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2019年6月6日木曜日

自分の手の内、開示する?しない?

将棋棋士の対局では、
試合が終わった後に「感想戦」と呼ばれる対局者による手筋の振り返りがある。
まあ麻雀プロもこれは対局後の飲み会とかでやったりするのだが、
将棋の場合は試合後の正式な慣例として行われている、とでもいうべきだろうか。

で、この感想戦も棋士によって個性がある、らしい。
言うなら「どの程度、自分の戦術思考、手の内を開示するか?」が違うのである。
自分の戦術思考を開示する事は、
ある意味で「自分だけに見えていた観点・情報」という自己財産を相手に提供する形になるともいえる。
これについて「不利」とみなし、感想戦でもあまり多くを語らないタイプの棋士というのはいる、らしいのだ。
※僕はそこまで業界について知らないので聞いた噂程度w
 

んで、麻雀プロにも似たようなタイプ差というのは実はいる。
まあ将棋プロに比べてたら圧倒的にこの差は少ないとは思うが。
なんせ麻雀は一部情報が隠蔽されている不完全情報ゲームだし、その他もろもろの点も考えると、「隠すことがあまり自分のプラスにならない」と僕とかは思ってしまう。
つまり僕自身は特に隠蔽はしない。
正確に言えば
・隠蔽するとそもそもの自分の思考がどの程度正しいか、共感してもらえるか、がわからない = 隠蔽にも大きなリスクがある
・そもそも勿体付けるような凄い情報を自分が持ってる気がしないw
という点から隠す意味を感じてない為だ。

でもやっぱりここも上述の通り個性は無論あって、協会にも「隠蔽派」は結構いる。
僕の知る「協会の隠蔽派代表格」はズバリ金太賢。
ぶっちゃけ彼の事を「どんな戦術についての話を聞いてもとりあえずの笑顔でテキトーにあしらってきやがる男」と思っていたりするw
でもまあ、「単純に相手を選んだり、口下手だったりとかの理由で話さない人もいるしなあ」とか思ったりもするので、本心はわからない。

・・・と長年思っていた。

が、そんな金が今度戦術書を今度出すらしい。
彼の打ち方は結構「風変り」と思ってる僕としてはちょっと興味があり、
それについてtwitterで本人が言及しているのを色々と見ていたらふと目に飛び込んだ呟き。

自分であっさり認めてやがった・・・・
うーんやっぱり人によるんですかね。この辺は。

僕なんかは上述の「自分の情報に対する評価がわからない」ってリスクを優先して考えちゃうけど、
自信あふれる多くの打ち手には案外そう考えない人がもっといっぱいいるのかもしれないですね。
 

さて、ちなみに、
僕の知る限り「聞けば全部答える公開派の代表格」は、
鈴木たろう大先生。
聞けば大体全て教えてくれる。
しかも僕の想像を超えたレベルの質の情報とかまで。

僕は金の事を「意図が良く解らない風変りな事をする男」とたまに思う一方、
鈴木たろうの事を常々「やってる事は当たり前の事でしかない。精度とレベルが高すぎて周りが理解できてないケースが多いだけ。」
と思ってるが、
単純な情報公開への今までのスタンスの違いでそう見えてるだけで、
金のやってる事もレベルが高すぎて理由が理解できてない、だけかもですね。

そして将棋界にて「自分の思考、手の内を全て明かす人」として有名なのは、
かの羽生善治です。
「自分が不利になるという思考を一切感じない、むしろ公開する事で自分の情報を更に研磨しているように見える」
「全てをさらけ出すからこそ、その思考の高さに愕然として、”勝てない”と思わされる」
こんなライバルから語られるエピソードが多々あるらしい。
どの業界でも、
真の天才、
才能の上に更に色々な物を敷き詰めた”王者”って奴は、
考える事は同じなのかもなあ、とか思ったりもする。





まあでも僕としては、
羽生さんみたいな神聖な人を見る目でたろうさんを見るには、
卓外での破天荒っぷりも色々と見てるだけにちょっと難しいんだけどさ(ーー;)

でも麻雀打ちとしては僕の人生に大きな影響を与えてくれた尊敬できる人です。
これは本音。