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2017年6月30日金曜日

麻雀プロには実力指標(レーティング)がない件 その2

さて改めて前回の続き。
http://susumutakenaka.blogspot.jp/2017/06/blog-post_28.html


RMUは昔から色々な新しい競技制度の導入に意欲的な団体で、
①生涯成績の管理
②年間の最高勝率等を表彰
③RMU内のレーティングポイント算出
といったことをしている。
これは遠い将来に競技麻雀選手の評価ベースとなるようなものかもしれないと思ったりする。

ただ「現在の協会にこの制度を導入すべきか?」というアンケがあったら、
僕は多分NOと答えるだろう。

理由は単純で「タイトル戦やリーグ戦の最終盤が歪むケースが多く出るから」である。
タイトル戦等のような回数が限定された麻雀においては、「最終戦トップじゃなきゃ敗退=2,3,4着は全く同価値」という事が多々ある。

早い話、条件を競っているのであり、平均着順はむしろ相反する考え方になるわけだ。

物凄い厳しい条件を突きつけられる事も無論あり、そうなると打ち方も普段とかわる。
別にその事は仕方がない。競技とはそういう有限回数の戦いなのだから。
自分だけでなく周りの3人もそうであり、いうなら通過条件という共通目的に合わせ、時には無難な時には無茶な選択をする、そういった勝負になるわけだ。

ところがここに「通過は無理そうだから着順を上げよう」という思考が入るとなると、やはりその前提が多少は崩れる。
まあ「タイトル戦の通過と同程度の価値(賞金の可能性等)がトータル成績向上にも与えられる」という状態が実現できれば大きいが、現状はそうもいかない。
というか金銭等の面から見れば、タイトル戦通過すら価値が低すぎるのが現状であり他要素に価値が与えられる様になるにはまだまだ気が遠くなる話だ。

無論「最初からほぼ可能性0の条件になっている人に目的を与える=極端な勝負を作らない」というのは大きなメリットはある。
競技を楽しむハードルを下げられる意味でもこれは大きいだろう。

従来型の勝負の形を好むのはどちらかと言えば僕個人の趣味であるw
まあ既述の通りもっと業界にお金が出て、両者の価値が同列になる時代がくればこれは本当に理想形だ。

もう一つ昨年に行われたWSOM(ワールドシリーズオブ麻雀)の決勝について。
この大会では「優勝賞金を決勝のトータルポイントにて分配する」という制度が取られたらしい。
つまり同じ順位でも稼いだポイントで賞金に差があったわけである。
これは面白いシステムだと思った。

確かにこうすれば目無し問題は解決されるだろうし、いつかどこかの決勝で導入するのもありかと思ったりした。
まあ強いて言えば、「ギャラリーにとって面白い勝負になるか?」という点はあったりするが^^;
結局視聴者が見たいのは優勝という栄冠を誰が取るか取るかの緊張感、勝ち負けの世界であり、それを薄める危険性はある、と。
いや、現在のタイトルは賞金よりもその他の物(シードや実績)を争う面が強いの考えると、ちゃんと面白い決勝にもなると思うし、これやっぱいいかもしれない。



さて最後に麻雀王国さんでも取り上げれた馬場さんの記事について(一部抜粋)

麻雀というゲームを、競技として、あるいは文化として世間に認知してもらうために、あえて囲碁・将棋の世界に近づけようとしたのです。
たんなる模倣ではありません。麻雀業界関係者は実際にそうなることを願っていました。囲碁・将棋の世界のように、麻雀プロがタイトル戦や対局料で食える世界になってほしいと・・・・。
しかし、その悲願は達成されないまま40年近くの歳月が流れ、残ったのは囲碁・将棋のタイトル戦を真似た決勝戦の「形」だったのです。
(中略)
今の「形」、囲碁・将棋のタイトル戦を模倣したシステムを撤廃し、麻雀というゲームに適した、新たなタイトル戦のシステムを考案したほうがいいのではないか、と僕は思うのです。

これは本当に仰るとおりで、
試行回数といいシステムといい数十年前に最高位戦が出来た時に作られたシステムは残念ながら麻雀を競技化するには課題が多かったのは事実だろう。
これはある意味最高位戦を作り今日まで麻雀を競技として普及してくれた方々が導き出した研究の成果だと思う。

前回記事のレーティングの件も含めて、
「どのような形が最適か?」と言うのをまだまだ模索している段階としか言えないんだろう。
たとえば「ポーカーのような制度にする」といっても今度は別の問題がでる。(麻雀はプレイ時間が長すぎる)

まあ僕なりに「こうした方がいい」というのは考えとしちゃあるが、
正直にそれを書いても長いし、非現実的部分が多すぎるのでちょっと今日はここまでとしときたい。
お恥ずかしながらですね・・・・^^;

上述のWSOM決勝ルールは結構理想的と思っているし、
近々この制度のタイトル戦が国内ででてくれないかと考えたりはする、とだけ。
日本麻雀ルールにどう適用させるかの検討はいるけど
おしまい