完全イーシャンテンという言葉が示す通り、
麻雀にて手牌進行をするうえでの定石の一つに、
「打点がある程度約束されている手はぎりぎりまで厚く構える」
というのがある。
例えば以下の手牌
五六③④④⑦⑧⑨23488北 ドラ ⑧
河に切れている枚数や好みにもよるが、基本的には北を切って手広く構えるのが有効だ。
どれを引いても打点はそこそこ待ちも良形である。
しかしドラが③だと勝手が変る
五六③④④⑦⑧⑨23488北 ドラ ③
こうなると、④切りのほうが安定する面が多い。
③を使い切らないとこの手の形は半分以下。
であれば後の切り遅れのリスクのほうが、④や8を引いて聴牌を逃すリスクより大きい。
このように「この牌を使い切らないとあがりの価値が大きく下がる」という牌があるとき、
形をある程度スリムにする先切りが有効になる。
典型的なのは上述のドラが絡むケース、
勿論手役が絡む場合でもこういった先切りが有効なケースは出てくる。
そしてフリーであれば大きく影響するのは赤牌。
祝儀Pが出てくる赤牌麻雀、特に赤牌が5000点以上の価値がある場では、
赤を使い切るための4,6牌先切り、これもいたって常套的戦術である。
が、、、、
先日フリーでこんな手牌に遭遇した。
東1局東家 配牌
五r五五六八八⑥⑦5r5南白発中 ドラ 北
赤2枚のタンヤオ手、
祝儀Pが5000点相当のこのルール、ぜひともあがりたい(できればツモりたい)
3巡目に出た五の4枚目をポンする。
そして直後の八もポンする
五r六⑥⑦5r5白 ドラ 北 八八八(ポン) 五五五(ポン)
うん、すごいあがれそうになった。
「早く聴牌しろ、、、」とか思っていた直後にツモ六で以下の形
五r六⑥⑦5r5中 ツモ 六 ドラ 北 八八八(ポン) 五五五(ポン)
手に残せば完全イーシャンテンである。
ただしこれを残して六や5が出たとしても、
ポンして聴牌にとれば五rをきらなくてはいけない。
打点は5800→2900、
それ以上に祝儀Pが1万点から5000点分、
なんて細かい数値計算すらせずにほぼノータイムでツモ切っていた。
それほどにこのルールでこの形だと赤を使い切る価値は大きい。
さらに言えば、ここで迷った後に手出し六とした結果、七が場に出る可能性が下がる事もある。いわば「キズ」というヤツだ。
「いくら何でもこの巡目だったら図太く進めていいだろう。別に六とか5が場に打たれても後悔しねーし!」
しかしそう考えて持ってきた次巡ツモを見て思考が停止する。
五r六⑥⑦5r5中 ツモ 5 ドラ 北 八八八(ポン) 五五五(ポン)
・
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しまった。
もしもさっき、図太く六を持っていれば
五r六六⑥⑦5r5 ツモ 5 ドラ 北 八八八(ポン) 五五五(ポン)
五rを加カンして赤2枚を使い切った上で⑤⑧待ち聴牌に出来たのである。
よくよく考えればこのケースを追えていた。
だが上述のように六で長考してしまうとマンズ四七の警戒度が上がってしまう点からノータイム処理を心がけていた点、
そして使い切りたい五rに加カンという使い道があるレアケだったのもあり、見逃していたわけである。
(先切りしない手もあったか(・・;)地味なようで珍しいケースかも)
とか思った。
そもそも最初のポンで堂々と赤含みで晒す手もあったわけだが、周りの警戒度を考えてしなかったのもある。
色々な意識を持ちすぎたがゆえに思いっきり聴牌を逃した事に改めて気づき、
「赤やドラの使い切りのための先切りは基本的な手筋だけど、こういうケースもあるんだな・・・」
とか思った一局だった。
まあちなみに、
次巡に⑥引いて⑦切って、その次巡に七ツモであがりましたけどw
五r六⑥⑥5r55 ツモ 七 ドラ 北 八八八(ポン) 五五五(ポン)
ピンズが場に高かったのもあるし、
ひょっとしたらピンズの場合、あがれなかったかもしれない。
でもカンしたらカンドラがごっそり乗って、ひょっとしたら嶺上に⑤とかいたかもしれない。
真相は闇の中ですけどね。
最後に皆さん改めて、
こういう見落とし減らすためにも、普段から色々なケースを想定しましょうね!
僕も気を付けます^^;