今日の記事は第十四期雀竜位(現雀竜位)の吉田基成。
http://mj-news.net/mjpro/pd/2015100222791
つまりあと少々の期間が経てば雀竜位を失冠する=私に奪い取られる(予定)可愛そうな男です!キリッ
さて彼について語るに当り、
僕が以前にこのシリーズの記事にて鈴木たろうについて書いた時の記事を紹介、
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2016/10/1.html
僕は鈴木たろうの一番凄い所を「勝ち続ける事、強者と呼ばれ続ける事」と書きました。
実際僕がデビューした十年以上前に超一流と呼ばれ、今でも超一流と呼ばれ続けている人って、
協会なら鈴木たろう・鈴木達也あたりの数名、他団体を含めても10人いるかどうかです。
そんな中で誤解を恐れずに言うのであれば、
少なくとも去年までの吉田基成は
「一流と呼ばれ続ける事が出来なかった打ち手の一人」と言えるでしょう。
基成は8年前に第六期に雀竜位を獲得し、その勢いのままに同年の第三回オータムチャレンジカップを獲得します。
リーグ戦についてもストレートでB1リーグまでの昇級をこの翌年に果たし、
まさに「協会で一番勢いのある打ち手」「協会五指に入る」等と当時評価されていました。
しかしその後の彼は長いスランプ時期に入る事になります。
翌年の雀竜位失冠、そして期待されていたリーグ戦についてもA昇級はかなわずB2リーグへの降級や毎年の残留争い、
第六、七期に協会の最強候補と称された評価もいつしか風化していく事になるのです。
実際に数年後に彼が決勝進出を果たした第十二期雀竜位、
渋川・木原の評価に対して、吉田の評価はやはり一段見劣りした物でした。
・・・まあ勝ったのは新人の斎藤俊だったんですがw
さてそんな時期を経て迎えた第十四期雀竜位決定戦、
僕は決勝メンバーとしてこの戦いを迎えるに当って、
「客観的に見たら多分一番勝ちたいのは基成なんだろうなあ、、、」と思ったのは良く覚えております。
まあ自分も勿論勝ちたかったですが、
入会三年目で既にタイトル持ってて順調なプロ生活続けてる斎藤より(まあ前年が悪夢でしたが)、
既に協会トップクラスの評価を受け野口賞も前年度に取っている渋川より、
前年に勝ったけどそこまで中堅やってきた僕よりも、
一度受けた「一流」の評価をはがされて、それでもなお何年も麻雀プロを続けている基成、
その勝利の執念は一枚上なのかもなあ、と。
まあ執念で勝てるなら苦労しないのが麻雀というゲームなんですけどね。
麻雀プロを続ける上で覚悟しなきゃいけないのは、
「一度勝っても結局次はわからない」という事、
「勝利の美酒は滅多に味わえないし、味わえてもほんの一瞬」という事です。
そして一度あがった頂点から落ちてまたそこに這い上がるのは、
下から上るのよりも遥かに精神力を要する事なんですね。
だから多くのプロは降級を期に引退してしまうケースがある。
でも、それでも歯を食いしばって「復権を目指す中堅」ってのこの業界には多数いるんですよねえ。
でもそれは非常に困難で、しばらくしたら「そんな奴いたなあ」になってしまう。
だからこそ基成の成し遂げた事はけして簡単なことじゃないという事、
元々競技麻雀なんてドMじゃなきゃできない、基成はその中でも筋金入りのドMと推定される事、
皆さん覚えておいてください。
さて基成さん。
一年間お疲れ様でした!
この二月をもって雀竜位の看板は下ろしてもらう!
※決勝いけなかったら後日この日記に
「俺じゃない、うちの渋川がやる」
とかこっそり追記しとくか(--;)