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1人の青年、哲也が麻雀において勝負師または玄人として成長していく姿や数多の玄人たちとの鎬を削る麻雀勝負など、哲也の玄人としての生き様を描いた作品である。
当時の若者達に「麻雀」という存在を大きく知らしめたその功績の大きさに疑問の余地はない名作、実際に「哲也を読んで麻雀を始めた」という麻雀プロの後輩を見た事もあるし、
僕も高校時代にこの漫画から麻雀漫画というジャンルの存在を知り、福本先生の「天」を読み始めたのが本格的に麻雀に嵌ったきっかけの一つだった。
そういう意味では麻雀プロへの門を開いてくれた作品ともいえる。
そしてこの作品は当時の世間を非常に驚かせた物でもあった。
というのも青年誌ではなく少年誌においてギャンブルのイメージが強い「麻雀」を題材にした作品が連載されるという事が、当時は考えられない事だった為である。
だがその新鮮さが功を奏したのかこの作品は編集の期待を裏切るヒット作となり、当時絶頂期だったマガジンの看板漫画の一つともなったのである。
、、、が、改めて読み返すと、やはり麻雀漫画と呼ぶべきかは疑問であるw
ストーリーは基本的に麻雀を生業にする「バイニン」の戦いであり、
麻雀ではなくイカサマ技を競う部分がメインになっている。
主人公も無論すり替えやツミコミを使いコンビ打ちといった様々な技を駆使するが、
それ以上に強烈かつイカれた技を仕掛けてくる敵達と戦い、
相手の技を看破できれば勝ち、看破できなければ負ける、そんな「もはや麻雀関係ないんじゃ」という戦いを繰り広げるのだ。
さて数多の敵の技でも特に印象的だったものがある。
その名も「七色ローズ」
参考までにこんなサイトもありました
http://www9.plala.or.jp/majan/mtk100.html
ローズとは麻雀でコンビ打ちの二人が相方に自分が欲しい牌を教えるサインである。
通常は指先のわずかな動きやしぐさでこっそり伝えるのだが、この技は思いっきり派手にやるわけだ。
狙いとしては「とにかく不自然な動きを混ぜまくる事により敵に自分達のローズを看破させるのを防ぐ」という物である。
、、、、が、この技には大きな落とし穴がある。
雀荘というのは仮に賭場だとしてもけして無法地帯ではない。
つまり基本的にイカサマやローズなんてご法度なのである。
仮にそれらをするとしてもあくまで他の客にも店にもばれないようにこっそり秘密裏でなければ意味が無い。この前提は例え終戦直後の手積み卓時代であろうと同じだろう。
というわけでもしもこの七色ローズを雀荘でやろうものなら
①勝ち負け以前に雀荘のオヤジにぶんなぐられて即刻出禁
②客全員から同卓拒否そして出禁
のどっちかだろう。
まあ今考えると、こんな技ばっかのトンデモ漫画だった。
我が団体の多田ひかりなんか「哲也で麻雀知ったから麻雀プロは皆ツバメ返しが出来ると思っていた」とか言っていたが、この漫画読んだらそう思うのもわからなくもないw
ただ最後に、変なポイントばっか取り上げたが話の流れは流れは良くできてるし、キャラも立っているので、普通に面白い漫画です。
興味がある人は是非に(*・ω・)