このブログを読むような麻雀バカの皆さんに今更書く事でもないかもなのだが、
麻雀には「パオ」と呼ばれるルールがある。
これは
・大三元の3つの三元牌
・大四喜の4つめの風牌
・四槓子の4つめのカン
これらを鳴かせた人、つまり「役満を確定させた人」に適用される罰則であり、
ツモなら全額、
ロンなら放銃者と折半、
で点数を払う制度である。
このルール、
競技団体は採用をしていない所が結構ある。
「無意味」という考え方が最近ではもう定番になってきているとも個人的には感じる。
理由の一つとして、
まず「”他家の迷惑”という考えでいえば、役満確定の副露以外にも幾らでもある」という点がある。
早いドラ切り、染め手に対する薄いケア、数え上げりゃキリが無い。
そしてそれ以上に、昨今では「麻雀は他家に全く影響が出ない打牌なんて不可能であり基本は自分の利を優先すべき」って考えが主流になった点である。
思えば僕がプロになった15,6年前は、
麻雀では「他家に迷惑をかけるような打牌をするのはダメ」という考え方が結構主流だったと思う。
というか「鳴かせたからには責任をとれ」という言葉はフリーなどで今でもたまに聞く。
協会に入った時に先輩にこの手の(今考えると理不尽な)叱咤を受けた事もあるし、
競技麻雀だと「目が薄くなった人はおとなしくしているべき」という考え方が主流だった。(役満条件を狙って怒られた事もあったし)
でも研究が進みこれらの考え方が否定され「麻雀に迷惑じゃない一打はない」が主流になり、
そして昨今はネット対局放送の増加により「観戦」から麻雀に入る人が増えた中、
このルールはますますローカル感が高まっているとも思う。
競技者でも採用が減ってきている以上、巷にもこれを「一般的ではない」と意識する人は増えているかもしれない。
そしてフリー雀荘では多数の店で今でも採用している一方で、
そもそも発現頻度が低い、適用がされるシーンは滅多にお目にかからない事象である。
僕自身、
フリー雀荘に足しげく通った中で、3つ目の副露が出たシーンは見た事あるし、
その後の放銃で折半払いが成立したところも見た事は何回かあった。
が、ツモあがりでの全額親っかぶりというのは見た事がなかった。
・・・過去形なのは昨日ついにそれを見たからである。
1177 ツモ 1 白白白(ポン) 發發發(ポン) 中中中(ポン)
白をポンさせた人の一人かぶり、32000点の払いでゲーム終了となった。
ちょっともめたのが祝儀Pについてである。
祝儀Pはツモなら2万点×3=6万点、ロンなら3万点、のルールだったのだが、
・パオ責任者が6万点払う
・パオ責任者が3万点払う
・全員で2万点ずつ払う
どれかメンバーに問い合わせたら
「パオでのツモ和了は放銃扱いなのでパオ責任者が3万点払う」との事。
まあここら辺は店の決め次第なので、「ふーん」という感じだった。
だが、ふと思ってメンバーと話す。
『和了者からすると、本来なら6万点貰える所を3万点になるのだから、ちょっと損するカタチなんだね』
「まあそうですね。でも役満あがったんだからそれぐらいは広い心で許して頂ければ」
なるほどw
他の店とかどうなんだろうなあ。
パオ自体がハウスルールだから明確な決めなんてないし解らん。
というか、
改めて思ったんだけど大三元以外のケースで「パオ」が適用されたのを、
フリー雀荘で見た事ある人っているんだろうか?
だってフリーには大四喜ダブル役満扱いとかないから、
大四喜の4つめの風牌なんてポンせずに両面とかの聴牌にする人が普通だし。
まあでも超早い巡目での即4副露とかは可能性0ではないか。
でも四槓子の4つめのカンなんて、
そもそも四槓子自体が空前絶後のレア役と考えると「見た事ある地球上にいるのかよ」ってレベルだよね。
色々と考えると、
「大三元以外の役満でパオが適用されるのを僕がこの目で見る前に、日本のフリー雀荘からパオが無くなるんじゃね?」
とか思うわけである。
いつか「パオって何ですか?」って協会の後輩に聞かれる人か来るのかなあ。
別に来ても不思議じゃないとも思うのですよね。