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2018年11月24日土曜日

麻雀も人狼も関係ない雑学話 その13:褐色の日本酒と無色のウィスキー

3連休、
色々と身の回りの用事を片付けつつ、ちょっと美味しいお酒とツマミがほしくなり、新宿の百貨店を巡り歩いていたらこんな物を見つけた。


「古酒」というと沖縄の泡盛を寝かせた物と思っていたのだが、
こちらは日本酒を熟成させた物との事。
私、基本的に酒は蒸留酒(特にウィスキー)をこよなく愛しており、日本酒は実はそこまで好きではない。
が人生初体験という事と、このウィスキーを思わせる色合いに惹かれて何となく購入した。

飲んでみると、日本酒の香りが熟成されてまろやかになっておりとても美味しい。
これなら日本酒が苦手という人もすんなりいけそうな味である。

さてだが一方で個人的に疑問に思ったのは、「どうやってこの色ってついてるのだろう?」という点だった。

ここでちょっと事前知識。
褐色の酒といえばやはり一番メジャーなものはウィスキー、
だが蒸留後のできたてのウイスキーは、実は無色透明である。
これが褐色になる理由は樽の中での熟成により、樽の木材の色みがウィスキーに染み出すためだ。
そしてこの際に樽の香りもウィスキーにうつる。ウィスキーにとって樽熟成とは色・味・香の全てを生成する作業となっている。

ちなみにウィスキーが樽熟成されるようになった発端は密造された物を隠す為だった。
舞台は18世紀ごろのスコットランド、
当時スコットランドはイングランド(イギリス)に併合され、ウイスキーの製造に対して不公平かつ重い税金がかけられる事となっていた。
その逃避策としてウイスキーメーカーは政府の目から逃れるため山奥に作る場所を移し、作ったウイスキーも樽に入れて隠すようになり、
結果として数年間隠された酒を見た業者はそこに加えられた新しい魅力に気付き、現在の製造方法が確立されたのである。
なおこの後に今度はウィスキーの原材料である大麦に重い税金がかけられ、その回避策として大麦以外の雑穀をつかったウィスキーが生まれたりと、人類の酒の歴史は見ると結構面白いものが多い。

さてそんな中で「元々無色の日本酒にどうやって色を付けてるんだろう?やっぱ樽熟成?」と考えて調べてみると、以外な事実が判明。

まず結論として、「熟成古酒の色は酒そのものの色である」という事。
日本酒はウィスキーのような蒸留酒と異なり、中に色々な化学成分が入っており、その中のブドウ糖とアミノ酸が熟成が進むにつれ化学反応(メーラードまたはアミノ・カルボニール反応)を起こし、メラノイジンという褐色物質が生成されることになる為、らしい。

そもそも作りたての日本酒というのは実は無色透明ではなく、淡い緑がかった黄色い色をしているらしい。
基本的には精米歩合が低くなるほど、酒の成分も少なくなり色も着きにくいが、市販の酒の大部分はその色を一定(無色)にするため、色が濃くなるものほど大量の活性炭を使って色を抜いている、との事。
、、、、あの普段見ている日本酒の色は墨によって無理やり作られていたのか。そう考えるとなんかちょっと「やっぱウィスキーの方がいい」と思ってしまったw

元々無色の物に熟成で色をつけるウィスキー、
元々有色だけど色を抜いている日本酒、
面白いですね。

まあ細かい事はどうでもいい、それが酒飲み。
買って来たお供とともに古酒を美味しく頂いたのでました。

やっぱ海産物には日本酒が犯罪的に合う。
というかワインと海産物は絶望的に合わないので、皆さんそれだけは避けましょう。ワインのツマミはチーズか肉です。魚・魚卵あわせると死にたくなります。

日本人に生まれてよかった。