follow us in feedly このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年9月14日月曜日

第19期A1リーグが終わった中で今の率直な気分を忘れないうちに書いときます

土日の出来事に特に関係なく仕事は月曜に始まる。
まあ会社員麻雀プロとしてはよくある事だし、
別に会社員じゃなくてもMリーガー以外の麻雀プロの日常なんてそんなもんだろう。
9月の前期末の為月曜から忙しいが逆に気が紛れて良いかもしれない。

さて改めまして9/13(日)、
第19期の雀王戦A1リーグが終了いたしました。
結果は13位で降級となりました。
※巨星「鈴木たろう」がついに降級した事で世間の話題が独占されているであろう中、僕もひっそりとね・・・・

同卓のライバルだった小川が大勝したのと、他卓のポイントが自分にとってあまりいい方向に動かなかったのが痛かったですね、、、

小川が7万点トップ取った1回戦、競り合いから抜け切れず22000点のラス引いた2回戦、ここはまだ仕方なしだったのですが
思い出すのは3回戦、ここはかなり判断分岐も多くて後悔があります。

南場に入る頃には自分のラスが濃厚な状況だった中、小川のトップだけは阻止したい状況、
ここで
①小川のトップを阻止する為だけに動く(他家の親リーにすら差し込む)I
②小川がトップになってもいいからとにかく素点を守る
このどっちかに動きを”完全かつ徹底的に”行えばまだ展開も変わったかもなのですが、
小川のトップを阻止しつつ素点もある程度意識した中間的な動きをしたがゆえに結果として最悪のトップラスを決められて致命傷を負ってしまった感が。
まあ「一個でも勝負の振り子が良い方向に動いてくれれば、、、」って愚痴もちょっとだけあるんですけね。

改めてA1リーグは2年間で一旦幕を閉じました。
んでそれを含めて現在の感想を。(以前に書いた記事とかぶる部分はありますが)


僕は自分の事を過大にも過少にも評価してないつもりなんです。
競技選手ってのは相手の事も冷静に分析・評価できてこそ、と思ってるし。
正直な本音として、
世間一般の「競技麻雀選手」ってカテゴリーの中で、
僕よりも弱い人なんてゴロゴロいると思ってる、
でも一方この業界には僕なんか及びもつかない凄い精度と技術を持ってる化け物みたいな人も確かにいる。
そして自分を客観視した時に、
多くの人よりも技術の点で負けていない自信もあれば、
一方でもっと鍛えるべき点も多数自分にはあって、
もっと多くの事を学んで強くなりたいという意欲も持ってる”つもり”なんです、

ただそこにはやっぱり感じる限界もあるんですよね。
その業界の頂点に君臨する本当の怪物を「トップ」と表現するなら、
「届かいんだろうなあ、、、」と思う点も多く。



ちょっとテニスの話をしましょう。
「錦織圭」といえば世界トップクラスのプレイヤーである事は疑いようもないでしょう。(近年ケガで苦しんではいますが)
マスターズやグランドスラムでの成績、世界ランク、どれを見ても世界のトップで渡り合ってきた選手です。
でもここ数年での世界のNo1をフェデラー・ナダル・ジョコビッチの誰かとするならば、錦織との間にははっきりとした壁を感じる人が多いんじゃないでしょうか。

将棋でも似たようなことがあります。
2000年代、2010年代のNo1が誰か?と言われれば、羽生か渡辺あたりを大体の人はあげるでしょう。
そこにたとえば、木村一基という名前を「強豪」として挙げる人はいても「No1」として挙げる人はいないんじゃないか、
と思うわけですね。

勝負事には実力以外にも様々な要因がある。
その日の運、
その日のコンディション、
展開、
でもそういった要素を指し引いても大体の局面で勝利をあげる化け物がどの業界にもいるわけです。それがNo1というべきでしょう。

協会のNo1は誰でしょうね?
それを明確に言う事は出来ないですが、
これはスタイルの好みとかもあるんですが、
僕の現時点での正直な見立てを言えば
堀慎吾?
渋川難波?
仲林圭?
金太賢?
鈴木たろう?
ってとこですね。
シンプルなスタイルが好みって人は矢島亨と回答するかもしれません。
マニアックなスタイルが好みって人は田内翼と回答するもかもしれません。
2年後には松本吉弘かもしれません。
※あくまで僕目線

ただ自分が頂点に届くイメージがあるか?と言われれば全くもってノーなんですよね。
別に悲観してないんです。
「努力すれば強くなれる」これは良い考え方だと思います。
でも「努力すれば必ずトップになれる」なんて言ったらもう疑問符しかつかない。

そこには
センスの差、
積んできた経験の差、
それらを含めた現時点での差、
そして年齢、
色々とありますし、あるべきでしょう。


17年前、
ぼくは「会社員を麻雀プロをする」という決断をして、それを守ってきて今に至るのですが、
この2年間初めて本当にすこーーーーーーーーーしだけその事を後悔しました。
ここまで来れる運があると知ってたら、
自分の時間のほぼ全てを麻雀に突っ込んだ上で勝つ or 負けてみたかった、とw

別に負け惜しみが言いたいのではなく、
これから会社員をやりつつ麻雀プロをしてく人には、
ひょっとしたらそんな後悔を感じる日がくるかもしれないと、伝えておきたかっただけです。

あと協会のトップに化け物が多数いるのはずっと見てきて知ってたけど、
そんな人たちと自分が目指してきた場所で麻雀やる、
これが想像を絶する凄まじいプレッシャーだという点、これは長いのなかでキャリアで初めて知りました。
本当に想像していなかった(今回唯一の収穫かも?)



ただこんなことをダラダラ書いても、
だからといって別に僕がやる事がこれから何か変わるわけでもない、って事ですね。
トップが凄いからといって、別に僕がこっちが勉強やめるわけでもない。(やり方は変えるかもですが)
「届きそうにないから開き直って楽しむ」ってのも考え方ではあるんですが、
とりあえず来年以降でいきなりそれをやる気は無いし(それはそれで良い競技との接し方だと思うんですけどね)。
「来年必ず昇級して返り咲きます」とは口が裂けても言えないですね。
無論それをめざしはするんですけど。

昔から
「麻雀が100%実力のゲームだったら麻雀プロと仕事のどっちかを辞めてます。
おそらく自分のへぼさに気づいて麻雀プロ辞めるんじゃないでしょうか?」
と言ってきたんですが、
いっそそうであってほしかったな、とも思うのでありました。
自分のメンテナンスにとにかく疲れる。

そして最後に、
こんなネガティブな気分になる最終節の翌週にオータムCSとかぶつけてくる協会の日程案にはちょっと恨み事を言いたい気分です!せめて2週間あけてほしいわ!

まあ頑張りますけどね!w