第17期新人王戦、
佐治敏哲が最終戦オーラスでの18000直撃により大逆転、
ラストチャンスでの戴冠となった。
https://twitter.com/ClubNPM/status/993105578418294784
佐治の麻雀は解説の小川裕之が「古き良き昭和の競技麻雀」と称したように、
とにかく堅い守備と手役思考に基づく我慢の麻雀という印象が強い。
そういえば数年前に彼の麻雀をとある対局で後ろから見た時に、
新人ながら競技慣れしている事が明らかだったその打風を見て、
思わず「どこかの店で働いてるの?」と聞いた事もあったっけ。
僕が大学時代に足しげく通ってた仙川オレンジハウス勤務と聞いてさらに驚いたのだったw
まあ彼の凄さや特質すべき局については近日中に観戦記にて書かれると思うので、
ちょっとこの記事では僕からの別視点を書いときたい。
※なんせ優勝した人には特に気をつかう必要もないしね!w
正直に書けば今回の決勝面子を聞いた時、
「佐治の優勝は難しいのでは」と思ったのが本音である。
彼の麻雀は上述の通り高い守備意識がベースとなっている。
だが「決勝」という特殊な舞台においてはそれが足かせになる事が多いのは、当ブログで何回も書いてきた点である。
それこそ昨年の新人王である中月裕子のように、中途半端を拒否する攻撃姿勢の方がかえって栄冠を勝ち取りやすいのは決勝のシステム上事実、と個人的には思ってたりする。
実際に最終戦南3局、
高い守備意識や打点思考により何度も聴牌を取れる局面を見送った行為、
「我慢」とも取れる一方でそれが細かいリードの蓄積を松崎に許した、ともとれる。
オーラスの18000直撃がもしも6000オールツモだったら次局の松崎の条件は十分に現実的だった点を考えると、
その固い打ち方が敗因となる事だってありえた。
つまり最終戦だけを見てとれば佐治にだって緩手はあったし、松崎の内容だって悪い物だったとは僕としては思ってない。
松崎について言えばとにかく最後のリーチが強く取り上げられそうだが、
彼の攻撃的スタイルがあったからこそあそこまでのリードを作れた点は無視できない。
4回戦オーラス、そして最終戦オーラス、どちらかで最後の1牌が彼に舞い降りれば勝負は決まってただろう。
去年の中月にはそれが来て、彼にはこなかった。
それだけと言えばそれだけの差と取れなくもない。
改めて、
僕は守備的な打ち手の多くが「大きなミスもないのに負けた」といった類の発言をするのがキライなのである。
そして個人的には松崎のような「自分の手で勝負を決めに行く」というスタイルは好みだw
それは負けた時に「自分の意志とミスにより負けた」とはっきり言い切る事が出来るからである。
そこに至る彼の決断や意志を外野がとやかく言う筋合いもない。
今年の決勝を見てて一つ思い出しのは、
第11期新人王の最終戦オーラス、
奇しくも昨日の解説でもある現Aリーガー小川 裕之が優勝した年だ。
http://npm2001.com/shinjin/11-shinjin.html
この時オーラスを迎えてトップ目に立っていたのは関西の女流である涼宮麻由、
4回戦までに小川と開いていた60P近い差を南3局の親番で一気に捲り、逆にオーラス突入時には1万点近いリードをつけていた。
が、ラス親の阿部のリーチに対して自力での決着を試みて立ち向かった彼女を待っていたのは非情な現実だった。
http://npm2001.com/shinjin/haifu/11-5-n4-0.gif
終局直後に彼女にかける言葉が何も浮かばなかった。
「降りれば良かった」なんて言うのは簡単だが、
最終局に親の阿部が諦めずに戦い続けるとなると、涼宮の優勝は自力決着がほぼ9割となってくる。
となると局を重ねるほど小川の条件が緩和されていく可能性もあるし、十分形聴牌が入る局面だってこの先いつ来るかもわからない。
彼女の英断にただ最後の1牌が答えてくれなかった、
その残酷さを目の当たりにしたシーン、
同時にギャラリーの無責任な発言が選手として腹立たしかった事も鮮明に覚えているシーンである。
「勝負の神様は不平等」
数年前、そして今年のオーラス、
そして表彰式で言葉を絞り出す松崎の姿を見てそれを思ったのだった。
ただまあ11期の時の小川といい、
今回の佐治君といい、
最終戦はともかくトータルでのクオリティって意味ではやっぱり競り勝つに足る内容だったというのも本音ではあるけどね。
最終戦だけで勝負は決まらないのです。
改めて選手の皆さんお疲れさまでした。
やっぱり決勝というのは何度も見ても面白い、それを思わせてくれる内容でした。
興味のある方は以下よりご視聴を是非^^!
https://freshlive.tv/threearrows-ch/206375
余談
新人王の激闘を観戦後の須田良規のツイート
新人王って第一期からありますけど、、、、
というかあなたと私が最初に出会ったの第二期新人王戦の後の飲み会ですけど、、、、
当時飲み会の席にいた約15人程度のメンツの中、
やたらとテンションが高くうるさい眼鏡の男がいて
『変わった人ですね・・・』
「東大出身だよ。あの人」
『ファッ!?』
なつかしい