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2022年10月2日日曜日

打ち手の体系的評価2(協会Mリーガー4人)

 いよいよ来シーズンのMリーグが明日10/3(月)に開幕となるのですが、
このブログ読むような競技麻雀ファンの人ならご存じとは思いますが、今期より日本プロ麻雀協会からは以下4人のMリーガーが参戦予定です。

①渋谷ABEMAS 松本吉弘
②KADOKAWAサクラナイツ 堀慎吾
③KADOKAWAサクラナイツ 渋川難波
④UNEXTパイレーツ 仲林圭

というわけで、
唐突ではありますがこの4名について、前回記事で鈴木たろう・多井隆晴を評価したのと同様に、
・絶対値レーダーチャート
・バランスグラフ
・総評
で評価をしたいかと。

ちなみに前回記事同様に僕の完全なる一方的な視点から書いております。
よって苦情などは特に受け付けません。(本人から苦情あったら変えるかもしれませんw)



①渋谷ABEMAS 松本吉弘

【絶対値レーダーチャート】

前回記事にも書いてますが、
各数字を最大値10で評価しており、基準としては以下の通り。

  • 6:選手として標準的
  • 7:選手として上位
  • 8:トップレベル
  • 9:ほぼトップ
  • 10:特別値。基本は設定しない。

※メンタルを追加しました。緻密さがあればいいか、とも思ったのですが切分けしたく。

パラメータ数値(0~10)
攻撃スキル9
防御スキル8
状況把握能力8
山読み8
緻密さ8
対人要素8
カリスマ性9
メンタル9

、、、当たり前といえるかもしれないが、

今回紹介する選手レベルになると基本的に全項目8以上になります。
というかトップの選手って大体似たり寄ったりになるんですよね。(ゆえに色々な選手のデータを作ろうとしたけど、途中で止めてしまった過去もあり、、、)

【バランスグラフ】


以下の通り±で打ち手の傾向を分析
  • 攻撃or防御:+攻撃主体、-防御主体
  • 打点or手数:+打点重視、-手数重視
  • 面前or鳴き:+面前重視、-:鳴き重視
  • 数値or読み:+読み重視、-:数値重視
  • シンプルor複雑:+シンプルな判断多、-:細かい判断多
  • 直球or変化球:+自分中心型、-:他家ケア型


【総評】
シンプルな進行が多いバランスタイプ。様々状況において無理・無駄のない選択およびその精度は文句なく協会トップクラス。
またMリーグ創設期からの選手であり20代にして大舞台を多数経験しているゆえ、今回紹介する選手達で唯一カリスマ性、メンタルを9に設定。

あと今回の評価値には表現できていないが、彼についてもう一つ特筆すべきは「変化性」。
超コアな松本ファンなら知ってるかもしれないが、彼は初めて發王位をとった20代前半から今に至るまで、手数・打点や攻撃・防御といったバランスチェンジをしており、トップクラスの選手中では異例ともいえる特徴である。
まだ30歳という年齢も加味して、今後の姿がまるで想像できない選手。上記の絶対値レーダーチャートの数値も数カ月後は激変してるかもしれないと言える。




②KADOKAWAサクラナイツ 堀慎吾


【絶対値レーダーチャート】


パラメータ数値(0~10)
攻撃スキル8
防御スキル9
状況把握能力9
山読み8
緻密さ9.5
対人要素9
カリスマ性8.5
メンタル8

【バランスグラフ】


【総評】
このブログで過去数回彼を取り上げた時に記述してるが、
常人の遥か上をいく多くの情報を内包して、常人のはるか上を行く戦術の引き出しを用いて繰り出す彼の麻雀スタイルをそのきめ細かさと繊細さから僕は「彫刻刀」とか「緻密流」と呼んでいる。(悲しい程流行しないのだが、、、w)
実は「彼のファンって彼の麻雀をどう見ているのだろう?」というのが結構疑問に思う点だったりする。細かすぎる彼の麻雀が世間でこんなに評価されているのは実は結構意外(無論実績あればこそなんだろうけど)。

昨年サクラナイツを優勝に導いた原動力であり、決勝での起用回数の多さはチームの彼への信頼の厚さも十分にうかがえるものだった。
今年もその活躍は大いに期待したい所。




③KADOKAWAサクラナイツ 渋川難波

【絶対値レーダーチャート】


パラメータ数値(0~10)
攻撃スキル8
防御スキル9.5
状況把握能力9
山読み8
緻密さ9
対人要素8
カリスマ性8
メンタル8

【バランスグラフ】


【総評】
現雀王様。
正直に、、、今回の選手たちの中でも評価が一番難しかったのが彼。
この男の麻雀は情人離れした緻密さと高い守備意識で構築されている点は事実なんですが、、、一言でいえば二面性が凄まじい
局前半では信じられないような大胆は打点構想を見せたかと思えば、中盤以降はあっさりとした見切りの仕掛けを入れたりとか、
こういったスイッチの切替は強い打ち手ならだれでも持つべき重要な要素なんですが、彼はとにかくそのOnOffの差がすごい。局面次第でいくつかの要素が-3~+3になったりするように見えるものすごい異質な選手。

堀慎吾も異質だけどこの男も別の意味で異質、
こんな二人を抱えるサクラナイツってある意味とんでもないチームかもw




④UNEXTパイレーツ 仲林圭



【絶対値レーダーチャート】

パラメータ数値(0~10)
攻撃スキル8
防御スキル8
状況把握能力9
山読み8
緻密さ9
対人要素8
カリスマ性8
メンタル8

【バランスグラフ】

【総評】
協会の新三羽烏として渋川、堀と並んであげられる仲林ですが、上記の2人に匹敵する緻密さを持っている一方でと、そのスタイルは異なります。
彼のバランスグラフはご覧の通り(ぶっちゃけちょっと脚色した点もありますが)、
そのクオリティも相まって「平凡という名の非凡」という言葉がまさにぴったり当てはまる打ち手と言えます。多分業界のすべてのプロを見渡してもこれほど教科書になりえる選手はなかなかいない。

多分麻雀を勉強する多くの競技選手にとって途轍もない壁になりえる存在かもしれないですね。多くの選手が目指すべき理想形でありながら、「総合力でこの男を超える事なんてできるのか?」というジレンマも覚えさせられた選手が実は多数いると思われます。(僕含め)




以上4選手分でした。Mリーグ新シーズンのツマミにでもしていただければ幸いです。
さていよいよ明日始まる戦い、今期も熱い戦いを期待したいですね。

2022年1月21日金曜日

打ち手の体系的評価(鈴木たろう、多井隆晴の場合)

どうも、ご無沙汰しております。
今日はちょっと、
自分の中で以前に書いて、お蔵入りになってしまった記事をいまさらアップしてみようかと。

前々から各打ち手を体系的に評価って出来ないかと思って、
それを実は去年に作ったのです。

ただちょっとあんま面白くできんな、、、、と思いつつも、
せっかくなのでそれを書いてみようかと。

まず打ち手の評価をするにあたり僕の中で考えてみたいのが
①絶対値のレーダーチャート
②バランスグラフ
③総評
の3つ。

ようするに、
①その人の能力絶対値を出して、
②絶対値とは別の「打ち手のバランス」を示して、
③総評にまとめる、
ってわけです。

んで細かく内容を紹介するにあたって、
試しに作った「鈴木たろう」を例にとりたいかと。





では作ったチャートと数字を。

①絶対値のレーダーチャート

各数字を最大値10で評価してます。
数値の基準としては以下の通り。
  • 6:選手として標準的
  • 7:選手として上位
  • 8:トップレベル
  • 9:ほぼトップ
  • 10:特別値。基本は設定しない。
んでそれを含めた各パラメータと数字。
パラメータ数値(0~10)
攻撃スキル10
防御スキル8
バランス感覚9
山読み9
緻密さ9
対人要素9
カリスマ性9

先ほど「基本設定しない」と言いながら、いきなり攻撃10にしてますがw
カリスマ性って麻雀には関係ないですが、麻雀プロ指標としては意味が大きい項目なので入れてます。

当たり前の話、たろうさんはほぼ9です。
8の項目も入れてますが、これはもうオマケです。(正直にお蔵入りになった大きな理由がこれなんですが)

②バランスグラフ


数字と項目は以下。
基本は±5で設定していて、これは傾向評価のバランス値なのでどっちが良いとかは無いです。
パラメータ数値(±5)備考
攻撃or防御3+:攻撃主体、-:防御主体
打点or手数3+:打点重視、-:手数重視
面前or鳴き0+:面前重視、-:鳴き重視
数値or読み2+:数値重視、-:読み重視
シンプルor複雑-3+:シンプルな判断多、
-:細かい判断多
直球or変化球-1+:直球タイプ
-:変化球タイプ

一番解り難いであろう「直球or変化球」について補足すると、
・直球=手広さによるツモ重視
・変化球=迷彩によるロン重視
です。

各数字は0であれば偏りなしの中間になります。
そして一応ですが、左に偏る人ほど攻撃タイプ、右に偏る人ほど防御タイプ、
となるように意識して設定。

③総評
攻撃重視の打点重視ゆえ、パっと見は独善的な判断も多い。
だが一方でこの人の麻雀はけしてシンプルではなく複雑。
ゆえに一見すると「マジ?」という超攻撃的選択がたまにあるが、その実はしっかりした根拠が複数ある。
豪快に見える選択の中での繊細さが魅力であり、「Mリーグ見てて面白い選手ランキング」を作るなら多分トップ3に入る。




、、、とまあこんな感じで作ったんですね。
せっかくなので次に多井さん。

①絶対値のレーダーチャート

パラメータ数値(0~10)
攻撃スキル9
防御スキル9
バランス感覚9
山読み9
緻密さ9
対人要素8
カリスマ性10
ここでも結局カリスマ性で10をつけましたw
8も本当に敢えてのオマケです、、、

②バランスグラフ

パラメータ数値(±5)備考
攻撃or防御-1+:攻撃主体、-:防御主体
打点or手数0+:打点重視、-:手数重視
面前or鳴き1+:面前重視、-:鳴き重視
数値or読み-3+:数値重視、-:読み重視
シンプルor複雑-3+:シンプルな判断多、
-:細かい判断多
直球or変化球0+:直球タイプ
-:変化球タイプ

たろうさんと比較して明らかに守備より。(でも複雑さでは実は両者にそこまで大きな差はないのが、見る人によっては意外にみえるかも)
複雑さ+読みを重視する打ち筋がこの人の特徴的なところ。

③総評
キャラクターイメージとは裏腹に(?)、バランス型の若干守備よりであり、大きな偏りやスキが無い。
また全体的にかなり複雑かつディープな読み、それに対する深い自信がバックボーンとなっいる。
そこから繰り出す驚異の一手がこの人の魅力であり高いカリスマ性の根源ともいえるかもしれない。


ちなみにこの二人のバランスグラフは結構とがってます(出っ張ってる部分が大きい)。
人によってはすごいたいらになる。

でも多分ですけど、尖ってる打ち手のほうが見てて面白い気もする。
仲林とかめちゃくちゃたいらになりそう(彼の場合、逆にたいら過ぎて面白いですけどね)

ただまあ、何人か作ってて一旦ボツに、、、(^^;)
せっかくなので今回2人分はあげたけど。

ちょっと理由は次の記事でボツになった書こうかと。このゲームの実力批評の難しさを改めて書けるかと思うので。


つづく(ただし気が向いたら)