とかもらえたりする。(まあタイトル戦によって異なるが)
「あと一つ勝てば決勝」って舞台にもなる中で、選手達もいよいよ高揚感が出てくるわけだ。
・・・まあ負けた時の悔しさは随一だが

ちなみに
・決勝で負けるのが一番悔しい
・決勝まで進めばある程度満足
この感覚は人によってちょっと異なったりする。
僕は前者かな。やっぱ決勝負けが一番悔しい。

そこから導き出される通説として、
本戦初日とか二日目あたりをフルで最後まで勝ち残って戦い抜いて、
最後の最後でベスト16に進めずに負ける当たりの人が、
タイトル戦における一番の負け組なんじゃないだろうか、
というのがあるのであります。
 

さて何が言いたいかと言えば、
先日8/31、9/1に行われたRMUクラウンの本戦1日目と2日目についてです。
私、両日とも6半荘をフルに戦い抜いて、
2日目の最後の最後まで結構通過できそうな手が入った中で、競り合いに屈して敗北したのでございます。

この2日間にて、

参加のための会場費、
カードは使えないので現金払い。

計12半荘戦って得た物、
疲労感と悔しさ。

終わった後の飲み会で見た勝ち上がった奴らの嬉しそうな笑顔、
プライスレス(ーー;)(ーー;)

・・・・二日間集中して疲労感半端ない中(昨日の酒も残ってるし)、朝から仕事にいそしむ会社員でありました。
次の日曜(リーグ戦最終節)は負けたら今日と比較にならない悲しい気分だと考えると、
翌日有休にしといて本当に良かった!?
 

とまあ悔しさを書きつつも、
別にタイトル戦なんて結局最後は皆が負けて悔しい思いするので(ただ一人の優勝者除く)、
いつもの事だしネガティブってわけでもないですがw

実際に楽しかったのも事実ですからね。
色々な人とお話したり対局出来たし、
タイトルの条件戦も久々だったけどやっぱ楽しい。

特にRMUのルールはウマが小さい=素点の重要性が高いので
本戦1日目の初日午後トーナメントも、
本戦2日目の最後のあたりも、
結構条件コロコロだったので今回はその醍醐味を楽しめた2日間でした。

条件満たすための強気プッシュ、
並び崩さない為のダマ、
脱落者確定をさせるための敢えてのダマ、
色々な局面ありましたね。

勝って喜び負けて悔しがるを2日間堪能して、
来週の最終節の前に良いメンタル管理の機会になった気もします!キリッ
※終わった後、下石と話してたけど「ぶっちゃけ来週勝てれば(残留出来れば)今日もオータムも負けてもいいかも」という本音もあり・・・・

さてベスト16には協会から
朝倉ゆかり、下石戟、森田朝日の3名が残っとります。
誰かしらが勝つのを協会員としてはやはり望む。

まあ個人的に付き合いの長い奴の誰かが勝つのはそれはそれで嬉しいけど。

でもこの男が勝つのはちょっとだけ嫌です。
新婚の上にタイトル戦勝つとかリア充にもほどがあるので。
https://twitter.com/rurika68/status/1166163442270494721  

最後に谷井さん・安達さん改めてご結婚おめでとうございます!
あんな麻雀バカでも嫁さんって見つかるもんだなしかし・・・・