昨日行われた最強戦で見事優勝した近藤千雄について
http://mj-news.net/mjpro/pd/2015092822366
彼は日本プロ麻雀協会の二期生であり、12月受験組です。
ちなみに当時の協会は前後期に分かれておらず、
12月と2月の2回に行われたテストの合格者が全員通期リーグデビューをする形でした。
※ちなみに僕は2月受験組で彼と厳密には同期ではない。
さて彼についての僕が良く覚えている点は
「正当に実力を評価されていない時期が長かった選手」
というところ。
以前別記事でもちょっとだけ触れているのですが、
麻雀というゲームは実力の正当な評価が本当に難しい。
結果と実力が直結しないゲームという点もあれば、
打ち手の思考は打牌だけでは汲み取れないという点もあるし、
打ち方の好き嫌いという点もある。
本来実力評価は、
長い時間とお互いの意見交換をもってしなければいけないのですが、
実際には単純なイメージや噂で軽々しいレッテルを貼られることがあるのです。
そして近藤は元々ものすごいどんよくな攻撃型ファイターなのですが、
彼の麻雀をちょっと見て「酷い全ツしてるヤツ」と協会内で触れ回ってたヤツがいた事、
彼や僕がデビューした10年以上前はまだ戦術研究も進んでいなかった中で、「プロは防御力が大事」という先入観が蔓延っていた事、
これらが実力を正当に評価されなかった要因のだったかな、と今となっては思ったりします。
ちなみにそんな中で木原さんあたりはかなり早い段階で彼を高く評価していた気がする。
そしてそんな評価を受けつつも、ネット麻雀の好成績やリーグ戦での昇級、そしてブログでの意見発信により徐々に彼はその評価を高めていきました。
さて僕自身が彼についてよく覚えているのは、
第11期日本オープン決勝。
http://npm2001.com/nihonopen/11-nop.html
ぶっちゃけ彼とそこまで仲が良かったわけでもなかったのですが、
協会員で彼だけが決勝に残っていたのもあり、彼の後ろについて麻雀を見て応援しました。
その観戦と終了後の打ち上げの席での話を聞いて、
彼の実力の高さを改めて認識したのは良く覚えています。
トップを取れば優勝の最終戦最終局、
役満条件の中でそれを満たすために国士を必死で目指す中、
15巡目に有効牌が引けず和了が物理的に不可能になって、完全に敗けが決定した瞬間、
この時に彼が力をこめて牌をツモり、力なくツモ切ったのは印象的でした。
その二年後の第13期日本オープンも決勝まで進んだ中で惜しくも敗退、
そんな彼が今回の麻雀最強戦2016で改めて初タイトルを獲得したわけです。
昨日はたまたま協会の選手総会だったのもあり、
最終戦南3局と南4局は、多くの協会員がスマホにかじりついて応援してました。
こんなに多くの協会員が一同に一人の協会員を応援し、優勝の瞬間を喜んでいたシーンって、
ひょっとしたら初めて見たかもしれません。
これも以前書いたのですが、
麻雀プロ、特にタイトル戦ってやっぱり「勝ったり負けたり」どころか「負けたり負けたり負けたり」なんですよね。
そんな中でもめげずに精力的にひたすら色々なタイトル戦に出続けた古くからのよしみが、
こうやってタイトルを取るのは個人的にはやっぱり嬉しいです^^
千雄さん改めておめでとうございます。
ちなみに読み仮名は「かずお」ですが、
多くの協会員は「せんお」と読んでいます。面倒だからw