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2018年10月8日月曜日

昔効果的だったトレーニングが今も効果的とは限らないというお話

3連休、
家で何気なく将棋棋士の羽生善治大先生のインタビューを読んでいた。
https://toyokeizai.net/articles/-/237722

この中で特に興味をひかれたのが、
"若手の棋士には「詰将棋は技術の向上にはあまり関係ない」という意見もあります"
という点。

「詰将棋とは?」の説明は本記事では特にしないが、
麻雀で言えば「何切る問題」
野球で言えば「素振り」「投げ込み」
まあ要するに基礎的な能力を高める為の効果的なトレーニングとして、
古くから業界に浸透してきた手法である。

この効果を否定する声が(どの程度かは知らないが)近年の将棋業界で起きている、というわけだ。

がこの理由は客観的に見ると最もでもある。
その業界で古来より行われてきたトレーニング方法が現在も効果的と限らない理由は主に二つ

●理由1 技術の進化により従来よりも効果的な新しい方法が出てくるケース
上記事内にて羽生さんがこれについての見解を述べている(一部当方の解釈を追加)

「例えば一昔前はうさぎ跳びが一番効果的なトレーニングだった。
他に良いものもなかったからうさぎ跳びを皆していた。
それ技術進化や器具の発達が起きると、もっと効果的な方法が出来るのは当然である。
それでも旧来のやり方に拘るのは明らかに非効率的ではある」

まあ将棋で言えば、
現在はネット対局、SNSでの情報交換、何より最先端AIソフト、
こういった物を使った効果的な勉強方法があるのに、従来のようにひたすら詰将棋をとき続けるのが一番良い方法か?と聞かれれば否なのだろう。

●理由2 従来のやり方がそもそも効果的で無い事が科学的検証で判明するケース
これについてはかって巨人軍でエースピッチャーだった桑田真澄の以下記事も参考までに。
「がむしゃらに頑張るのはムダ」元巨人・桑田真澄氏が断言する理由
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180727-01494443-sspa-soci

記事を要約するなら
・小学生の時からコーチの指導法(殴る、とにかく見切りなく長時間練習する 等)に疑問があった
・メンタルも互角の勝負では必要だが、まずは互角以上の技術と体力を目指した合理的なアプローチが必要

といった物である。
野球業界では桑田意外にも旧来の精神論を科学的視点で否定し、功績を残した先駆者がここ20,30年で何人も居る。(立花龍司とか石井一久とか)

またこの中で桑田も「スマホ等の道具の進化に合わせて道具の進化に合わせて、指導もより進化させることが出来るし、する必要がある」と理由1についても言及をしている。

さてこれらの話を通して、「麻雀のトレーニング方法」ってヤツについてもここ20年位を振り返ってみるとだいぶ大きな変化があったんじゃないか?と思ったりもする。

今から20年前となると、
一個人が得られる麻雀の情報なんて、
今よりもっともっと少なかったしその情報鮮度も低かった。

一般的に販売されるプロが書いた麻雀書籍、
定期的に入る情報は近代麻雀、月刊プロ麻雀といった書籍くらい、
そして麻雀を打ちたいなら基本的には雀荘に行かねばならなかったし、フリー雀荘も今に比べて圧倒的に店が少ない。
こんな状態である。

それが今やネットで毎日ほぼ最新の情報が手に入る、
誰かと意見交換もネット上で手軽に可能
麻雀が打ちたければネットでも可能。自分の牌譜を後で見直すことも出来るし、ネット通話を使って検討会もできる。

まさに至れりつくせりである。
将棋でも野球でも麻雀でも「自分達が今までやってきた勉強方は効果的である」と盲目的に考えるベテラン指導者は多々居るようだが、
麻雀界について言えばこれだけの環境変化を前に20年前の勉強方法が今でも”一番効果的”と考えるのは論外だろう。

実際に20年前の主な勉強方法といえば
・何切る
・麻雀パズル問題
だった。

何切る問題、
昔に比べてだいぶ見る機会も解く人も減ったように見える。
昔は近代麻雀の各ページの下にちっちゃい何切るが書いてあって、友人とその正解についての討論をした事もあった。
今じゃその代わりにRTDとかを見て、解説とかを元にそれに類似した勉強をしてる人が多いのだろうか。確かにより実践的にも思える。

麻雀パズルもはや勉強方法としては絶滅の危機にあるともいえそうだ。
まあ確かに実力向上というやつに寄与する効果は薄いかもしれない。
「手牌14枚どれを切っても役満聴牌になる牌姿を答えろ」
「現在1フーロしている。高めが役満、安めが2000点の、、、、」

情報スピードが遅かった時ならまだしも現代だったらこれに頭を使うくらいならネットで麻雀打ったりそれをベースに友人と牌譜検証した方がはるかに効果的だろう。
ただこの手の問題も解くことで養われる能力があるのも事実で、個人的には競技選手とかは完全な毛嫌いはせず知識の一つとしてやっといたらどうだろう、と思っている。
「6面待ち、7面待ち、8面待ちを作れ」
こんな超初歩的パズル問題でも結構解けない若手とか見ると、時代の流れを感じたり。

まあただトータルで考えると20年前は勉強への色々な誤解も多かったのも事実。
たとえば「上手くなりたければ上手い人の麻雀を後ろで見ろ」という格言、
これはもう個人的にツッコミどころが多数ある。(絶対的に間違い、とまでは言わないがw)

そういや昔
「彼氏が私の師匠なんですが、彼の指示で1年間麻雀を一切打たずに彼の麻雀をひたすら後ろ見だけする時期があったんです。おかげで凄い勉強になりました。」と飲み会で言ってた女の子がいて、
武中さんいつもどおりに素で「彼氏のせいで大事な時間を一年も無駄にしたのね、、、」と言って号泣された思い出もあったり。





そろそろ総論へと進もう。
麻雀界に限らず色々な業界では「古くからの勉強法」というのがあって、
業界に古くから居る人ほどそういった物の重要性を説くケースが多い。
たしかにその人たちはその方法で強くなった事実もあるかもしれない。が科学技術が進化し続ける中、勉強法というヤツも常に進化をする可能性があり、結局専門家はそのトレンドも知らねばならない。
羽生さんほどの人がその大事さを説いてるのだから、我々下っ端はもっとである。
が、一方で従来の方法が持っている効果的部分のエッセンスも構成に上手く伝えるのが我々の使命、とも思うわけであった。

さて、そんなエッセンスを伝えるために思うところとして、
「何切るって意味があるのか?」という点、昔から麻雀愛好家にて議論され、個人的にも質問をされてきたテーマである。
これについてちょっと思うところの記事へと続く。

気が向いた時に書く予定なのでいつになるかわからんが^^;