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2018年7月28日土曜日

麻雀漫画について書いてみる⑱ アカギ 〜闇に降り立った天才〜

本日紹介するのは福本伸行先生の代表作でもある「アカギ 〜闇に降り立った天才〜」
近年に実写化・アニメ化もされており日本麻雀漫画史上でもNo1クラスの知名度を誇っている作品でもある。
そして今年2018年、ついに26年におよぶ連載が終了した事も大きな話題になった。

そもそもこの作品、
元々は以前に当ブログで紹介した福本先生のヒット作「天 ~ 天和通りの快男児」からのスピンオフであり、この中で史上最強の打ち手としてかかれていた赤木しげるの青少年期を描いた位置づけとなっている。
https://susumutakenaka.blogspot.com/2017/07/blog-post_24.html

ただまあスピンオフの方が「天」よりも連載期間も知名度も圧倒的に上回ってしまったがために、もはや「アカギだけ知ってる」って人の方が多数派かもしれないが^^;

さて当作品で有名なのはその異常なまでの進行の遅さである。
近年の福本先生の作風ともいえるこの「遅さ」はカイジとこの作品によって確立されたスタイルともいえるが(ぶっちゃけ読者としちゃ迷惑)、本作品はカイジ以上にそれが顕著だったといえる。

まあ近代麻雀オリジナルとゴールドの廃刊等による発行ペース変更や休載期間があったのもあるが、
なんせ鷲巣とアカギの決戦「鷲巣麻雀」は僕が高校生の頃から開始され、決着に20年の月日を費やしているという異常な展開、
しかもその20年の中で最終6半荘目は特に凄い。
・死にかけた鷲巣が地獄に行って鬼退治すること約1年
・最終戦オーラス、たった1局に約3年

と改めて活字にすると「なんで編集が苦情を言わなかったんだろう」といいたくなる有り様であり、最後はもはや「この作品を最後まで麻雀漫画として楽しんで読んでた人はいたんだろうか?」といわれるような作品となってしまった。

が悪名高いスロー進行ばかりが知られる一方で、
麻雀漫画としての面白さを間違いなくもっているから高い人気と知名度が出た、という点も無視してはいけない。

・中学生編
・ニセアカギ・浦部編
ここら辺は以前に「天」の記事でも書いた、福本漫画ならではの綿密な組み立て、それにアカギの天才性も上手い具合に絡められており、この作品が高い人気を博した理由がよくわかる。


肝心の鷲巣編も、1回戦、2回戦あたりはテンポもよいし見ごたえもあって本当面白い。
そしてそれ以降の超スロー展開後も麻雀の内容自体は本当に「良く出来ている」という点が多い。
そもそも手牌の一部が透けて見える「鷲巣麻雀」というルール自体が当時としてはかなり斬新な発想であり、それを考案した事自体が凄い。
そしてそのなかで生まれる戦術と心理駆け引きは随所に見ごたえがある。

全巻発行完了した今となって改めて、
20巻あたりの5回戦終了まではかなり面白く読める作品だと思うし、是非読んで欲しい。
・・・・こうやって改めて書くと最終6回戦とエピローグだけで16巻=物語の半分近くを費やしてるってのが凄すぎる事実である。僕もこの記事書くにあたって20巻ちょいで挫折したし、途中で投げた読者も多いだろう^^;
そういう意味で25巻くらいで終わってくれれば本当に「名作」と太鼓判押したい作品だった言える。
が、上記の通りけして「ただの超スロー展開」漫画ではない。そうでなければここまでの知名度は得られなかっただろう。
最後に、いうまでも無く麻雀漫画というジャンルの世間における知名度を高めた功績を持っている作品だという点も明記したい。

でもやっぱ、「名作だからこそすんなり終わらせて欲しかった」が多くのファンの感想ではないだろうか、という率直な感想で当記事を締めようと思う。

●まとめ:麻雀漫画について書いてみる
http://susumutakenaka.blogspot.com/p/blog-page_57.html