今月はメンチンに何かと縁のある月だった。
ツイッターにてとある近代麻雀の何切る(女流アンケート)について所感を述べたら、
同協会の愛●よしえに「だからモテないんだよ!」と怒られ
前回記事にて「ギリギリ条件戦での複雑形メンチンしんどいから天和とか入って」とか書いたら、
「麻雀プロがしんどいとか舐めてるのか!」と連盟の白鳥翔さんに叩かれる始末
そしてフリー雀荘ではメンチン表3裏3赤1の数え役満に放銃
※一部フィクションです。
ちなみにちょっとツイッターでも書いたのですが、僕自身はメンチンは得意分野。
逆転条件下でメンチンしくじって負けるのはやっぱやりたくないし、トレーニングも結構した。
ただまあ厄介だとは思うところはある。人間だものw
だってメンチンより天和の方が楽じゃん。
というかそもそも僕は親で配牌取るたびに「なんで天和じゃないんだ!ついてない!」と思って麻雀打ってます。
・・・・さすがに99%の部分は嘘です。でも一部ホント。結局麻雀ってそういう部分のあるゲームだし。
さて、
せっかくなのでちょっとメンチンについて思う事をもう一つだけ書いてみる。
あくまで私見。そう私見。
まず結論、
「全体的傾向として、今の麻雀プロって10年前の麻雀プロよりメンチン理解力が低い人が多いかも」
と思う。(あくまで全体平均レベルの話)
この理由は以下の通り
◎実はメンチン複雑系多面待ちというのは”発生頻度”は低いレアケースである事
→ 麻雀にはもっと発生頻度が多い物、つまり全体勝率を上げやすい効果的な要素が存在している事
→ 現在は昔と違ってその手の重要要素にスコープをあてた「効果的な情報」がゴロゴロある事
→ 超複雑形等、レアケースへの理解力を高めるような情報が軽視され減っている事
これがあげられる。つまり環境の問題。
もうちょっと具体的に言おう。
今のご時世はネットを見れば麻雀を上達するのに有効な情報はゴロゴロしてる。
ツイッターなどを通せば簡単に実践的な情報に対する意見を結構有名なプロからもらえる。
対局動画も色々と世間にあふれている。
つまり「麻雀打ちの上達に役立つ情報」というのは量も多ければ質もよく更新スピードも速い。
よって有効度の低い情報というのが結構切り捨てられて来ているのである。
一方で15年前はどうだったかといえば
もっと情報の量は少なくて刷新のスピードは遅かった。
プロの対局なんてせいぜいモンドくらいでしか見れなかったし、
その他の情報と言ったら、一部ネットもあったが今より規模は小さく、主には近代麻雀や月間プロ麻雀といった雑誌媒体だった。
「得られる情報」はごく僅かだったわけである。
そんな中で多くの競技麻雀愛好家が好んだのが
「麻雀漫画」「麻雀パズル」だった。
特に後者の麻雀パズル、
当時競技プロになった人の多くはこれを解いただろう。
そしてこれは正直に言えば実戦に直接役に立つかは疑問の代物だった。
最近ちょっと話題になってる「牌効率問題」と同様かもしれない。
例題
※いずれもフリテン不可
①
現在手牌13枚、どれを切っても役満聴牌である。
この牌姿を2パターン提示せよ。(両パターンの役は別である事)
②
現在5面待ちで聴牌である。
これがとある牌を引いて2面待ちになった。だが待ちの枚数は同じだった。
そしてまた違う牌で待ち換えをした結果、今度は2面待ちより待ちの種類も枚数も増えた。
この牌姿を示せ。
※正解は当記事の一番下に書いておくので知りたい人はどうぞ
実戦ではこんなケース、まずお目にかからない=ほとんど役に立たない。
だが一方でこういった問題を解いていくと、麻雀の数理的な牌理や複雑形へのアプローチへの基礎能力は高くなるのだ。
めったに出ない複雑形、
それが生まれる牌理、
情報の少なさ、更新の遅さゆえにこういった実戦的でない数理的なロジックに触れる機会が多い、
それが当時だったわけである。
実際に多くの選手がこの手のパズルを解いた。
それらを作る人たちも、牌理に対する知識をフル活用して今までに見たことが無いようなものを考えたりしたわけである。(僕も仕事依頼で作ったりもした)
それゆえに複雑形にも当然強い人が多かった。
だが現在この手のパズル問題を見る機会は明らかに減っている。
無論今でも好きな若手はいるかもだし、触れる機会もあるかもだが、麻雀プロを含めてこれを嗜む人はかなり減ったのではないだろうか 。
新人には「解いた事が無い」という人もいるくらいだ。
まあ当然だろう。
上記の通り現代ではこんな非実戦的なアプローチをせずとも、
もっともっと少ない労力で手軽に勝率を上げやすい情報があふれている。
「麻雀漫画を読んだことが無い麻雀プロ」だって最近はいる。
軽視されても無理はない。
ただそれでもこういった情報、それにより培った能力、これは強い力になるのも事実、
これも多くの競技選手には知っておいて欲しい所である。
そもそも競技選手は麻雀の専門家であり、
そこに求められるのはぎりぎりまで洗練された技術である。
役に立つ機会数が少ないスキルだろうとできる限り身につけるべきであり、
どんな「レアケース」であっても、それを冷静に処理できるスキルは大事なわけだ。
ましてやメンチンのような「実入りが大きい」「逃せない」というも物に対してはなおさらである。
僕自身はそういったスキルの重要性は承知してるつもりだし、その為の鍛錬はそれなりにしてきたつもりだし、自信もちょっとはある。
そんな前回の記事の流れで書いてなかったその点についてちょっと補足しときたいと思ってこの記事を書いた次第であった。
そういえばちょっと前、
とある後輩に「麻雀を教えてください」と言われたことがあった。
僕はその時
「じゃあとりあえず1面待ち、2面待ち、3面待ち、、、9面待ち、これ全部作ってみて」
といった。
けして意地悪とかじゃなくて、
こういった基礎力の大事さを知ってほしかったのがある。
1面待ち(単騎)
2面待ち(両面)
そして3,4,5あたりは作れたが、6面待ちから悩み始めるその子を見ていたが、
やがて諦めたのか「そんな事よりこの手から何を切ったらいいですか?」という質問へと切り替わったのである。
「うーんやっぱ時代の違いかな」と感じた一日だった。
ちなみに最後に先ほどの例題の回答例を
①
22224444888發發發
23東東東南南南西西西北北北
②
3334445666777 :34567待ち 計7枚
1333444666777 :12待ち 計7枚
3334446667778 :6789待ち 計9枚
実戦では役に立たない知識なのだろう。多分。