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2017年4月17日月曜日

麻雀も人狼も関係ない雑学話 その2:スポーツと人種差別の歴史

4月15日
アメリカのプロ野球MLBにおいて重要な記念日の一つ、
「ジャッキー・ロビンソン デイ」である。

彼の首位打者1回、盗塁王2回などの選手としての実績はもちろん
近代MLB体制下における黒人初のメジャーリーガーとして後進への道を開いたその功績は言葉では語りつくせない偉業だろう。

その彼の背番号42はMLBで唯一の「全球団永久欠番」であり、
4月15日はそんなロビンソンに敬意を表して選手全員が背番号を42番に統一して試合に挑む。
たまたまテレビつけたら元広島の前田健太をはじめ、全選手が42番をつけていたあらためてその日に気付いた僕であった^^

ちなみにジャッキーについて興味がある方はこちらの映画も是非。
お勧めです。


さて、アメリカのスポーツの歴史は黒人への人種差別の歴史と切っても切れない点が多い。
当時の感覚からすればそもそも黒人と白人が同じ空間に居る事事態を嫌う人も少なくは無かったのだろう。

1950,60年代にマーティン・ルーサー・キング牧師を中心とした公民権運動が展開され、それにより人種差別を規定した法律(ジム・クロウ法)が完全撤廃されるまでそれは「合法」として行われていた事であり、現在もその人種差別感は根強く社会に残っているといわれている。
これは多分日本人には想像できない感覚なのだろう。

先のロビンソンにしても、
対戦相手はもちろんチームメイトからも嫌がらせを受けたり、匿名の殺人脅迫を多数受けたり、試合自体の中止やホテル宿泊拒否など、
とにかく多くのトラブルに見回れたという。

しかしそんな中でもロビンソンは「絶対に仕返しをしない強い精神力」で常に紳士的にふるまい、多くのファンやチームメイトの信頼を勝ち取った。
そして彼だけでなくハンク・アーロンをはじめとした多くの偉大なる黒人選手への道を切り開いたのである。

さてそんなロビンソンとは対照的な存在といえば、
黒人初の世界ボクシング王者ジャック・ジョンソンだろう。

野球と同様に黒人白人のカラーラインが明確にしかれていたこの競技において彼は白人をひたすらに挑発し続けついに挑戦カードを実現させ、その戦いでも圧倒的な力で王者となった。

しかしジョンソンはジャッキーと対照的に、その後ひたすらに白人を罵倒し挑発し続け「白人の敵」として広く認知されることとなる。更に彼は自分が黒人でありながら黒人からの世界挑戦を拒否し続けたのも有名な話である(金にならない等の理由)。

結果として「黒人=野蛮な存在」というイメージをジョンソンが色濃く同競技に残したことで、彼の次の黒人世界王者ジョー・ルイスが誕生するまで30年の時を待つことになる。
ルイスはロビンソン同様の紳士的な振る舞いを評価され挑戦を許され、そして多くの後進に道を切り開くことにもなる。

他にもバスケットボール(NBA)にて史上最多通算得点を記録しているカリーム・アブドゥル・ジャバー、
彼が必殺技のループシュート「スカイフック」を生み出したのは大学時代にいきなり発令された「ジャバー在学中はダンク禁止」というとんでもない規制のためだったのだが、これも人種差別が一つの要因とも言われている。真実は定かではないが。
(そういう意味では人種差別がジャバーの偉大な記録を作ったともいえなくない皮肉な話・・・・)

今の世の中ってどうですかね。
僕が生活している範囲ではあまり「人種差別」って場面に直面することはないだろうけど、でもやっぱり今でも世間のニュースではその手の問題を取り上げたものも多い。

改めて「差別」って感覚は本当に難しい。これは数字とかで語れる物ではなく根本意識(先入観とか)の問題で、解決には年月も間違いなく必要だからである。
実際に「麻雀プロ」という特殊なカテゴリに生きてる身として、たまにそういった「麻雀への根本意識(悪いイメージ)」ってやつを感じる事もあったりなかったりする。
とくに「フリーで雀荘に遊びに行く」って世間からすると結構「あぶない所に出入りしている人」って見る人もいるらしく。
少しずつでもそういった差別意識をなくしていくため、例え理不尽であっても紳士的に振舞い続けた人達の精神をこの業界も見習うべきなのかなあ、とか思った次第でありました^^;


おしまい