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2018年7月23日月曜日

萩原聖人のプロ雀士資格取得とMリーグ参戦について書いてみた(本音90%位)

何回も当ブログで書いてるが、
麻雀というゲームは実力と結果が必ずしも一致するとは限らない、
運の要素に結果が大きく左右される「不完全情報ゲーム」である。

だからこそ競技麻雀には大きな二つの思考傾向(潮流といういうべきか)がある。
・勝ち負けの結果が何よりも優先されるべき
・勝ち負けの結果よりも大事なものがある

どちらが正解かなんて結論の出しようがないのは当たり前、
でも僕が競技選手になってからの麻雀界のこの15年、
ギャラリーの多くはこの片方をもって競技選手批判して、選手側はもう片方をもって自己主張をする、そんな光景を何度も見てきた。

そしてここから更に言えば、麻雀プロという物に対する世間の意見も大きく2つに分かれる。
・競技選手は無価値な存在
・競技選手に価値はある

これもどっちが正しいかなんて結論は出せない話である。
そりゃたしかに「プロ=素人に負ける事が許されない」と考えるなら前者になるのだろうが、「麻雀のゲーム性をより深く理解してそれを戦略的に実戦している人」というのが無価値か否かというのも答えが出ないだろう。これはこちらの記事でも言及した「そもそもスポーツとは」という考え方もご参照を。
http://susumutakenaka.blogspot.com/2018/07/2018717m.html

ただ、この性質上どうしても「競技麻雀選手というのは一般愛好家のサンドバッグになる」という側面がある。
競技プロへのリスペクトとか好意とかよりもただ単純に「自分はプロを負かした」「自分はプロレベルの実力」と言いたいだけの人、
そしてそういう人にかぎり有事の際は「自分はプロじゃないから」と言ってくる、
つまり「プロって名義の逆利用」とでもいうべきか。
まあ別にそういう人を批判したいとかは無い。
それも楽しみ方の一つだとは思うし、
「麻雀プロはラーメン屋の主人」ってのが僕の持論であり、
麻雀プロを現時点でそんな高尚な物と思ってない。

ただそれでも一つ主張したいのは、
長くこの業界に携わっているからこそ、
「選手」として見える物や感じる物と、
「愛好家」として見える物や感じる物、
結構差があるという点です。
そしてそんな長い前置きから何が言いたいかと言えば先週末に大きくフューチャーされたこのニュースです。
『萩原聖人、プロ麻雀士の資格取得でMリーグ参加目指す』
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6290728

もう細かい話抜きにして、
まず僕の意見の総括は「第一期については萩原さんがMリーグに入るのは妥当」という物。
知名度的に全体に大きなプラスであり、実力的にもパフォーマーとして遜色は無いでしょう(超トップクラスと同等かと言われると僕の中では否かもですが)。

ただ不安というか懸念する点もあって、
それが上記に書いた通り「萩原さんは長く一般愛好家としてこの業界に接してきた」という点。

今回のMリーグ、その発足当初となるここ2,3年って、
多分業界のこの先数十年を大きく変える勝負になってくるのは、言うまでも無いでしょう。
萩原さんはコメントで「自分の麻雀人生の集大成」といった感を述べてますが、
業界としてはこれをようやくスタートラインに立ったという感が強いんですね。

ここで求められるのって、
各々の最高のパフォーマンスは勿論ですが、
参加する全21選手がお互いを引き立て合って最高のショーを届ける」って意識であり、
そこには「自分以外の全選手へのしっかりとしたリスペクト」って奴が不可欠だと思うのです。
特に麻雀だけではなく解説。
以前にも以下で書いたように、放送対局を「見せ物」として考えた時に解説の役割はある意味選手よりも大きくて、その役割をこなすのは高い知識と選手へのリスクペクトの両方が必要になる、というのが僕の持論です。
http://susumutakenaka.blogspot.com/2017/03/3.html

まあただこれは、
今回Mリーグに選ばれる全21選手について全員が持ってほしい点だと改めて明記したいです。
※まあ、そのレベルの人達は「今更お前なんかに言われるまでも無い」なんでしょうがw

麻雀プロは一人一人が「一国一城の主」であり、
それぞれの人がそれぞれの信念を持っていて、「自分が正しい」という前提がある。
その中で「相手は自分より上か下か」という意識は無意識にあるし、
そういった競争意識や価値観のぶつかりあいは業界をある意味では活性化させてる点もある。
凄い俗な言い方をすれば「自分は強い」と考えて相手を見下して優越感にひたる、この手の感覚無くして選手は強くなれないのかもしれません。
ヒューマニズムだけで強くなれりゃ苦労しない。誰でも名選手でしょ。

ただそれでも萩原さん含め(万が一萩原さんが選ばれずとも)、
今回選ばれる21人がこの業界の向こう数十年の夢を背負う事、
それを意識して全員がリスペクトを払いあって協力して面白いショーを届けてくれる事、
期待したいです。
スポンサーが払う巨額の金額に見合う物が得られなければ、
多分麻雀界はまた振り出しに戻ってしまう。
それは業界にとって絶対に阻止すべき事であり、その重責は計り知れないのですから。

なんかMリーグについてのかたっ苦しい記事が3個連続続いたのですが、
個人的にはそれ位に大きく期待しているイベントだと締めとしてもう一回書いときますかね。

、、、次の記事は久々に柔らかい事書きたいw