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2019年10月29日火曜日

直感のススメ その2 同じ"カン"でも違う物

前回の続き
http://susumutakenaka.blogspot.com/2019/10/1.html

『じゃあ改めてお聞きします。
南2局 6巡目
五五六七七八九⑤⑥⑦⑧23 ツモ⑤ ドラ3
このリーチをした時に嫌な予感がした理由は何でしょう?』

「えっ?、、、、、それは、親が1sがアンコとかにされてて1-4sが薄いというのをなんとなく感じて・・・」
『あんまり答えになってないですが。
じゃあ今振り返って1がアンコになってるのを感じた論理的根拠はなんですか?』
「論理的根拠?」
『はい。直感でそう思ったにして、今振り返ってみて根拠と思える情報はあったのでしょうか?』
「そんなの無いですよ。感じただけです。」
『じゃあやっぱりそれはただの気のせい、結果が悪かったからそう思ってるだけです。』
「・・・・・」


『前回述べたように、直感というのはあくまで情報・知識から結論を導く処理を並列かつ高速にする力にすぎません。
”時間や労力をかければ至れる場所に瞬間的に到達する力”、ってだけなんですよ。
つまり逆に言えば”当人の知識や理論を超えた結論付け”というのは出来ないのです。』

「・・・・えっと、つまり直感はあくまで自分の力の延長にあるもので、
算出できる回答は自分の知識や技術の範囲でしかない、
そして冷静な分析をした際には根拠となる情報があるはず、
って事ですか?」

『はい。
もちろんアナログゲーム等は、全てが数値化されたような正確な情報、ではありません。
でもアバウトな幾つかの情報があった等、
背景無くして”直感”は生まれないのです。
だから今回のケースの様に改めて振り返って根拠らしいものが特に見つけられないのであれば、
それは脳の力=直感ではなく、
① 只のヤマ勘がたまたま当たった、
② 実はあなたはエスパーだった
のどっちかですね。』


「ちょっと待って下さい。
となると”カン”には、
① 自分の力によって導き出した直感
② 特に理由のないでたらめな感覚(もしくは超能力)。いわばヤマ勘。
の二種類がある、って感じでしょうか?」
『その通りです。』
「そんな二つが混在したら、どこまでが自分の右脳の直感なのか解らなくないですか?」

『だからこそ今回のケースの様に、
なんとなくの直感が出した選択に対して、
”なぜこの選択が良く見えたのか?”、
”そこに至った理論と情報の根拠は何か?”
と結果を無視してプロセスを常に見つめるのが大事なんです。
特に麻雀みたいに選択技術と結果が直結しにくいゲームでは。
そこの検討を見誤ると、直感力も鍛えられず、訳の解らない方向に麻雀の技術が迷走するんですよ。
まあ世の中にはそんな脳の直感をさらに超えた領域、
言うなら第六感を鍛える事に重きを置く人も結構いるんで、
何が正解かは解りませんけどね^^;』

「なるほど。」
『改めて結論を言えば、
キバヤシさんの今回のケースみたいに、後で理由付けをロクに出来ない件は直感に分類しない方がいいです。
そうしないと左脳で管理する基本的知識も、そして直感力も鍛えられません。
右脳はあくまであなたの出来る範囲の事しかやってくれないのですから。』


「・・・・もう一つお聞きしてもいいですか?」
『どうぞ』
「今のお話を聞いててまあ納得はしたのですが、
そう考えると結局直感って奴は情報の速く処理するに過ぎない力ですよね?
そんな物を鍛える必要性ってあるんですか?
別に時間かけてしっかり左脳を使えば何の問題もない(フリーで迷惑な客になるかもだけど)、
直感はいらないって聞こえたのですが。」

『いい所つきますね。
たしかにそう思えるかもしれませんが、それは大間違いです。
麻雀に勝つには直感=右脳を鍛えるのが絶対に必要です。
ちょっと次の記事でその理由に触れましょう』

続く