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2018年2月23日金曜日

宮内こずえさんの本の話題から、ちょっと思いだした「デジタル」の昔話

日本プロ麻雀連盟の宮内こずえプロの戦術本「手なりで勝つ!宮内こずえの牌効率完全マスター」




その中で以下の何切るがちょっと話題になっている
二三四五八八③④④⑤6789 ドラなし

まあ本の中ではここから牌効率での④切りが推奨されている中で、
ネットにて否定的な意見が結構飛び交っているわけだ。

詳しくは以下、福地誠さんのブログをご参照

http://fukuchi.cocolog-nifty.com/blog/2018/02/post-f620.html

まあこの本を僕は読んでいないので本自体の趣旨は良く知らない。
よってもしも「あくまで牌効率枚数についての正解を追求し、その知識を深める」というテーマの本なら正解だろう。が、実戦だったらさすがに宮内さんも9s切るんじゃないだろうか。

「牌効率枚数の問題」ってヤツは実戦での何切るとかけはなれた答えになるのが多いという点は、麻雀プロにとっては結構常識である。
たとえば僕がプロテストにて一番よく覚えているのが以下の問題。
どの牌が一番聴牌枚数が多いか?(複数回答可)

一一二三三五⑦⑧⑧789中中 

この時回答用紙に「⑧と五、枚数同じ」と書いて
終わった後、家への帰路にて「あっ!正解は一だ!」と気づいた。
この時まだこの手の問題になれてなかったゆえに、平面何切るだったらまず選ばない選択肢であった一は思考になかったのである。


さてちょっと話を変える。
「牌効率」、この単語は15年ほど前の「デジタル全盛期」に凄い使われたイメージが個人的にはある。

この時、最強位の長村大さんや片山先生の漫画「牌賊!オカルティ」の影響で、
多くの若手が「牌効率」といった単語に魅かれ、先手好形を主体とした戦術に重きを置き、「デジタル」を自称していた。(僕もそうだったw)

ただ2018年現在、
「デジタルを自称するプロ」というのはほとんど絶滅種、という位に減少している。
※小林剛さんとかキャッチの関係でデジタルって呼ばれてたりするけどw

これには様々な理由があると考えるが、
特に「デジタルという単語の定義自体が曖昧で、世間から勝手なイメージを押し付けられる事が多かった」、が大きいと個人的には思っている。

そしてこの誤解イメージ、
最大の理由は当時多くかかれていた麻雀漫画、そしてそれに登場するデジタルの打ち手達、だったのでは、と考える。
Twitter等のネット媒体もまだ少なかった当時、
一番影響力のあった麻雀情報媒体において多くの作品にて打点をほぼ無視して「トータルで見たら非効率的」な打ち方が繰り返された結果、これによりとにかく「デジタルとは先手と牌効率」という間違ったイメージが世間に浸透し、あげくには競技選手の中でもその風潮が出ていたりした。

これによりデジタルという単語を使うと世間で勝手なイメージを付けられる事が多くなり、それを嫌がる打ち手が出てきた訳である。
実際に小倉孝は「デジタル」という単語だと誤解を招きやすいので、「シンプル」と自分の麻雀を自称していた。(この気持ちは本当によくわかる)
鈴木たろうはとある研究会で「得な事するのが”デジタル”であって、受入枚数だけの問題じゃない」と苦言を発していた事もある。

近年の打点思考のブームに伴い、
最近では「デジタル=牌効率」という考えも消えた、というか上述の通りデジタルって単語がほとんどプロの間では使われなくなったイメージが強い。


ただ宮内さん本人の意思は別として、
上述の問題を見てちょっとそんな昔の「デジタル全盛期」を思い出したりした訳である。
本の趣旨とかが興味あるからちょっとこの本見てみようかな・・・・

ちなみに僕の中で「正しいデジタル」として描かれている一番解り易い例は、
「打姫オバカミーコ」に出てくる「デジミユ」である。
このキャラ、本当にもっと早く出てほしかった。(詳細は下記参照)

https://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/03/blog-post_31.html