先週にあげようとしたらアップ直前に全部消えてしまい。
何とか気力で書き上げたはいいけど、
正直にこういう話はタイムリーにあげないと面白くないかもですが、、、、
せっかくなのでアップとしときます。
改めまして当記事は、
2/25(月)に行われたMリーグの第2試合、
黒沢さんが四暗刻単騎を内川さんからあがった半荘についての物です。
なお100%私見の記事なので苦情は受け付けません。
当方の知識に基づく勝手な解析です。
当方、当事者の方から特に直接お話も聞いておりません。(聞く事も不可能では無いですが^^;)
※当のご本人からなんかあったらその時は修正・追記するかもですが。
まずなんというかもう色々と凄い試合でした。
上述の黒沢さんのオーラスの大逆転もですが、
そこに至るまでのプロセスが色々と凄くて。。。。
特に今回の主役となっているのが和了した黒沢さん、そしてやはり内川さんですね。
ただこのシーンについて、
正直に世間で多く出ている感想を見て「ちょっと違うんじゃないかと」と思う点もあるのです。
さて、詳細はこちらのURLにある公式観戦記にありますので、
知らない人はこっちを読むのをお勧めします。この文中では細かくは書きません。
https://kinmaweb.jp/archives/101626
※ここから文中敬称略です
ポイントをかいつまんでいうと以下の通り。
・オーラス点数状況(南4局2本場)
勝又 44500
黒沢 14700
村上 40700
内川 100
・ここまでのトータルポイント状況と各自の思考(の予想)
勝又(風林火山) ほぼ予選敗退決定だがとりあえずトップが欲しい。この局伏せればOK。
黒沢(雷電) セミファイナルをかけた当面の相手である村上(ドリブンズ)トップは避けたい。かつ3着で終わらせたい。
村上(ドリブンズ) トップが欲しい。着落ちもほぼ心配なし。
内川(サクラ) ラスを抜けたいがハネツモ条件。最低でも風林火山にトップをとらせたい。
・そこで起きた事
残りツモ1,2回あたりで12000聴牌した内川が勝又からのあたり牌をスルー。(あがってもラスのまま、トップは村上に変わる。)
そしてハイテイで内川が黒沢の四暗刻単騎に放銃(待ちは字牌の西。村上が1枚切っている)
・ここに至るまでの展開
ドリブンズのトップを阻止したい雷電の黒沢、
および風林火山にトップを取って欲しいサクラの内川、
2人の共闘で南4局突入時はトップだった村上が1本場にて勝又に捲られた状況。
特に内川は0本場で明確に勝又を連荘させる為に牌をおろしている。
さてこの中で二つの焦点についての話をしたいかと
① 内川の立場から見た戦略について
② 内川が12000をスルーした理由
まず①
この半荘の南場以降の内川の思考、
そして南4局0本場について言えば、
「ドリブンズのトップ阻止というよりも、風林火山にトップをとって欲しいから鳴かせた」というのが僕の見方です。
「何が違うの?」と言われれば目的の違いで
・セミファイナル進出の為にドリブンズを押さえつけたい
・セミファイナルを優位に戦うために敗退濃厚な風林火山にトップを渡して他チームのポイントプラスを最小限にしたい
という差であり、前者と後者でちょっと意味合いが違うわけです。
雷電(黒沢)の立場であれば前者の思考が強い局面でした。
パイレーツがいるとはいえ思いっきり狙われる位置であるゆえ、ドリブンズのトップだけは阻止したかっただろうな、と。
ただ逆を言えば黒沢としてはトップが勝又でも内川でもまあOKだったわけです(無論勝又の方が好ましいですが)。
一方でサクラ(内川)はこの時点では3位、セミファイル足切りはまだ見なくていい位置、
つまり勝又トップが超理想的、だけど他がトップでもそこまで困った事態ではない、と言えるでしょう。
村上・勝又が東場に突っ走った結果、黒沢・内川の両者の目的が偶々一致して二人が同じ目的に走ってると見えたけど、
実は微妙に違ってた、と思うのです。
じゃあこの背景を元にして
②のスルーの真意について考察します。
というか①の目的からすると、「ますます内川は12000をスルーする意味がなかったんじゃ?」
と考える人は多いかと。
あれをあがればラスとはいえ雷電・パイレーツもまだ下だった。
確かにドリブンズとの点差については役満打ってでもスルーした方がよかったけど、
セミファイナル進出確率はとにかく、セミファイナルでの勝ち上がり率は下がったんじゃ?
そこまでしてドリブンズのトップを阻止する意味あったの?
って疑問が出るかと思います。
これは単純に言えば、その通りだと思うんですよ。
つまりこのスルーについては単純に内川が思考を瞬時切替できずにミスったんじゃないか = 人的エラーの類、
と僕は考えております。
ミスに至りそうだった要因は幾つかあって
その1:
南4局でうまい具合に展開が進み「風林火山にトップを渡す」って目的が成功し、
「そこを崩してはいけない」という思考ロックが入ってしまった。
その2:
オーラスに12000を聴牌。
黒沢からの直撃かツモなら3着浮上、
村上からの直でも風林火山トップでOK、
と考えた中で一番いやだった風林火山が掴む結果になった。
⇒ 前述の理由その1も相まって「自分がラスのまま村上トップはやってない」という方向に思考が強くシフトした。
⇒ スルーした後にもっと良い結果もありえた(実際に村上が7p切る可能性はあったし、そうなればさらに成功となる見逃しになりえた)
これら背景で「13600点の収益で問題ない」って感覚が抜けちゃったのだとみています。
・サクラがそこまで無理する必要でもないポイント状況
・カン入ってる中で親リー入ってるリスク
・黒沢全ツのリスク
「それらのリスクを振り切ってまでバクチを打つ状況だったか?」は疑問であり、
冷静になった今となっては内川さん自身が「スルーすべきじゃなかった」と思ってるかもなあ、
とか僕は結構思うわけですね。
オーラスの西での放銃を内川さんは悔いてるみたいですけど、
「あの大バクチを打ったならむしろ西は打つんじゃないか」というのが僕の意見です。
まあ逆に、ひょっとしたら内川さんの中では今でもスルーは納得済みかもしれないですけど。
そもそも最後が役満放銃という想定より遥かに酷い結果だったのですが、通常だったらそこまでの不幸も無く終わるケースが大多数なわけで。
ただ、選手が持つ「思考の拘り」ってのは数字だけじゃ計れない点もあるし、
内川さんの胸中はちょっと解りかねるんですけどね。
そしてそれよりも僕が一番思うのが
こういう半荘に「見る雀」の面白が凝縮されてる、と言っていい位に面白い半荘だった、という点です。
見る雀が一番面白い瞬間って、
今回書いたような選手のこだわり、
もしくは微妙なミス、
言うならこれらの偏った選択、
これが凄い場面を生み出す瞬間なんですね。
偏った選択といったら、
この半荘のオーラスに並ぶ名場面、
南1局で黒沢さんの和了牌をピンポイントで止めて村上さんがあがった局でしょうか。
村上さんがまったくさぼらずツモ切りリーチの意図を考えてドラ切り、
そしてオナテンの和了牌を引き込んだのですが、
これも「凄い選択したな。オリてれば万事平和な局面なのに。」と大体の人が思うからこそ、
そこを引き勝った結果の名場面が生まれたわけで。
当たり前に打つ、
当たり前にオりる、
でもそこに打ち手が考えるポリシーとか、
時にはミスが生まれて、
それがすごい場面を作り出す時がある。
そんな麻雀の面白さとそれを見る事の楽しさ、
細かい事無抜きに「凄い」と思える半荘だったと思うわけです。
改めてそんな名勝負を見逃した方、
もしも興味ある方は、
以下URLから見れるので是非ご覧ください。
https://abema.tv/video/episode/444-4_s1_p89
さて、そんなMリーグもいよいよ今週で足切り2チームが決まりますね。
僕も競技麻雀ファンとしてドキドキしながら見守らせて頂きます。