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2018年12月19日水曜日

忘れられない当たり牌のビタ止め

10年以上前、後輩にいきなりこんな質問をされた。
「以下の状況・牌姿から何きりますか?」
東1局の西家です。

123455678北北 西西西(ポン) ドラ 中
・7巡目
・親リーチが入ってる(1発目)
・1、2、9は現物(5は無筋)
・北は1枚切れている

『こんな物、5以外に何を切れと・・・』
「いや、僕1切ったんですけどどうでしょう?」
『ダメだろ』

「いや、理由は色々とあって。まずリーチに1発で無筋の5とか切ったら9とか絶対出てこないじゃないですか。それに実は5はリーチの当たり牌だったんですよ。それで(ry」

まあ彼の言い分は省略して僕の言い分だけ今回は書くが、
麻雀の打ち方の基本のひとつとして「どうせ勝負するべき手なら下手にひよるのはかえって非効率」という点がある。


上記の手、まあ仮に次に無筋を引いたときにオりる前提で打つなら1切りはまだ理解が出来る。(いやトータルでは損だとは思う。が、一貫性はある。)
が、どうせ次に引いたマンズ・ピンズの無筋も勝負する気ならここでだけひよって手広い聴牌を崩すのは明らかに非効率的である。
勝負手はもう決着つくまで殴りかかる前提で行くべきで、安全策を取って手狭にうける事は自分の和了確率を下げる、つまりトータルでみると損になるケースのほうが多数なのだ。

いうなら5があたると超能力で読みきってるケースを除いては、損なわけである。
近代になって1点止めというヤツをする競技選手がほぼ絶滅した最たるゆえんはそこにある。

ところが、
やはりいまだに「相手の当たり牌を限定的な手順で止める」という事に魅せられる愛好家はいる。
それが不可能だと知っているか知らないかは人それぞれではあるが、
やられた時のインパクトが相手に残りやすいプレイというのはまあ事実なのだろう。


かなり昔にフリーで麻雀打ってた時こんな事があった。(※多少フィクション入りますが)

ワシ、後輩の女流A、そしてその店の常連1、常連2で同卓、
そんな中、常連1の方がリーチしたのに対して追っかける女流Aちゃん、

数巡後にツモアガリをする
二3355668899発発 ツモ 二 ドラ 5 裏 四

3000-6000ではあるが、
ちょっと待てばソーズのメンホンチートイに切り替えできる牌姿、
実際にリーチ後に字牌も引いている。

(なんだそりゃ。。。)
とか思っていたら先行していた常連1がしゃべり始める。
常連1「なんで二タンキでリーチなの?」
女流A「いえ、なんかあたる気がしたので^^ホンイツはもったいなかったけど。」
常連1「ふーん。まあ俺二五待ちだったんだけどさ。裏も乗ってマンガン」

それでも100%の確証がない二タンキでリーチかける価値は乏しいんだがなあ。常連さん可愛そう、
とか思ってその日の卓を後にした。

だが数日後、
その女流Aと酒の席にて、
女流A「実はあの数日後に常連1さんからお手紙もらったんですよ。」
ワシ『手紙?』

彼女いわく手紙には
”あの二万が忘れられないのでこれを貴方に送ります”との一文があり、
そして封筒にはどこからか持ってきた麻雀牌の二万が同封されていたらしい。


ワシ『・・・よ、よかったね。ファン増えて^^;』
女流A「というかそんなに忘れられないなら貴方持っててください、って感じですよ。。本当に怖かったです。」

二万だけ抜かれたその牌セットはどうなったんだろう、さすがに店からパクったとかじゃなくて自分で買ったセットから抜いたんだよな?とか色々と思ったりもした。
その常連さんの将来(といっても既にオッサンだが)がちょっと心配だったりもした。
が、それと同時に”やっぱ一点止めって相手の心にのこるんだなあ。俺もたまたま当たり牌止めた時に次からもうちょっとドヤ顔するか”、
と極めてどうでもいい事を考えたのであった。

おしまい